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見えない魔王——歪みきった征服ゲーム  作者: 純白
【第二部】 第三十五章——狡兎良狗
333/450

332 狡兎良狗

交錯する運命。もはや後戻りのできない戦争が始まった――!

大戦前夜、ロシアサーバー、グズの城――


千名を超えるプレイヤーとNPC守備軍は四つの大隊に分かれ、すべての入口を守っていた。採用した戦術は、もっとも原始的で血なまぐさい肉の壁だった。自らの肉体で虫族の刃を受け止める。だが、彼らの士気は高く、闘志に満ちていた。


なぜなら、これは初めて自由な身で選び取った戦いだったからだ。


最強ギルド黒邪翼が打倒されて以来、ロシアサーバーはずっと血なまぐさい内戦に陥っていた。彼らにとって死はもはや見慣れたものであり、麻痺しているとさえ言えた。


だが今回は違う。彼らは未来への期待を胸に、自ら立ち上がり、魔王との決戦を選んだのだ。


……


「カスター、お前は守城戦に参加しなくていい」魔狩人は狙撃砲を調整しながら言った。


「なぜだ?」カスターは驚いて尋ねた。


「俺の命令だ」ロコフが後方の大通りに現れた。その背後には黒獅子軍の精鋭小隊が続いている。


カスターは振り返った。顔に一瞬だけ殺意が走ったが、すぐに笑みで覆い隠した。

「プラムスの防衛はいいのか?」


「ああ……それはお前が心配することか? カスター……」ロコフは自信ありげに笑った。


「プラムスを反乱軍の元メンバーに任せて、本当に安心できるのか? 奴らは前ギルマスを自分たちの手で殺したクズだぞ」カスターは嘲るように言い、わざと挑発した。


「洗礼を受けた者は信徒だ。天父は過去を問わない」ロコフはすぐに受け答えた。まるで最初から用意していたかのようだった。


「そうか……お前たちが私を必要としないなら、私は城内で待機していよう」


カスターは腕を下ろし、周囲の険しい顔をした黒獅子の精鋭たちを見回した。それから軽薄な表情を浮かべ、背を向けて去ろうとした。


「待て、カスター。お前はギルド大広間にも近づくな」ロコフが彼を呼び止めた。


「どういうつもりだ?!」カスターは大げさに反応し、怒鳴った。


「お前はまだ、ギルドに入った理由を説明していない。俺はお前を信用できない。それに、複雑な市街戦こそお前にとって理想の戦場だ。危険は冒せない。よく働け。いつかは俺もお前を信じる」ロコフは笑って言い、そばの精鋭隊員たちが一歩前へ出た。


「やるじゃないか……ロコフ」


カスターは淡々と笑い、身を翻して暗い路地へ消えた。


「我が戦友たちよ、奮い立て! 今夜、我らは魔王の軍勢を殲滅し、そのまま魔都へ反攻する!」ロコフは大剣を掲げて叫んだ。


「うおおおおおおおお!!!!!!!」


グズの守備軍は熱烈に応えた。


……


本サーバー――


「うわ~この食糧……どういうこと?」アンドリアはロシアサーバーから転送で戻り、聖嬰室で目を開けたばかりだった。すると壁際に大きな束になった食糧がいくつも積まれているのが見えた。


「これは地主が教皇ソフィア様へ贈った食料です。ただ、大聖堂には置き場がないため、地主が食料を地下室に一時保管しているのです」NPC修女が答えた。


「ソフィアはこの件を知っているの?」アンドリアは鼻を覆って尋ねた。


「教皇様は最近、経書の研究に没頭しており、この件については『適当に』とだけおっしゃり、了承されました」


アンドリアは鼻を突く、乾燥した食糧の臭い隅々まで満ちているのを嗅ぎ取り、足早にその場を離れ、プラムスへ飛び戻った。

……


本サーバーのプラムス中央要塞――


「今回の攻城戦では、魔王が混乱に乗じて襲撃を仕掛けてくるのを防ぐため、競技場の警備人員を増やす必要があります」アンドリアは銀龍の刻印の上層部と協議していた。


「プラムスには千名を超える守備兵がいますが、それでも足りない気がします。グズの城の軍をこちらへ動かしますか?」シモンが尋ねた。


「いいえ。グズの城はプラムス以上に歩兵防衛へ依存しています。防衛陣地が弱すぎる。東側と北側入口の障害物はすでに補強しましたが、それでも万全ではありません」アンドリアはグズ守備軍を動かす案をきっぱり拒んだ。


