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十段を三人倒したので俺は十一段です  作者: 三流小説家QIfengRR


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第25章 広報は門の外で死にかける

講道館の正門前に、カメラが、十二台、並んだ。


マイクは、十八本、あった。


記者は、もっと、いた。


健二は、その外側に、立っていた。


自分も、カメラを持っているのに、

今日だけは、いちばん、記者らしくなかった。


制作会社のプロデューサーが、電話で言った。


「顔、欲しい。」


「無理です。」


「入るとこだけでいい。」


「無理です。」


「じゃあ、背中。」


「背中も、今日は、無理です。」


電話の向こうで、重い沈黙が、あった。


「じゃあ、何を撮るんだ。」


健二は、門を見た。


並ぶ靴を見た。


待つ手を見た。


入れない人たちの、首の角度を見た。


「待ってる時間、撮ります。」


「そんなもん、誰が見る。」


健二は、少し、考えた。


それから、静かに、答えた。


「見たい人が、もう、外に、こんだけいます。」


電話は、切れなかった。


でも、しばらく、何も返ってこなかった。


健二は、門の横で、カメラを回した。


開かない門。


門を見上げる顔。


整理券の、ない人たちの、靴先。


警備員が、十七回目の、同じ説明をする口元。


武志本人は、フレームに、一度も、入らなかった。


それでも、今日の映像は、強かった。


なぜなら、黒金武志が、

今や、入れない場所を、生んでいることが、

よく分かったからだった。


夜、健二は、編集なしのまま、

十七分の素材を、見返した。


派手なものは、何一つ、なかった。


でも、門の前で、人が待つ映像は、

少しだけ、渋谷の夜より、怖かった。


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