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見えない魔王——歪みきった征服ゲーム  作者: 純白
【第二部】 第三十八章——百賢始動
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348 黒の森に降る煉獄

一つのギルドが不意打ちによって壊滅した。

それでも本鯖連合軍は、ドイツ軍との正面決戦へ踏み出す――

ズガァアアアンッ!!!!!


複数の火球がエルフの陣線に大小の穴を炸裂させた。だがドイツ軍の数はあまりにも少なく、結果として第一波のエルフたちはドイツ軍の防衛線へ到達することに成功した。


ドンドンドンドン!!!


前線に突然雪が舞い散り、ドイツ軍の陣線から同時に複数の氷牢が炸裂した。数十人のエルフが一瞬で凍りつき、動けなくなった。


ドイツ軍はその隙に戦術的な後退を開始し、森の中へ退いて連合軍との距離を取った。


「敵が逃げるぞ!!!!」


両翼の獣人騎兵はすぐに前へ飛び出し、包囲しようとした。


「森の地形は人数の優位を削ります。それに伏兵にも注意してください」古志がニフェトに忠告した。


本サーバー連合軍は秩序を保ち、安定した歩調で黒の森へ入っていった。


ドイツ軍は散発的に魔法を放ち続け、エルフを妨害した。だがエルフは生まれつき敏捷で、魔法耐性も持っている。魔法は彼女たちの攻め込みを止められず、エルフたちは再びドイツ軍の目前まで迫った。


「ヴィニフの姉妹たちよ、戦いの中で舞いなさい!」


彼女たちは銀の槍で尖った壁を作り、ドイツ軍の陣中へ攻め込んで、何人もの敵を刺し傷つけた。


ドイツ軍が突然足を止めた。彼らは片手を横に払うように動かし、百近い魔法陣を同時に浮かび上がらせた。


数十の複合詠唱によって、展開された術式が一つに結合し、凶悪な赤雷の符陣へと変わっていく、不気味な爆鳴を放つ――


「白色脈衝!」複数の賢者が魔杖を掲げ、終結連携を放った。


赤い雷玉がエルフ部隊の中央を直撃し、強烈な爆発でその場のエルフたちは一瞬にして灰となって消し飛んだ。残った両翼はドイツプレイヤーへ圧をかけたが、暴雨のように激しく降り注ぐ鋭い氷結晶に撃ち崩され、瞬く間にあたり一面は屍の山となった。


エルフ部隊による第一波の攻撃は、完全に失敗した。ほぼ全滅だった。


だが両翼の獣人騎兵はすでにドイツ軍の両側へ駆け込み、三方包囲の形を完成させていた。


「距離を詰めろ!!! 奴らのスキルがクールタイムに入っているうちに、一気に突破するのよ!!!」アンドリアは好機を逃すまいと、自ら数十騎の竜騎士を率いて樹冠から飛び出し、ドイツプレイヤーの上空へ急襲した。


「全軍突撃!!!!!!!!」


銀龍の刻印、影の旅団、Kanatheonの全軍が前進を押し進めた。


獣人騎兵が突撃を開始しようとした、その時――。


タタタタタタタタタンッ!!!!


爆竹のような連続音がドイツ軍の陣中から響き、獣人騎兵の一帯が撃たれて倒れた。


「うおおおおおお!」魔王軍に加わった千名近いNPC海賊が木の陰から現れ、拳銃を掲げて生き残った獣人騎兵へ再び一斉射撃を浴びせた。


左翼の獣人騎兵は稲穂のように一面ごと刈り取られ、静かに地面へ横たわって死んでいった。


「転進! 海賊部隊の撃破を優先する!」ノクスは即断して左へ転じ、銀龍の刻印の主力を率いて海賊を迎え撃った。


ノクスは、この千名の海賊に友軍後方から火力を吐かせ続けるわけにはいかないと分かっていた。全力を尽くせば短時間で海賊を大きく崩し、その後で友軍と合流できる。


火野良は大部隊とともに、正面からドイツ軍へ猛攻を仕掛けた。


その時、右翼の獣人騎兵は魔法の流れ弾を浴びながらドイツ軍の陣中へ突入し、ドイツ軍はたちまち包囲に陥った。


中央の主戦場では、花火大会のように目がくらむほどの光が炸裂し、爆発音が次々と響いた。


数十発の闇討ちの銃弾がドイツ軍魔法職の眉間を狙って放たれたが、彼らは氷の盾でそれを防いだ。


物理であれ魔法であれ、遠距離攻撃はすべてドイツ軍の魔法職に破られ、彼らはほとんど遠距離攻撃を無効化していた。


「おかしい……」


古志はすぐに異変を感じた……ドイツの賢者たちは、スキルのクールタイムがあまりにも早すぎる!


