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見えない魔王——歪みきった征服ゲーム  作者: 純白
【第二部】 第三十九章——一騎当千
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354 闇夜に煌めく聖光

キティの機転によって窮地を脱した彼女たち。果たして、この絶望の戦場から、無事に逃げ延びることはできるのだろうか――?!

銀龍の刻印の残存部隊は黒い森から数十キロにわたって敗走を続け、紅蓮山脈へ逃げ込んだ。


数十人の生存者は物音一つ立てず、重苦しい空気に包まれていた。


アンドリアは皆から離れ、山頂に一人で座っていた。


死んだ魚のような目で、フレンドリストをぼんやりと見つめていた。


【フレンド: ノクス (00)日 (57)分前に死亡。最終位置:黒い森】


「……」


……


教皇都市――


二十体以上の訓練用重装ゴーレムが、大聖堂の鐘楼へ続く入口を塞いでいた。


「ちっ……建物の中にゴーレムを置くやつがいるか……」


ドイツ軍の大半は魔導士だった。魔法耐性が極めて高いゴーレムを短時間で倒すことができず、斥候を送り出して、大聖堂の周囲から別の入口を探すしかなかった。


斥候は鐘楼の石造りの外壁に沿って進みながら、窓や壁の隙間がないか頭上を見回した。


その時、何か柔らかいものにぶつかった。だが、目の前には誰もいない。


「まさか……」


斥候がすぐにステルス探知光を使って確認すると、なんとソフィアが目の前にいた!


斥候が笛を吹こうとした瞬間、毒を塗った鎖鎌が下から跳ね上がり、その顎を貫いた。


毒は瞬く間にドイツ軍の斥候の体を麻痺させ、斥候はこんにゃくのようにぐにゃりと倒れた。


「この人を押さえていて」キティは腰のポーチを探った。


「えっ!? 私が!? こ、この人が目を覚ましたらどうするの!?」ソフィアは慌てて斥候の上に全身で覆いかぶさり、怯えながら尋ねた。


ザシュッ……。


キティは一太刀で敵の斥候の首を切り裂くと、布袋に詰めて暗い路地へ投げ込んだ。


「どうして最初から殺さなかったの?」ソフィアは眉をひそめて尋ねた。


「殺すと、フレンド転送システムが発動するかもしれない。こうすれば死亡判定までの時間を稼げる。早く鐘楼へ入れる場所を探そう……くそっ、大聖堂の外壁は魔法で守られていて、すり抜けられない……」キティはそう言いながら、割れた窓がないか絶えず目を走らせた。


しかし、六口弥生はリオに、鐘楼だけでも防衛拠点として機能する多機能要塞を設計させていた、一番低い窓でさえ地上から十メートルの高さにあり、キティでもよじ登ることができなかった。


「この先に秘密の入口があるよ、ついてきて!」教皇であるソフィアは当然その場所を知っており、今度は自分が先頭に立って案内した。


「どうやら、助ける相手を間違えなかったようだ……」キティは鼻で笑い、ソフィアの後を追った。


「さっき私が年老いた修道女を助けるために大聖堂へ駆け込んだあと……広場で何が起きたの?」ソフィアは死体で埋め尽くされていた大聖堂前の広場を思い出し、怯えながら尋ねた。


「ドイツ軍が攻め込み、生き残った者たちは全員、大聖堂の鐘楼へ退いた。今は各ギルドの拠点やNPC勢力の情報がドイツ軍に知られないよう、本サーバーの資料を鐘楼の中で焼いている。約30分後には、信頼できる翼騎兵が命懸けで塔の屋上へ降りる。それより、お前が言っていた秘密の入口はどこにある?」キティは冷たい口調で答えた。


「柑々が大聖堂とレストランを行き来しやすいように、二つの場所をつなぐ地下通路を作っているの」ソフィアは答えた。


「暗証番号を入力するような仕掛けはある?」キティはすぐに尋ねた。


「たぶんないと思う。薄い本棚で隠してあるだけ。前に彼女の店長室へ交渉に行った時に見つけたけど、わざわざ隠している様子もなかったし、個人的な近道にすぎないよ」ソフィアは喜び、ますます元気を取り戻すと、柑々のレストランへ向かって駆け出した。