「南側と西側は?」シモンは気になって尋ねた。


「南は紅蓮山で、羅刹教が防衛に協力します。西は海に面していて、敵が集結できません。だから私たちは北側と東側の防衛に集中すればいいのです」ノクスはグズの地図を開いて答えた。


「では……Kanatheonは連携できますか?」シモンはまだ不安が残り、尋ねた。


「私たちは共同で、大陸中央の教皇都市に翼騎兵の一団を配置しています。どんな突発事態にも支援できます。安心してください。私たちはすぐにロシアサーバーを征服し、皆を栄誉へ導きます!」アンドリアは胸を叩いて笑った。


……


ロシアサーバー、グズ北門――――。


「こんにちは、勇者様。北門守備軍の指揮官はいらっしゃいますか?」人間のNPC衛兵が尋ねた。


「何だ?」北門の黒獅子の指揮官が、そばの屋根から顔を出して尋ねた。


「ある家屋で怪しい装置を見たという報告があり、あなたに報告するよう言われました」NPC衛兵が言った。


指揮官はそばの仲間と視線を交わし、すぐに警戒を強めた。

「確認したのか?」


「いえ、通報に来ただけです」衛兵が言った。


「攻城戦の間、守備兵は全員、持ち場を半歩たりとも離れない。巡回班に行かせろ」指揮官は人員を割くことを拒み、背を向けて去ろうとした。


「指揮官様、報告したプレイヤーは非常に危険だと言っています。どうかご自身で確認してください」衛兵が付け加えた。


「どの家だ?」


「この方向へ二百メートル、紫色の屋根をした、黒レンガ造りの尖塔がある家」衛兵は西を指した。


北門の指揮官たちが一斉に確認すると、たしかに尖った屋根の家から異常な緑の光が見えていた。


ズドン!


彼はそのまま銃を構え、尖塔の家を撃ち砕いた。


カチャリと音を立てて狙撃銃に次弾が装填され、拳ほどの大きさの薬莢が弾き出された。


それはチリンチリンと音を立て、衛兵の足元まで転がった。


「拾え。そしてそのプレイヤーに、あの場所は安全になったと伝えろ」指揮官は薬莢を指して笑った。


衛兵は薬莢を拾って去っていった。


「ちっ………」カスターは計略が失敗したのを見て、壁を拳で殴った。


「どうやら……最後は私自身が手を下すしかないようだな……」


彼はゆっくりと短刀を抜き、苦笑した。


……


「来るぞ………」ロコフは画面のカウントダウンを見つめていた。


【警告: 第六回王都戦争カウントダウン 3秒】

【警告: 第六回王都戦争カウントダウン 2秒】

【警告: 第六回王都戦争カウントダウン 1秒】

【システムメッセージ: 第六回王都戦争開始―――】


ブブブブブブブブブブブ……


7000匹もの虫族が、黒い濁流のごとく地底の深淵から這い出し、すぐにグズの城を包囲した。各入口に配置された守備軍の視界は、たちまちその悍ましい群れによって埋め尽くされた。


