340 広がり続く亀裂
【システムメッセージ: 王都戦争が正式に開始されました―――】
「ふぁ……あ」本サーバーのグズに駐屯している者たちは、もう半年も戦っておらず、すっかり牙を抜かれ、緊張感を失っていた。
彼らは武器を下ろし、入口のそばに座って雑談していた。緊張感などまるでなかった。
「攻城戦はもう始まっている! もっと気を引き締めろ!」防衛を担当する小隊長が突然、怒鳴った。
NPC防衛線全体が足を踏み鳴らして直立し、胸を張って顔を上げた。
一方、プレイヤーたちは目を細め、困惑したように小隊長を見つめた。
「ははははは! 驚いただろう!」小隊長はいたずらっぽくプレイヤーたちを指さして大笑いした。
「ちっ……暇なのかよ!」プレイヤーたちはほっと息をつき、彼に酒壺を投げ渡した。
グズの城のすべての入口は、NPC衛兵で構成された五層の防衛線によって守られ、一糸乱れぬものだった。
プレイヤーたちは安逸にNPC防衛線の後ろへ隠れ、ならず者のように輪になって談笑していた。
「ロシアサーバーには美女が多いらしいな」小隊長が冗談めかして言った。
「はは、システムはプレイヤーの外見データの一部を参考にしてゲームキャラを作るからな。ロシアはもともと美女が多いんだよ!」司教が大笑いして応じた。
「ロシアプレイヤーを俺たちのサーバーへ連れ帰ることはできるのか?」誰かが尋ねた。
「変態なことを考えてるだろ……はははは! 残念だが、他サーバーのプレイヤーは魔王の転送ゲートを通れないんだ。攻城戦が終わったら、一緒にロシアサーバーへ旅行しようぜ!」小隊長がいやらしく笑って提案し、全員が声をそろえて賛成した。
一人の騎兵職が、近くに上層部がいないことを確認してから、小声で言った。
「正直、プレイヤー人口が減ったほうがいいよな。今のここは人影すらないし、俺たちは楽でいい!」
「自分の仕事さえしていれば十分だ。他の防衛なんて俺たちには関係ない!! はははは!」小隊長は他の者たちと杯をぶつけ合い、大笑いした。
「そうだ……そろそろ時間だ!」男メンバーが彼らに目配せした。
「本当にそんなに伝説武器があるのか?」小隊長は半信半疑で言った。
「間違いありません!」女メンバーが言った。
「なら……ひとまず見に行くか。衛兵隊長!!!」小隊長が大声で呼ぶと、門口を守っていたNPC隊長が小隊長のそばへ駆け寄った。
「銀龍の刻印のメンバーは戦術会議を行う。その間、誰一人として城内に入れるな」小隊長が言った。
「小隊長、ノクス様も通してはならないのでしょうか?」NPC隊長が尋ねた。
「あ、ああ、通すな! 俺たちはすぐ戻る。ノクス様が来られても、重要な作戦中だと言えば分かってくれるはずだ!」小隊長は少し動揺を隠しながら言った。
「了解しました」隊長は簡潔に答え、その命令をすべてのNPC部隊へ伝えた。
……
「ようこそ、高貴なお客様方! 全員おそろいですか?」春野玄は門口で彼らを出迎えた。
「三十人くらいだ。一部は興味がなかった」男メンバーが答えた。
春野玄の顔に一瞬、不快そうな色がよぎった。
「まあいいでしょう。どうぞお入りください」彼は木の扉を開け、メンバーたちを迎え入れた。
小隊長たちは待ちきれずに木の扉をくぐったが、中には神器など一つもなかった。
「おい、装備はどこだ?」小隊長は男メンバーを問い詰めた。
「きっとしまってあるんだ! おい、お前――」
ドン! 春野玄は木の扉を重く閉め、それから大きな鋼の錠で扉を固く施錠した。
「おい! 何をしてるんだ?!」彼らは驚いて叫んだ。
「どけ!」一人の狂戦士が大斧を掲げ、叩きつけた。
ガン!!!
