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アルトリリーVS第1王子 PART2

お読みいただきありがとうございます。

アイザック・エスタバール。

このエスタバール国の第1王子(お忍びスタイル)が我が家のサロンでこちらを睨んでいる。


「殿下、一体、何のお話でしょうか?」


「とぼけても無駄だ」


会話になってなーい。

いやいやしかし綺麗な顔です。今日は黒髪ですが、こちらを睨むのは透き通るような緑色の目。緑目の方ってそういえば珍しいんですよね。確か側妃様がこの色彩をお持ちだと聞いたことがあります。

よく鍛錬をされているのか引き締まった、それでもまだ成長途中の体躯。

足も長っ。腰の位置とかベイルお兄様と比べてみたい。

眉間には以前と同じようにくっきりとシワ2本。あのシワって取れるんでしょうか。イザベラ様は鉄仮面王子と言っていましたが、私としては不機嫌王子です。


「ベラのお茶会に招かれていることは知っている」


イザベラ様が喋ったんでしょうか?ちょっと意地悪をしてみることにします。


「ベラマリア様のお茶会に参加したことはございません」


伯爵家のご婦人にベラマリア様という方がいらっしゃったのを思い出して意地悪してみました。接点はリンゴの種ほどもありませんが、お名前が綺麗なので貴族年鑑で覚えました。


「違う!」


「まぁ、どう違うのでしょうか」


殿下の後ろで従者がさらに青くなっています。


「レヴィアス公爵家のイザベラ嬢だ」


「あぁ、ベラとおっしゃったのはイザベラ様の事でしたのね。以前の夜会で迷惑をおかけしたと一度だけお茶会に招待していただきましたの。それだけですわ」


悪戯で鍛えたメンタルを活かす時ですね。平常心、平常心。イザベラ様とのことはバレてもいいことないです。


「また呆けたことを。ベラが最近、護身術を習いだしたり、お前に何度も茶会の招待状を送っていることは調べがついている。全てお前と接点を持ち始めてからだろう」


「そうですね、なぜか光栄にも何度もお茶会にご招待頂いていますが、私も領地経営の勉強が忙しいもので」


嘘は言ってないです。ほんとに。お茶会に行きたくないのが8割以上の理由ですけど。


「お前は先ほど令嬢らしからぬことをやっていたではないか。護身術などお前の入れ知恵だろう」


「木登りは立派な筋肉トレーニングでございます。イザベラ様が護身術を習っておられるとは存じませんでした。しかし殿下の婚約者候補ともなると危険が多いと思われますので護身術を少しでも習得されるのは良い事なのではないでしょうか?」


「全く。白々しい女だ。埒が明かない。ベラ……イザベラが私との婚約破棄の手伝いをお前とワイベリー伯爵令嬢に頼んだことなど調べはついている」


「婚約破棄? なんと……物騒ですわね。あら? ということは殿下の婚約者はイザベラ様と決まったのですか?」


イザベラ様が喋った訳ではないようですが、監視がついていたんですかね。

まだ公にはイザベラ様は婚約者候補の一人なので、変なことは言えません。

はぁめんどくさい。

殿下は舌打ちをします。眉間のシワは3本に増えています。あーあ、シワ消えるといいですね。


「私の後ろ盾にはレヴィアス公爵家の力が必要だ。イザベラがなんと言おうと婚約破棄などさせない」


「さようでございますか。確かにレヴィアス公爵家は公爵家の中でも1番力を持つ家です。殿下のそのお考えはある意味では当たり前のことと思います。まぁ、殿下ともあろうお方が、挨拶もなしに公爵邸に乗り込んで私を疑うなど、今日は面白い体験をしましたわ」


イザベラ様、どうやら婚約破棄は無理そうですよー。そして、私の憩いの時間を奪ったこの第1王子にムカついているのでちょっとくらいは嫌味を言っておきます。


「……その件については申し訳なかった……しかし、今後はイザベラの婚約破棄の手伝いなどするな」


「まぁ、それはご命令ですの?」


「どういうことだ?」


「殿下が命令しないと1人のご令嬢との婚約も維持することができないのかと思いまして。いくら政略結婚とはいえ相手のことを思いやって尊重していれば、よほどのことが無いと婚約破棄という考えには至らないと思っておりました。私はあまり詳しくはございませんが、殿下とイザベラ様の仲の良い様子は見たことがございません」


笑顔で言うと殿下は不機嫌な顔のまま黙り込んだ。

ふぅ、これは集めた情報の中にありましたが、殿下とイザベラ様が仲睦まじいという評判は流れてこないんですよね。殿下の様子を見ると、思いやって尊重していない心当たりがあるんでしょう。


「私はまだ婚約者もおりませんので、婚約者への接し方は無知でございます。勝手ながら女性の理想を述べさせていただきました。申し訳ございません」


「いや……私も自分のことしか考えていなかった。申し訳ない。貴重な意見だった。感謝する」


王族だけど、しっかり謝るところは謝るんですね。でもその眉間のシワはどうにかした方が良いと思います。


王子と倒れそうな様子の従者が帰ると、私はすぐにティアの家に先触れを出しました。ティアのところにもあの不機嫌王子が行ったのか確認して今日のことを報告しないと!


アベルは速攻、倉庫を確認に行ったようです。そのあと、倉庫からはアベルの苦悶の声が聞こえたとハンスが面白そうに報告してくれました。


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