……


花の香りが鼻をくすぐり、二人は柑々の花園へ入った。


銀色の月光を浴びた花畑は、まるで地上の星空のようにきらめいていた。だが、その美しい光景の向こうからは、至る所で悲鳴と激しい戦闘音が響いていた。


「この花畑をこっそり抜ければ商店街に着く。柑々のレストランは、その一番奥にあるよ」ソフィアは唾を飲み込んで言った。


「行くよ、もう時間がない」キティは深呼吸した。


二人は一気に花畑を駆け抜け、ひそかに商店街へ入った。


街の中では、すでにドイツ軍の巡回部隊がちらほらと姿を見せていた。


「私から離れないで……」キティが小声で告げると、ソフィアは力強くうなずいた。


二人は幽霊のように細い路地を駆け抜け、時には酒樽の中へ潜り込み、時には木製の荷車の下を這って進んだ。


本来なら、まっすぐ大通りを進めば五分で着く距離だった。だが今は、迷路のように入り組んだ路地を慎重に進まなければならない。


横道へ曲がった。右か、左か――ソフィアには分からなかった。


「私を導いて……」ソフィアはロザリオを握り締め、緊張しながら心の中で祈った。


「宗教だけでも十分馬鹿げているのに……ゲームのシナリオまで本気にするなんて、恐れ入るよ」キティはソフィアをからかった。


「でも、私が感じているものは本物だから……」ソフィアは言い返すことができず、素直に自分の気持ちを口にした。


ソフィアが左を指し、二人は出口へ向かって走った。だが、前方から敵の巡回部隊が近づいてくるのが見えた!


「だめ! 戻って!」


二人は急停止して引き返した――しかし、路地の反対側にも別の巡回部隊が現れていた。


どうする!? 元の道へ戻るにはもう遅い。


横道にあるのは木箱と雑貨の山だけで、身を隠せる場所はなかった!


「お前の神はどうした!?」キティは苛立ちながら鎖鎌を抜き、命懸けで戦う覚悟を決めた。


ソフィアも黒いマントを脱いで戦おうとした。だが、スキルを使えば北極星のように眩しく輝いてしまう。どうしても必要な時以外は、絶対に手を出せない。


ソフィアは必死に頭を働かせ、普段、大聖堂でふざけて修道女たちから逃げ回った経験を思い出した。そして突然、あることに気づいた!


「そうだ!」


……


二つの巡回部隊が路地で足を止め、離れた場所から互いを見つめた。


「Eis(氷)」


「Funke(火花)」


彼らは合言葉を口にし、味方だと確認すると武器を下ろして話し始めた――だが、そばに布袋が二つ増えていることには気づかなかった。


「何か見つけたか?」左側の巡回兵が尋ねた。


「さっき二人殺した。この街は新米が多いな。情報によると、プラムスとハゲグがこのサーバーの中核となる王都らしい。そこまで行けば、少しは戦いがいのある相手を見つけられるだろう」右側の巡回兵は気のない様子で答え、ギシッと音を立てて木箱にもたれかかった。


ソフィアは全身の毛が逆立つのを感じた。極度の緊張によってアドレナリンが一気に噴き出し、五感が野生動物のように研ぎ澄まされていく。


隣の布袋に隠れているキティの気配は、死体と変わらないほど静かだった。


ソフィアは高ぶる感情を慌てて抑え、キティをまねて自分の気配を消した。


「どうせ後で『デブ豚』がこのサーバーを引き継ぐんだ。そこまで念入りに調べる必要はない。それより、現地民を少しだけ生かしておいて、クトゥルフの死のダンジョンを無理やり遊ばせたいな」左側の巡回兵は笑いながら言った。その視線が木箱の上をさまよい、布袋で止まった。


巡回兵は興味を持ち、布袋へ手を伸ばした!