木の壁の内側には、なんと分厚い黒鋼の層が仕込まれており、武器では簡単に破壊できなかった。
「どういうつもりだ?! ここから出せ!」小屋の中のプレイヤーたちは扉を叩き、大声で叫んだ。
春野玄が手を振ると、周囲の路地から数十名のNPCが姿を現した。
「人数は?」和也がゆっくりと歩み出て尋ねた。
「三十人。主力のほぼ半数です」春野玄は息を切らしながら答えた。
和也はうなずき、他のNPCへ手を振った。
彼らは木小屋にタールを一面に浴びせ、それから松明を掲げた。
「やめろ!!!」ドーンは松明を奪い取り、NPCを怒鳴って止めた。
「あんたは、奴らを閉じ込めるだけだって言っただろ!」春野玄は驚いて問い詰めた。
「うん。今、彼らは閉じ込められている。だから、ここから先のことは君には関係ない」和也は無表情に言い、何気なく松明を投げた。他のNPCたちも一斉に松明を投げ込んだ。
炎は一瞬で外壁を伝って屋根へ這い上がり、木小屋はボウッと音を立てて燃え上がった。天井はすぐに烈火で焼け落ち、火のついた木梁が何本も崩れ落ちて、空いっぱいに火の粉を舞い上げた。
ドーンと春野玄は、三十人が大火に呑み込まれ、悲鳴が少しずつ弱まっていくのを、ただ見ていることしかできなかった。
「おい、報酬だ」
和也はさらに二つの伝説の指輪を投げ落とし、背を向けて去ろうとした。
「この嘘つき!!!!」ドーンは指輪を拾い上げ、和也へ投げつけた。
和也は黙って振り返り、視線だけで二人を威圧した。
春野玄はすぐにドーンを押さえ、彼がまた衝動的なことを言わないようにした。
「賢いなら……早く逃げることだな……グズの城から離れろ……ふん」和也は冷笑し、他のNPCたちとともに路地の中へ消えた。
……
同じ頃、グズ西入口――。
「なんだ、あれは……」
買い物組に参加しなかったメンバーの一人が海岸線の異変に気づき、用心深くNPC防衛線を抜けて確認に向かった。
「なんてことだ……まずい……」彼は恐怖のあまり、武器を取り落とした。
……
プラムスの城――。
「ノクス様! 我々は不死族に包囲されています!」プラムスの哨兵が大慌てで高塔へ駆け込み、報告した。
「ふ……不死族だと?! 数はどれくらいだ?!」ノクスは慌てて尋ねた。
「狙撃手の報告では……い、一……一万です」哨兵は口ごもりながら言った。
「聖属性防具に着替えろ。全軍、城壁へ上がって警戒! 翼騎兵をグズの城へ向かわせ、そこからロシアサーバーへ転送してアンドリアに警告しろ!!!」ノクスは哨兵に命じると同時に、パシュスへ救援を求めた。
【各プレイヤーに告げます。闘技場の全試合を一時停止します。指示に従い、闘技場から退出してください。
繰り返します。
闘技場の全試合を一時停止します。指示に従い、闘技場から退場してください】
久しぶりの警報音が、再びプラムスに鳴り響いた。多くの初心者は初めてその警報を聞き、新鮮そうに興味を示した。
銀龍の刻印の精鋭が総出で動き、いくつもの小隊を組んで大通りを抜け、城壁へ走っていった。
プレイヤーたちは、ここまで重く張り詰めた空気を見たことがなく、刺激的だと叫んだ。
「えっ?! もしかして誰かが攻城してるの?! 本物の戦争が見られるんだ!!!」
「なんか大変なことになってるみたいだぞ!」
「俺たちも見に行こう!」
全城のプレイヤーは野次馬のように銀龍の刻印の部隊についていき、城壁へ駆け上がった。
数千人が、突然静まり返った。
黒々とした屍人の海が、見渡す限りどこまでも続き、果てが見えなかった。彼らの目は緑の光を放ち、緑の星海のように城壁を包囲していた。
