42話 閑話 武器の作り方(リッカ視点)
「それで…どれが一番よかったですか?」
本当はもっとよく見て貰いたかったのですが、お兄様が赤だの青だの言ってすぐに着せ替えられてしまったので、あっという間に魔力がなくなってしまいましたわ…
「うさぎだね!」
「なんでうさぎを即答するんですの!」
それはパジャマですわ…今回のショーでは着てませんわ…
「かわいいは正義なんだよ」
「…は…はぁ…。」
意味が分かりませんわ…。
「では、なんで赤だの青だの言ってたんですの?」
「いや、さっさと魔力使わせるためにね…このままだといつ終わるか分からなかったし…。」
じー…私はジト目でお兄様を見ます
「…それで…早く終わらせてやりたい事でもあるんですの?」
「ちょっと武器を作りたくてね」
「武器?ですの?」
そして私達は宿の屋上に来ています。
「こんな所で武器を作るんですの?」
「暗い方がいいかと思ってね」
そう言ってお兄様が魔石をいくつか取り出しました、見た所光の魔石でしょうか?
「光の魔石で武器を作るんですの?」
「まぁ、ベースは光だけど、これにお手製の電気の魔石を組み合わせて作ろうと思ってね」
「電気?ってなんですの?」
「えっ…うーんっと、冬に金属触るとパチッっとくるでしょ?あれだよ」
確かに、たまにパチッっと来ますが…
「そんな物が武器になるんですの?」
「強そうでしょ?」
「そう…でしょうか…?」
たいした武器にはならなそうですね。
「まぁ見ててよ」
そう言うとお兄様は魔石に魔力を込めていきます、すると光の魔石が粘土みたいに柔らかくなってきました。
なぜ、魔石を割らずに加工するなんて高等技術を何の道具もなしにできるんですの?
「これに電気の魔石を埋め込んで…っと。」
そして、短い棒のような物ができ上がりました
「…これで完成?ですの?」
「まぁ、完成かな。ちょっと持ってて、もう1本作っちゃうから」
そう言ってまた魔石を出して加工し始めるました。受け取った棒は黒くて見た目より軽く感じますが…これが武器なのでしょうか?
そうこうしている間にもう1本も完成したようです。
「これは、どうやって使うんですの?」
「これは少し魔力をこめると…」
お兄様が棒に魔力を込めると棒の先から光が伸びてきました、光は蒼く光っていて辺りを明るく照らしています。
「綺麗ですわぁ…。」
「次にこの石をここに置いて…」
お兄様はアイテムボックスから取り出した石を平らになっている屋上の手摺の上に置きました。
そして蒼い光を石に向けてゆっくり振り下ろすと…。
スーっとまるで熱したナイフでバターを着るかの如く石が2つに切れました…。
「なっ!」
「どうかな?」
「わ、私もやってみたいですわ!!」
私は持っている棒に魔力を込めます、すると。
ブヮン!っと音をたてて赤い光が長く伸びてきました。
「リッカちゃん!魔力込め過ぎ!ちょっと…いや、かなり押さえて!」
込め過ぎですか?それほど多く込めたつもりはないのですが…。私は言われたように魔力を抑えていきます…。
「まだですの?」
「まだまだ」
もうかなり抑えてるんですけど…
「もうそろそろ?」
「うーん、もうちょっと」
これ以上弱くですの!?
「もうこれ以上は…」
「まぁ、そんなもんかな」
これって魔力込めてる感覚ないんですけど…なんと言うか…エコ…ですわね…。
「これで切れるんですの?」
「まぁやってみてよ」
そう言って指差した先には先程2つになった石…
私は石にゆっくり紅い光を振り下ろします。
すると石は4つになり手摺を少し傷つけてしまいました。
「…これは気を付けないと危険ですわね…。」
「なら、気を付けて使ってね。」
「へっ?くれるんですの?」
「その為に作ったからね、はいもう1本も。」
私は無意識にもう1本も受け取ります…。
「ちょっと素振りしてみなよ」
「そうですわね、でも私剣を2本なんて使った事ないですわ…」
「なら、なおさらやった方がいいね。いきなり本番になったら大変だよ?」
「そ、それもそうですわね…では早速…。」
私は剣?を構えて振り下ろします
『ブォン』っと音がして蒼い光が弧を描きます
『ブヮン』っと音がして紅い光が線を描きます
私は次第に楽しくなって剣を振りつづけました
「どうでしたか?」
一通りやって私はお兄様に問いかけてみます
「…綺麗だった」
「ふぇ!」
「光の妖精が踊ってるみたいだった」
綺麗だったのは私ではなく剣の方でした…紛らわしいですわ!
「この剣本当に貰えるんですの?」
「大事にしてね」
そう言って頭を撫られます
はうぅ…
「この剣の名前はなんと言うのですの?」
「これは『ライト製バー(棒)』って言うんだよ、他の色は緑と紫のがあるけど魔石がもうないから2本だけね。これと似たような武器にケイコウ刀ってのが有って、そっちの光は白なんだけど刃を格納できないからこっちにしたんだ」
「剣ではなく棒なんですの?」
「魔力がなければただの棒だしね」
なるほど…棒ですか…。
と言うか、この棒使いやす過ぎませんか?柄の部分しか重さがありませんし、その柄も軽いですわ…。撓りが大きいのは慣れが必要かもしれませんが、それを補って余りあるスピードが出せそうですわ。




