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"き、貴様、一体どうなっている。
今とて、瞬間とはいえ、生気を抜いた。
普通の人間ならば、立って耐えられるはずがない。"
流星のかけらが立ち上がるのを見定め
向かって歩き出すジュン。
"おのれ!"
短い詠唱と共に
"十の光矢"
10本の光る矢がジュンに放たれた。
その全てを、ガントレットと剣で弾き落とす。
流星のかけらが続け様に
"雷撃"
ダァーーン!!!
左手から放つ電撃を真正面から受けた。
「ジュン!!」
ロナール達が一斉に叫んだ、が。ジュンは、身体から
煙を上げながら意にも介さずまた、歩き出す。
"何だ、何なのだ!何が起きている!!"
「これは、勝てんじゃねーのかジュン!
とんでもねーぞ!」
ロナールの言葉にヤムとコッツは表情を明るくするが
「これはダメ!このままじゃジュンが危ない!」
離れた場所からセフィルが3人に叫んだ。
「何でだ?!
あの流星のかけらに対して圧倒的じゃねーか!」
「違うの。あれはジュンじゃない。
あれは、怒りの精霊フューリーが顕現してるの。
まさか、あそこまではっきりと顕現させるなんて!」
「精霊が力を貸してるって事か。
それの何がダメなんだ?!」
「フューリーに囚われ続けると、狂戦士化してしまう。
狂戦士になってしまったら、命ある限り目に映る全てを
殺し続けて、精神が崩壊して自身も死んでしまう。」
「まじか!やべーじゃねーか!!
もうそうなっちまってるって事か?!」
「まだ!ジュンは流星のかけらにだけ向かってるから
少しでも意識が残ってるんだと思う。
でも、このままじゃいつ落ちてもおかしくない!」
「どうしたらいい?」
ヤムが割って入った。
「ジュンを気絶させるか、意識を戻させるしかない。」
「分かった!こっちは何とかするからセフィルは
メイに集中して!」
セフィルは言葉で返さず頷き、再びメイの意識の内に
入ろうと試み始めた。それを見て、ヤムは
「お願い、セフィル。メイを助けて。」
懇願する様に呟き、再びジュンに向き直した。
"く、なるほど。上位精霊の憑依とは。
おのれ。ならばもう一度、蝕毒で身動き取れなく
してくれる!"
詠唱を始める流星のかけら。それとほぼ同時に
駆け出すジュン。ダガーを投げつけ影に刺した。
"く!おのれ!"
詠唱を止めてダガーを抜く流星のかけら。
同時に射程に入ったジュンが、左下から右上に向けて
剣を切り上げる。
"!!"
ギリギリで横に躱した流星のかけらの頭上、通過した
ジュンの剣が再び振り下ろされる。
同時に剣影が無数に現れた。
"な!んだと!!"
瞬時に影を厚く集めたが、剣影がその影を猛烈に
切り刻む。咄嗟に
"光弾!"
最も速く放てる光弾をジュンに当て、少し緩んだ隙に
退避した。
「あれは!千斬!」
「とんでもねー技だな!今の!」
「でもあれはジュンの技じゃないの!使ってた本人も
3、4回で腕がボロボロになってた!身体の限界を
気にしないで技を使ってる。何とか止めないと!」
「そうだな。ジュンが起きて腕がボロボロだったら
困るだろーかんな。」
ロナールとヤムが話していた矢先、コッツが
走り出した。
「コッツ?!ダメ!」
ヤムの制止の声と同時、ジュンと数歩の所で足を止め
「ジュン!ダメだよ!帰ってきて!
メイもまだ戦ってるよ!ジュンも負けないで!!」
・・・
コッツの声が届いたかの様に、一瞬身体を止めた、が
再び流星のかけらに向けて歩き出す。
瞬間、コッツの両脇を2人が走り抜けた。
ヤムがジュンの右腕を抱え込み、ロナールは左腕を
掴み肩に手を置く。
「そうだよ!ジュン!セフィルが今、必死にメイを
戻そうとしてくれてる!ジュンも負けないで!」
「ジュン、そんな顔するな。いい男が台無しだ。
そんなおっかねぇ顔、ジュンに似合わねーよ。」
「く、うぅぅー、ぐぅぅーーぁぁああ!!!」
苦しそうに呻きながら、両腕を強く振り解いたジュン。
「くそ!とんでもねぇ力だ!」
「諦めないよ!ロナール!」
「当たり前だ!」
再び流星のかけらに向けて歩き出したジュンに
もう一度掴みかかった。




