入学式 入学祝はなぜにそうなった??
お読みいただきありがとうございます。
今日は学園の入学式です。
学園まで歩いて行こうとしましたが、執事のオルティスに泣いて止められました。カスクート家の令嬢が歩いて学園に通うとかなり問題だそうです。孤児院は良くて学園はダメなのですね。
さすがにオルティスを心配させて倒れられるとお父様の仕事が捗らなくなるので、大人しく馬車に乗り込みました。
先日はベイルお兄様よりもデリカシーの無い男性、つまり第1王子ですわね、を発見してしまい、世界は広いのだなと痛感致しましたわ。
そうそう、あのヘタレた王子はきちんとイザベラ様に贈り物を贈ったのでしょうか?
新入生はまず講堂に集められ、学園長のありがたくない長~いお話を聞かされます。
講堂と言ってもダンスパーティーが開けるほど広いです。
あまりキョロキョロできないですが、イザベラ様は目立っていらっしゃいます。あの金髪ドリル。
そして学園長の話が始まる前まで黄色い歓声に包まれていたのはヘタレ王子とその弟の第2王子。あまりの人垣でよく見えませんでしたが、ヘタレ王子の金髪はちょこっと見えました。
学園長の話で何人もの生徒が眠っています。隣に座るティアもばっちり寝ています。私も寝たいですが、この後、明日からの学力判定試験の日程が発表されるので気が抜けません。勝手に1日だけかと思っていたらなんと試験は3日間にわたってみっちり行われるそうです。
エイドリアン、情報が違うじゃない。
「そんな、3日間も!?」
入学式が終わり、寝ていたティアに試験の事を伝えると顔を青くしています。入学式中、寝ていない生徒の中にも同じ反応をした方々が多くいらっしゃいました。ここまで驚くというのは例年と違うのでしょう。
「初日と2日目は筆記試験で、最終日がダンスとマナーの実技だって。試験の成績でクラス分けをするそうよ。一番上のクラスになれば選択科目を取れるって。ティア、同じクラスになれるよう頑張りましょう」
「そ……そうね……まさか3日間もあるなんて思ってなかったからびっくりしたわ」
馬車に向かって歩いている途中にも、周りの新入生から同じ話題の会話が聞こえてきます。
「3日間の試験なんて。やっぱり王子が2人も入学したからじゃないか?」
「え?そうなのか?」
前を歩く令息達の会話が聞こえてきます。
例年と違うのは王族の入学くらいですからそうなのかもしれません。
ティアと試験を頑張ろうねと言い、別れて屋敷に帰ると、イザベラ様からお手紙が届いていました。
まさかお茶会のお誘いではないだろうと思いながら、封を切ると、そこには、珍しく手紙と一緒にスケッチされた絵も入っていました。
手紙には第1王子から入学祝を貰った、これをどう思うか、という内容。
そしてスケッチには……なぜかブタの柄のインク壺の絵が描かれていました。しかもブタは可愛く描いてあるわけではなく、かなり実物に寄せてあるブタの絵です。
あの第1王子、まさかこの趣味の悪いインク壺を入学祝として贈ったのでしょうか? なぜブタ??
せめて花柄、ネコ柄でしょう……。
イザベラ様がブタ好きなら別ですがどうも違う様ですし。
側妃様に相談されなかったのでしょうか。
そもそも、なぜ呼ばれた商人はこんな商品持って行ったんでしょう。
色々疑問と怒りは残りますが、明日の試験に備えて痛む頭を押さえながらそっと手紙は見なかったことにしました。
さぁ試験勉強の追い込み頑張りましょう。目指せ、選択科目履修!
全力でブタのインク壺については忘れます。
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