Kanatheonは、友軍がすでに正面から敵を押さえ込んでいるのを確認すると、歩調を速めてドイツ軍の背後へ回り込み、退路を断とうとした。


――その瞬間。連合軍の数百もの目が、針で刺されたかのように一斉に見開かれた。


ドイツプレイヤーの陣前に、あろうことか千を超える巨大な魔法陣が、まるで幾重にも重なり合う巨大な壁のように浮かび上がったのだ。魔法陣は底知れぬ魔力を放ちながらびっしりと重なり、幾層にも重なった複合符陣がドイツプレイヤーの全軍を包み込んでいく。


「ディレイ詠唱だと!?」火野良は呆然とした。魔法陣が互いに混ざり合い、どんどん黒くなっていくのが見えた。


「大地聖歌!」「ラロの祝福!」「勇気の頌歌!」


本サーバーの百名近い司教と枢機卿は迷うことなく、すべての防護スキルを使った。


「違う………この数………」加奈はKanatheonの陣内から、遠方のドイツ軍が呼び出した魔法陣の数が、彼らのプレイヤー数をはるかに上回っていることに気づいた。


カミコの目にも、珍しく動揺の色が浮かんでいた。


その時、加奈はようやく危険に気づいた。

「まずい!! あいつら全員、源魔師よ! クールタイム中でも、同じ系統の術式を重ねて発動できる! 気をつけて!」彼女はすぐに味方へ警告した。


「アヌビスの疫病」キャロルは黒い天秤を呼び出し、半身ほどの高さの分銅をその上へ投げ乗せた。


戦場はたちまち紫の霧に覆われ、連合軍にかかっていたバフの残り時間がどんどん減っていった。


「時間がない!! 早く斬り込め!」火野良は狂暴状態を発動してそのまま突撃し、正面からドイツ軍を突破しようとした。


「撃ちなさい……」パーカーが命じると、すべての魔法陣が同時に光を放った。


一本の火竜巻が連合軍中央から立ち上り、溶岩、砕けた氷、雷球が煉獄の暴雨となって八方へ撒き散らされた。火竜巻の周囲にいた連合軍は、破滅的な魔法嵐に引き裂かれた。


「うわああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」


さっきまでの堂々たる咆哮は、悲鳴へと変わった。


ドイツ軍は突然、巨人のような戦闘力を解き放ち、一気に連合軍の中核を打ち崩した。


……


【システムメッセージ: ギルドメンバー xxx HP残り0%】

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茶杯が床へ落ちて砕けた。ソフィアは教皇都市の城壁の上に立ち、止まらないギルドメンバーの戦死通知を呆然と見つめていた。


彼女は大聖堂の正門を蹴り開け、教会内で見学や用事をしていた数十名のプレイヤーを驚かせた。


「私、ソフィアは教皇として命じます! 私とともに出陣しなさい!!!」ソフィアは怒鳴り、全身から眩い白い聖光を放った。


聖堂の両側にある隠し扉が同時に開き、大聖堂中の衛兵、処刑人、司教がソフィアの呼びかけに応じ、瞬く間に数十人規模の戦力が集まった。彼らは同時にソフィアへ跪き、プレイヤーたちもその空気に呑まれて一緒に跪いた。