「クトゥルフは『デブ豚』と仲が悪いらしいぞ……」右側の巡回兵が言った。


「どうしてだ?」左側の巡回兵は尋ねながら、キティの隠れている布袋へ手を置いた。温かい指先が袋越しにキティの頬をなぞったが、中身が硬く冷たかったため、ジャガイモのような農作物だと思って気に留めなかった。


「『デブ豚』には悪い癖があって、クトゥルフはそれが気に入らないらしい」右側の巡回兵は意地の悪い笑みを浮かべた。


左側の巡回兵の指先が、今度はソフィアの布袋へ伸びてきた……少しずつ近づいてくる。


「導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて導いて」ソフィアは全身が熱くなり、狂ったように祈り続けた。


敵兵の指先がソフィアの鼻先で止まった、その時――奇跡が起きた!


「隊長から城門を封鎖して、プレイヤーの逃亡を防げと言われただろ! さっさと動け!」別の巡回兵が横道の端に現れて怒鳴ると、すべての敵兵が一斉に走り去った。


ソフィアは気を失いかけた。血圧が一気に跳ね上がり、血管が切れて脳卒中を起こしそうだった。


しかし、再び奇跡が起きた――巡回兵たちは一斉に城門へ向かって走り出した。最後尾の一人が横道を出ようとした、その時、一羽の白い小鳥がその肩をかすめ、ソフィアの布袋へ止まった。


【密書 コリン:さっき俺の白い鳥が殺された。無事か!? 今すぐ長剣で自分の腕を切り落とす。HPが20%以下になったら、俺のところへ転送してこい!――05分前】


「コリン……あなたのせいで死ぬところだよ……」ソフィアは力なく苦笑した。


「密書……まさか!?」


ドイツ軍の巡回兵ははっとして、ソフィアのいる場所へ歩み寄った。


ヒュン!! キティが鎖鎌を構え、布袋を突き破って飛び出した。


「ふざけやがって……!」


狭い路地ではドイツ兵も魔杖を振り上げて反撃できず、キティに壁際まで押し込まれた。


「死ね、現地民! 黒雷!!」周囲の巡回兵たちがすぐさま攻撃を放った。


キティは黒煙に変わり、建物をすり抜けて姿を消した――魔砲はそのまま、背後にいたソフィアを直撃した!


ドン!!!


「うっ……」


ソフィアは吹き飛ばされて宙を舞い、地面に叩きつけられると、ボールのようにしばらく転がってようやく止まった。幸い装備が優れていたため、致命傷は免れた。


「なにっ、一人消えた!? 夢葬者(むそうしゃ)だ、気をつけろ!」


ドイツ兵が気づいた時には、キティがその背後へ瞬時に回り込み、刃を振るって敵の首に深手を負わせていた。


ドイツ兵はすぐに武器を落とし、本能的に傷口を押さえながら倒れた。


「早く走って!」キティはソフィアの手をつかみ、そのまま駆け出した。


その瞬間、雷光が走った――バチッ、ドン!


一本の雷の槍が背後からキティの体を貫き、キティは地面に倒れて激しく痙攣した。


【システムメッセージ: フレンド コリン HP残り20%】


【システムメッセージ: コリンのそばへ転送します。(Y/N)】


コリンが用意した脱出作戦が発動した!


「逃がさないぞ、現地民の教皇!!!」


ドイツ軍は一斉に何本もの雷の槍を投げつけた。


「全員を救うことはできない……」


キティの言葉がソフィアの頭をよぎった。


「ここへ来るまでに、いくつの命を見捨てましたか?」


年老いた修道女の言葉も同時に思い出した……。


N!


【システムメッセージ: フレンド コリンのそばへの転送を拒否しました】


聖なる光が閃いた!


「ラロの栄光を!」


ドン!!!!!!!



Yか、Nか。皆さんなら、どちらを選びますか?

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