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67話 お魚の捕り方

「それで、土魔法でどうやってお魚さんを捕るんですか?」

私はめげずに話題を切り替えます。

「簡単だよ?まずはあそこの海から頭が出てる2つの岩と岩を土魔法で繋いで…」

少し先にある岩が繋がって壁が出来ました。

「そしたらこの岩と崖を繋いで…反対側も同じようにっと。」

そしてあっという間に海が区切られ水溜まりが出来ました。

「そして、この水をアイテムボックスに入れるっと。」


「………。」


…目の前には思ったより深かった海底だった場所と、そこでピチピチと跳ねる無数のお魚さん達…。

「こんな感じでどう?」

「…どう、と言われても。うん!全国の漁師さんに喧嘩売ってるやり方だと思います。」

これは間違いないです。

そして私達は海底だった場所でピチピチと跳ねるお魚さんや貝等を回収しました。

「大漁ですね!」

私はホクホク顔でお兄ちゃんに抱きつきます。

「何言ってるの?まだまだこれからだよ?」

お兄ちゃんはそう言って、崖と岩を繋いでいた壁を片側だけ壊します。

そして当然のようにそこに水が『ザブーン』っと入ってきます、そして壁でそこを再び繋ぎます。


はい、もう分かりました、次はその水を抜くんですね?


2回目以降は貝はほとんどありませんでしたが、お魚さんは大漁でした。




そして、この作業を十数回繰り返していると日が暮れてきたので終わりとなりました。


私達は大漁のお魚さんをアイテムボックスに回収しリッカちゃんが待つ家に帰ります。

当然、帰り道はお兄ちゃんと手を繋いでいます。

帰り道でも街では誰一人として見かける事はありませんでした、少し不安になったので探知魔法を使ってみると、建物の中には人の反応がありました。中には死にそう?な弱々しい反応もありましたが…。


街門をくぐり外に出て家の置いてある場所を目指します。

そこに、いなきゃいけないはずの門番のおじさんもいませんでした。街門でサボりは良くないと思います…でも、この状況で誰か来るんでしょうかね?





「ただいまー」

そして楽しかったデートも終わり無事に家に帰ってきました。

帰ってくるやいなら「お帰りなさいですわ」と言いながらリッカちゃんがお兄ちゃんに抱き付いてきました、もう風邪は大丈夫なのでしょうか?

「さぁ、お兄様!あれをやってもらいますわよ!」

「あれって?それよりリッカちゃん、風邪はもう大丈夫なの?」

「あれはあれですわ!風邪は大丈夫ですけど大丈夫じゃないですわ!」

「えっ?? つまりどう言う事??」

「そう言う事ですわ!」

「???」


鈍いお兄ちゃんは分かってないみたいですが、私には分かりました、つまりリッカちゃんは風邪を引いた時の特権であんな事やこんな事をして欲しいみたいですね。


まぁ、私からお兄ちゃんに説明する気はありませんが…。


そしてリッカちゃんは、私を無視してお兄ちゃんを引っ張って部屋の方に行ってしまいました、恐らくあんな事や、こんな事をしてもらうのでしょう…。


邪魔する訳にもいかないので私は客間の方で休む事にします。なんだかんだで疲れました。

そういえば海でお魚を捕った時に抜いた海水を捨ててくるのを忘れてしまいましたね。

まぁ、邪魔にはならないので後にしましょう、そのうち使う時がくると信じて…。


こうやってせっかく立てたフラグも回収される事なく忘れて逝くんですかね…。


そんなどうでもいい事を考えていると、次第に眠くなって…。




「アリス起きてー、ご飯だよー?」

「うーん、もう食べられないですよ…」

「そう?じゃぁアリスの分は俺が食べちゃうね」

「えっ!?待って下さい!起きてます!ご飯も食べますー!」

「でも、お腹いっぱいですやすやと寝ているアリスを無理に起こすのも可哀想だし?」

「そんな事ないです!ちゃんと起きてますし、お腹もペコペコです!」


お兄ちゃんが意地悪してきます、酷いです!

でも…私の狸がすぐにバレるのは何故なのでしょう?



夜ご飯は、刺し身から煮物まで、これでもかと言う程、お魚が並んでいました。まぁ、ある程度予想はしていましたが…。


えっ?味ですか?美味しかったに決まってるじゃないですか?


それにしても、リッカちゃんはお魚まで捌けるんですね。一家に1台リッカちゃんですね。


もぐもぐ ごっくん


「「「ごちそうさまでした」」」



ご飯の後はお風呂です、さっそくお兄ちゃんと一緒に…と思ったのですが…。


「俺はアリスが寝ている間に先に入ったから、今日はアリスが一人で広々とお風呂使えるよ。」

「え…。も、もしかしてリッカちゃんと一緒に入ったんですか!?」

「まぁ、そうだけど?」

「なんで起こしてくれないんですか!私も一緒に入りたかったのに…。」

「無理に起こしてお風呂で寝られると困るからね」

「うっ…」

それを言われると反論できません。それならば…。


「お兄ちゃん!」

「なに?」

「お風呂をあわあわにする魔法教えて下さい!」



そして泡の魔法を教えて貰った私は一人寂しくお風呂に入りました。

でも、せっかく教えて貰った泡の魔法ですが一人じゃちっとも面白くなかったです。


そして寝るために黒猫に着替えて向かったベッドで見たものは…いつもの光景でした。

つまりペンギンさんの腕の中に寝ているうさぎさんです。


「完全に出遅れました…。」

仕方ないのでペンギンさんに抱き付いて寝る事にします。


「おやすみなさい」



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