試験(後日)
・・・
「ん…ここは?知らない天井だな、確かギルドの試験会場にいたはずなんだが…」
少年が現状を確認するように、呟いていると、近くの扉から看護婦らしき女性が入ってくる。
「高瀬 悠真様、試験お疲れさまです、ここはギルド直属の病院です、試験会場で倒れていた 悠真様をこちらで看病させていただきました」
「すいません、ありがとうございます、えっと…僕の所持品は何処に?」
「はい、悠真様の所持品はこちらで預かっております、退院の時にお渡しいたします」
「そうですか、ちなみに退院はいつになりそうですか!」
「はい…刺し傷7ヶ所、切り傷13ヶ所、退院するまでには1週間、全治は3週間程になります」
・・・
目覚めてから、約1週間たち、退院する日になった。
「退院おめでとうございます」
看護婦に荷物を受け取る。
「あの…入院費とかは、大丈夫なんですか?」
「はい、今回はギルドの試験での入院でしたので、入院費はギルドが負担してくれるそうです」
「そうですか、1週間ありがとうございました」
少年は、深々と頭を下げる。
「まだ完全には治っていないので、無理しないでくださいね」
「はい!無理せずに頑張りますね」
看護婦に見送られながら、少年は病院をあとにし、ギルドへと向かう。
・・・
病院とギルドの間にある路地裏の壁に、少年はよりかかっていた。
「チッ…ギルドの試験で能力を使うとはな、多少は難しいとは思ってたけどよ、全身鎧の男とタイマンとか、ムリゲーすぎんだろ」
悪態をつきながら、ローブの内ポケットへ、手を突っ込む。
「あー、傷もまだ残ってるしよ、まぁでも傷薬も盗めたし…いいとするか」
手の中で握ってる、緑色の小瓶を見つめる。
「一応相手の方が先に倒れてたから、合格してるだろ、てかしてないと結構不味いよな、金もないし」
小瓶をポケットに戻し、欠伸をする。
「能力の事も聞かれたらめんどくさいな、でもまぁ…ここにいても、なんも変わんないし行くとしますか」
悪態をついていた時の刺々しい雰囲気とは違う、柔らかい雰囲気を纏って、人混みの多い大通りへと戻っていく。