「撃て!」城壁へ駆けつけたノクスは、すぐに命令を下した。
一面の矢と弾幕が屍の海へ降り注ぎ、数百体の屍人がその場で倒れた。
「うおおおおお!!!!!! 俺も撃つぞ!!!」
魔導士たちは大小の火球や氷雨を撃ち込み始め、屍の海にいくつもの肉の波紋を爆ぜさせた。
屍人はまるで動きの遅い生きた的のように、一方的に虐殺されていった。
だが、数があまりにも多かった。彼らは城壁の下まで押し寄せ、死体を積み上げて屍の梯子を作り、城壁へなだれ込んできた。
「前衛、準備!」銀龍の刻印の北壁指揮官が叫ぶと、重装プレイヤーたちは武器と盾を抜き、後衛職の位置を入れ替わった。
数百本の蒼白い屍の腕が城壁の胸壁にかかり、プレイヤーたちはすぐに濃烈な死臭を嗅いだ。
「う…………うう……」
「殺せええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」
百本以上の長剣と巨大斧が狂ったように振るわれ、刃の面はフラッシュのように城壁一帯で瞬いた。数体の屍人が刃の陣を突破し、プレイヤーに飛びかかって噛みついたが、彼らの牙はプレイヤーの装甲を有効に貫けなかった。攻撃力は意外なほど低い。だが、そのそばには一つの特殊効果が表示されていた――ドラキュラの不死の呪い。
「まずい……後退!!! 中距離武器に切り替えろ!!!!」防壁指揮官は屍人の呪いを見て、顔を土のように青ざめさせた。
【ドラキュラの不死の呪い: 攻撃を受けた者の護心石効果が一時封鎖されます 1分】
【ドラキュラの不死の抱擁: 攻撃を受けた者のHP上限が減少します 10分】
「気をつけろ!! 絶対に噛まれるな!!!」
プレイヤーたちはようやく気づいた。屍人の恐ろしさは攻撃力や防御力ではなく、相手の能力を削り続けることにあった。
野次馬気分で来た十数名の二次職は、夢中で斬っていた。だが、彼らは銀龍の刻印に従って後退せず、突然、数十体の屍人に包囲された。
「まずい!! 助けてくれ!!!」
彼らが屍の群れへ引きずり込まれ、引き裂かれそうになった、その瞬間――。
ドドドドドドドドドドドドドドド!
緋色の弾幕が正確に撃ち込まれ、屍人の群れは藁のように身体を断ち切られた。
彼らは屍の血肉の中でもがきながら立ち上がり、プラムスの第二城壁が火力を全開にし、第一城壁上の屍の群れをうまく制圧しているのを見た。
「狙撃手諸君、競争しようじゃないか!」イージは笑って言った。
ドン! 装填。
「どうやら魔王がようやく動いたようだ。さあ、戦いを存分に楽しもう!!!」
狙撃手たちのスコープは城壁を行き来し、すでに多くの者を救い出していた。
その時、北から角笛の音が響いた!
「Kanatheon、参上!!」パシュスは支援部隊を率いて駆けつけ、屍の群れの後方から攻撃を仕掛け、大暴れした。
「早くパシュスに警告しろ。屍人の能力を甘く見るなと!」ノクスは驚いて叫んだ。
「ドラキュラ……引き続き、亡者を呼び続けろ」ドイツプレイヤーに操られた数名のNPCと、蒼白く背の高いドラキュラは遠方に身を潜め、屍の海を見つめていた。
ムー大陸で最も激しい戦場は、まさしく戦略上の要衝であるプラムスだった。その城壁の下には、戦死した無数のプレイヤーが埋まっている……
ドラキュラは眉をひそめ、城壁の外に広がる草原へ、枯れ細った手のひらを向けた――。
大地がボコボコと不気味な盛り上がりを見せ、地底からさらに五百体もの屍人が這い出し、アンデッドの大軍へと合流した。
「来い……思う存分、守ってみせろ……」
……
ドイツプレイヤーがこれまで仕込んできたすべてが……突如として、同時に牙をむいた……