彼らは骨の髄まで冷え込むほどの恐怖を覚えた。だが、誰一人として一歩も退かず、その寒気はやがて怒りへと変わっていった。


剣は引き抜かれ、杖はいつでも魔力を放てるよう構えられ……狙撃手たちはすでに装填を終えていた。


「敵の狙いはやはりここか……」ロコフは深く息を吸い、それから部下にうなずいた。彼らはすぐに救援要請を発信した。


救援要請を携えた百羽以上の伝書鳥が高空へ舞い上がり、他の王都へ飛んでいった。


「ロコフ様! 西側に敵が出現しました!」哨兵が慌てて報告した。


「西だと? あそこは海沿いの地区だぞ!」ロコフはすぐに領主画面で確認し、グズの城の西側に敵の赤旗が再び掲げられているのを見つけた。


ナスティア、ニーナ、そしてカルロフが現れた。彼らのそばには、さらに四体の切裂魔が付き従っている。


……


静まり返った制御室で、全員の視線が自然とニフェトへ向いた。


「お願い……」

ニフェトは生唾を呑み込み、画面上の「総攻撃指令」のアイコンを強くタップした。


【システムメッセージ: 総攻撃開始】


虫族はすぐに高速の黒い潮となり、四方八方からグズへ押し寄せた……。


……


伝書鳥はそれぞれプラムスとヴィニフ宮殿の指揮官の肩に止まった。彼らは密書を確認すると、表情を重くした。


「同志たちよ! グズへ向かうぞ!」全城が戦いへの熱狂に沸き、ロシアプレイヤーたちは巨大な隊列を組んでグズへ急いだ。


……


グズの城――。


千匹を超える虫族が、ロシア軍の第一重装防衛線へ正面から突撃した!


「来るぞ!! 盾をしっかり握れ!!」彼らは半身になって腰を落とし、肩を並べ、大盾で鉄壁の防陣を築いた。


ガンガンガンガンガン!


大盾は一瞬で鋭い虫族の刃にいくつもの穴を開けられた。虫族はさらに力任せに引っかけ、何人もの重装兵を持ち上げた。

「つかまれた!!」


「そいつを押さえろ。絶対に連れていかせるな!! 前の戦いでは、こうして防衛線を突破され、最後にはもっと多くの者が殺されたんだ!!」


後方の守備軍はすぐに腰の縄をつかみ、原基虫と力比べを始めた!


「うあああああああああ!!!!!!!!!」


持ち上げられた重装兵は二つの巨大な力に引っ張られ、前線の上で宙吊りになった。そのまま攻撃目標となり、複数の原基虫に囲まれて、両足にいくつもの傷を刻まれた。


やむを得ず、彼は小刀を抜き、盾を固定していた腕紐を切った。すぐに仲間に防衛線へ引き戻されたが、同時に最良の盾を失った。


いくつもの入口が血なまぐさい白兵戦に陥った。激しい攻防を数度繰り返した末、虫族は黒獅子部隊の防衛線を押し下げることに成功した。


「今よ! 近くの内壁へ登って、浸透突撃を開始しなさい!!」六口はすぐに命じた。


百匹以上の虫兵が突然、花が咲くように四方へ散開し、入口付近の内壁を伝って天井へ這い上がった。守備軍の堅固な防衛線を飛び越え、後方の遠距離攻撃部隊の上へ飛びかかった!


「左上に注意!!!」

「右にもいる!!」

「頭上だ!!」

「うああ!!!!!」


本来なら、狙撃手と魔導士は火力を集中し、虫族が密集する狭い入口を攻撃できた。だが今や虫族は壁一面に這い広がり、彼らは火力を分散して防衛せざるを得なくなった。


守備側の火力は一瞬で落ち、前線の重装兵たちへの圧力が一気に増した。もはや虫族を押し返せなくなり、防衛線は崩れ始め、ずるずると後退していった。


…


すべての入口が同時に猛攻を受けていたが、最も凄惨だったのはナスティアが攻めている西側だった……



カスター、狂気が過ぎるだろ……


【お気に入り登録、本当にありがとうございます!

本当なら約束通りもう2話追加したかったのですが、引っ越し準備でバタバタしていて、どうしても執筆時間が取れませんでした……

次の週末には必ず追加更新しますので、もう少しだけお待ちいただけると嬉しいです!٩(๑>∀<๑)۶】

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