「持ちこたえて……私が行きます……」


ソフィアが自ら聖旗を掲げ、援軍を率いて出発しようとした瞬間、突然眉間に痛みが走った。


教皇都市の城壁下に無数の地面の土が盛り上がり、二千体の屍人が突然現れた。


背が高く痩せたドラキュラが西門に立ち、屍人を指揮して攻城を始めた。


「ふざけないで……よりによってこの時に……早く! この役立たずどもを皆殺しにしなさい!!!」


ソフィアのそばには百人にも満たない人数しかいなかった。それでも彼女は迷わず聖旗を掲げ、城を飛び出して迎撃に向かった。


黒い影が空から降り注ぎ――ドンという音とともに、屍人の一団を吹き飛ばした。


「黒雷!」十本の黒雷が城門を横なぎにし、複数の屍人を撃ち殺して、一帯を空けた。


「油断するなよ……ソフィアちゃん……」


荒道一狼が不敵に笑った。彼は柑々とともに支援へ駆けつけていた。


「柑々……どうして……」ソフィアは、中立を貫いていた柑々まで参戦するとは思っていなかった。


柑々は唇を噛みしめ、教皇都市の守軍を遥かに凌駕する、圧倒的な数の不死族を見つめて言った。

「もう嫌なの……友達が消えていくのを、また見ているだけなんて……」

……


黒の森は烈焔の旋風に焼かれ、一面真っ赤に染まっていた。戦場は真夏のように蒸し暑く、耐えがたい熱気に包まれていた。


「急いで奴らの退路を断て!!!」Kanatheonは慌ただしくドイツ軍の背後へ回り込み、包囲しようとした。その時――。


周囲の森から、いくつもの異獣の咆哮が響いた。


火鳥、氷虎、雷熊………数え切れない召喚獣が、動物の大移動のようにKanatheonへ襲いかかった。


「大量のドイツ軍テイマーが出現!」哨兵がすぐに叫んだ。


「何ですって?! まだ予備隊がいるの?!」ニフェトは内心で驚いた。


「パシュス、指示を!」桐司が急いで尋ねた。


「え……だが、我々の任務はドイツ軍の源魔師部隊を包囲することで――」パシュスは一瞬、判断を決めかねた。


「パシュス!!! 指示を出せ!!!!」桐司が怒鳴った。


「全軍、命令を聞け! 包囲されるのを避けるため、まず敵のテイマーを撃退する!!」パシュスは戦力を集中し、先に敵の奇襲部隊を倒す決断を下した。


「はあっ!」前衛たちは一直線に並び、ドイツ軍の召喚獣を正面から迎え撃った。


戦場は一瞬で狂乱の狩猟祭へと変わった。肉は裂け、骨は砕け、血の花が四方へ飛び散る。誰もが全力を振り絞り、強大な魔物を打ち倒そうとしていた。


だが魔獣たちはテイマーの制御下で互いにかばい合い、簡単には撃退できなかった。Kanatheonの大半は、その場に足止めされてしまった。


「時間を浪費している! 古志! ここは君の部隊に任せる。残りは俺について主戦場へ急げ!」パシュスは即断し、小規模な兵力を残してドイツ軍のテイマーを足止めさせると、大部隊を率いて離脱した。


……


ドイツ軍の烈焔の嵐に引き裂かれた主戦場前線――


キィィン………


火野良は頭を振って耳鳴りを追い払い、泥の中から立ち上がった。


鼻の穴は灰で詰まっていた。彼は二本指で鼻をつまみ、大きな黒い鼻くそを二塊押し出した。


我に返った火野良は、足元が友軍の死体だらけになっていることに気づいた。彼らの黒焦げの遺体は、藁のように倒れ伏していた。


先ほどの火竜巻から生き残ったのは、少数の高レベルプレイヤーだけだった。彼らは灰の中から、ゆっくりと身体を支え起こしていた。


後方では味方が駆けつけている。前方ではドイツ軍の源魔師たちが呪文を唱えている。


火野良は両軍の間に立っていた。


「もう……一歩だって退くかよ!!!」彼は大きく吼え、空高く跳び上がった。


「まずい! あいつ、命を捨てる気だ!」


今、ドイツの源魔師たちの主要スキルはクールタイム中だった。彼らはダメージのない氷霧を噴き出して火野良の移動速度を落とすことしかできなかったが、狂暴状態に入った彼にはまるで通じなかった。


「死ね!! 絶対君臨!」火野良は浮遊する巨剣を召喚し、ドイツ軍の陣中へまっすぐ突き刺した。


「Dominanz(絶対君臨)」その瞬間、ドイツ軍の陣中からも咆哮が響いた。一本の銀色の大鎌が虚空から現れ、火野良の金色の巨剣と激突した。


ドン!


ドイツ軍と連合軍は、同時に巨大な衝撃波でなぎ倒された。


火野良は顔を紙のように青ざめさせ、その場に呆然と立ち尽くした。


「お前が火野良だな……」力王・オットーは二本の巨大な大鎌を抜き、彼の前に立って冷笑した。


「………」火野良は、自分の最強の一撃を受け止められる相手にこれまで出会ったことがなかった。思わず唾を呑み込み、手にした武器を握りしめた。


両サーバー最強の暴君同士の対決が始まろうとしていた……


……



あらゆる戦線で主導権を奪われた本鯖連合軍――

火野良は、力王オットーを打ち破り、反撃の狼煙を上げられるのか……!?

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