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16

「お母様は、どうやって私の中の精霊さんを

見つけてるの?」

ある日、小さかった私は行ってはいけないと

言われていた東の沼地まで入り込んでしまっていた。

夢中になって遊んでいて、いつの間にか気付かずに。

現れた妖魔を何とか倒したが、左腕に大きな怪我を

負ってしまった。

酷い痛みに大泣きしていた私。

そこへ、お母様が現れてくれた。

「少しだけ我慢して。」

お母様は笑顔でそう言うと、私を膝枕に寝せて

私の額に手を当て目を瞑る。

私が泣くのを堪えて歯を食い縛っていると

少しの間を置き、傷口の内側から光が溢れてきた。

その光は、あっという間に傷口を塞ぐ。

私が怪我をしたり病気を患ったりすると、いつも

こうして治してくれていた。その度に

どうやって治してるの?と聞いたものだ。

「これはね、セフィの心の奥にいる生命の精霊さんに

力を貸してもらってるの。」

「私も何度もお母様の中探してるのに

見つけられないの。」

お母様はニコッと笑って

「セフィの心と私の心を同じにするの。

気持ちも心も同じにして、初めてその人の心の奥にいる

精霊さんとお話出来るのよ。」


お母様の言葉を思い出す。

でも、あれから何度試みても出来なかった。

でも、今そんな泣き事なんて言えない。

絶対に見つける!

セフィルは心を静めて、メイの中へと入ろうとする

が、どうしても進めない。

ジュンの時はヴァルキリーが強く呼びかけてたから

すぐに分かった。けど、今は何も感じれない。

どこ?メイ、どこにいるの?時間が経つにつれて

気持ちが焦りだす。

早くしないと。それとも、もう間に合わないの?

首を強く左右に振る。

心に浮かぶ弱気の心を強く打ち消し、更に集中する。


気持ちも心も同じにして、初めてその人の心の奥にいる

精霊さんとお話出来るのよ


そうだった。同じにする。でも、どうやって?

・・・メイと同じ心、気持ち・・・

ジュンを想う気持ち。これは、絶対だ!

私もメイと同じ想いを持てている!

メイ!一緒にジュンの心掴もうって約束したでしょ?

諦めないで?また一緒にジュンとお話しよう?

もっともっと、2人でずっと一緒にジュンを想おう?

メイ、お願い、メイ・・・

その事だけを想い始めると、不思議と壁が消えた様に

感じ、奥へと流れる感覚を感じる。

流れる先も、どこまでも真っ暗闇しか見えない景色。

目を開けてるのか閉じてるのかも分からない、手を

伸ばしても、その手すら見えない。そんな

深淵の底を漂う様にセフィルは探した。


パキッ


現実世界の耳から小さな、何かが割れる音が聴こえた。

意識を集中してなければ聞き逃していたような

とても、小さな音。

だけどこの音を聴いたと同時に、闇の奥底に

小さく、とても小さく光る何かを見つけた。

漂う様にその光に近寄り、見えぬ両手で

掬い上げてみる。

その両手の中に、小指の先ほどの小さな精霊が

優しく光っていた。

見つけた。お母様、私にも見つけられたよ。

生命の精霊。

今にも消え入りそうな程、小さくなってる。

頑張って、お願い。

この子を、メイを助けてあげて。お願い。

セフィルの言葉に、小さな精霊は閉じていた目を

ゆっくりと開く。

そして、優しかった光は温かく強く、どんどんと光を

増していき、とてつもなく輝きを放ち始めた。

暗闇だった場所は、光り輝き一気に広く果てし無く

広がっていく。セフィルはその光景を茫然と、だけど

心に強い安心を覚えながら眺めていた。

良かった。きっと、これなら大丈夫。メイ、起きてね。

待ってるよ。


セフィル ありがとう


それは、精霊の言葉なのかメイの言葉なのか。

自分の意識に戻ろうとするセフィルの心に響いてきた。

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