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59話 枕の使い方

「いましたわ!」

オーガを視認したらしいリッカちゃんが駆け出します。その手には確か…ライト製バー?とか言う名前の剣が握られています。

私達も後を追い、リッカちゃんの邪魔にならないように魔法を使います。ここは水魔法の方がいいですね、水の方なら万が一リッカちゃんに当たってもあのワンピースが弾いてくれるでしょうから。


どうやら、こちらに向かってきたオーガは15頭くらいですね、半数は先程の位置から動いていないようです。

そうこうしている間にリッカちゃんがジャンプしてオーガの首に斬りかかり、頭と体を別けました、2倍近い身長差のある相手の首を飛ばすのは剣の性能なのか、リッカちゃんの身体能力なのか…。

私も負けじと水の刃を飛ばしますリッカちゃんから少し離れた所にいるオーガの首を次々と飛ばして行きます。

お兄ちゃんは光魔法と思われる攻撃でオーガの額に穴を空けてますが…どうやっているのでしょうかね?今度教えて貰おうと思います。



「すげえ…」

「ボサっとするな!俺達も行くぞ!」

「「「「おお!」」」」


どうやらブラックタイガーの人達も参加するみたいですね、乱戦で味方撃ちも怖いので私の攻撃はそろそろ終わりにしましょう。

見るとお兄ちゃんも攻撃を止めて、リッカちゃんもキッチリ残り3頭まで減らして観戦にまわったみたいです。



ブラックタイガーの人達はリーダーが1頭、他の4人が剣士と魔法使の2人づつで1頭のオーガと戦っています。


リーダーさんはBランクなだけあって1人でも安定した戦い方をしていますね、見ている方も安心して見ていられます。

一方Cランクの4人は危なっかしいですね、主に魔法使いさんの味方撃ちが…あれなら無理に支援しない方がいいような気もします。それとも味方撃ちも覚悟で戦っているのでしょうか?

それなら寸前でかわす剣士2人との意志疎通が完璧に出来ているというなので事でしょうか?

そう思うと素晴らしいコンビネーションで戦っているように見えてきました!!



そんな事を考えていると、リーダーが戦っていたオーガが断末魔の悲鳴を上げ倒れました。

そして、更にリーダーは近くで戦っていた支援に向かい味方と挟むように後ろから別のオーガに襲いかかりました。

後ろからの不意打ちにオーガは成すすべなく倒れ、瞬く間に残り1頭となったオーガも5人が相手ではどうする事もできず抵抗虚しく倒れました。



「それにしても…お前達、強すぎないか?」

「そうですか?」

今まで比較対象がいなくてよく分かりませんでしたが…どうなんでしょう?

「ブラックタイガーの皆さんは自分たちの強さがどれくらいだと思ってるんですか?」

「俺達は…そうだな一番人数比の多いCランクの中でもかなり上位の方だと思うぞ、俺個人としてはAランク目前だと思ってるしな。」

「なるほど…普通のCランクはこれよりも弱いんですね…。」

でもリーダーさん、得物の違いはあれど普通の剣を使ったリッカちゃんより弱そうなんですよね…。

「なるほど…となると私はAランク相当の強さがありそうですわね…。」

「いや、俺にもその剣があれば…。」

「なら私が普通の剣でお相手致しましょうか?」

「おお!挑む所だ!」

「はいはいリッカちゃん、先ずは残りのオーガを倒してからね。」

そうです、まだオーガは半分残っています。ここは先に進んでオーガをサクッと倒さないとですね!



サクッと




私達は何事もなかったかのように街道を一路北に向かって進んでいます。

倒したオーガはちゃんと回収しました、目的の街に着いた時にオーガを売って皆で美味しい物を食べるのです!




そして、辺りが夕焼けに染まり始めた頃には、お兄ちゃんが眠ってしまいました……リッカちゃんのお膝を枕にして…。

きっと慣れない馬車に疲れたんですね、決して私達がお兄ちゃんを取り合いにしたせいで疲れて寝てしまった訳じゃないです!

でも…なんで私じゃなくてリッカちゃんのお膝なんですか!私のお膝の方がリッカちゃんのお膝と違って筋肉質じゃない分寝心地のいいお膝のはずなのに…。




しばらくして辺りが暗くなった頃馬車が止まりました、今日の移動はここまでのようですね。


「ん?着いた?」

お兄ちゃんが起きたみたいです

「そのようですわ、お兄様」

「あれ?リッカちゃんおはよう」

「おはようございますですわ」

「あれ?」ふにふに

「ひゃん!いきなりなにするんですの!!」

今お兄ちゃんがリッカちゃんのお膝をふにふにしました!?なんでですか!

「あぁ、ごめん。枕にしちゃってたね」

「ふふ、なら夜に腕枕して一緒に寝てくれたら許して差し上げますわ」

「えぇ…まぁ仕方ないか。」

「えぇ!!それはずるいです!私にも腕枕してください!」

「それはダメですわ、そんな事したら私が抱き枕にしてもらえないじゃないですか!」






…結局、夜は2人で仲良く左右の腕を枕にして寝ました。



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