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!!マズイ!
「全員散開!」
俺の言葉と同時、流星のかけらが物凄い速度で
俺に向かって走り出した!人間とは思えない速度!
そのまま、乗り移った冒険者が装備していた剣を
俺に向けて振り下ろす。速すぎる!
「くっ!」
何とかギリギリで躱した!
みんながまだ散開し切れてない。大きく飛び退くと
誰かに追いついてしまう。
下に振り切った剣を俺に向けて跳ね上げてきた!
キィン!!
ガントレットでいなす様に弾く。途端に左手で
俺を掴む様に伸ばしてきた!
マズイ!影!
後ろに一歩下がりながら、右膝で伸ばしてきた左手を
蹴り上げる!膝が一瞬影に触れた、が、ドレインの
感触はない。よし!一瞬なら触れても大丈夫らしい!
これを確認出来たのはデカい。
全員がかなり距離を取って離れたのを見て、少し距離を
取る様に飛んだ。
どうやら、影は捕まえて吸うまでに、少しの時間が
必要っぽい。しかし、とんでもなく速いな。
生きてる身体なら限界以上に使えるからって事か?
こいつの魔法だけでも大変なのに、その上これだけの
近接戦闘までされるのは・・・
頭で色々考えているうちに、流星のかけらから
話をし出した。
"生命活動をしているこの身体に変わってな。
言葉も行動も、影衣を使わずに動く事が出来る様に
なったからな。こんな事も出来るのだよ?"
と言うと、本当に短い時間、何かを呟き左手を
こちらに向けた。
流星のかけらの左手に付いてる指輪に光が弾ける。
"雷撃"
「なっ!」
ダァーン!!
「くぅあ!っつ!」
痛みと痺れが全身を巡る。左手の指輪が輝き出した。
一度喰らった魔法だから、どういう状態になるか
分かる。すぐに自分の身体の痺れを確認。
少し痺れはあるものの、まだ大丈夫だ。
「・・高速詠唱!
まさか、雷撃の詠唱があんなに速いなんて!」
コッツが叫ぶ。くっそ、これはかなり
やばいかもしれない。
あんなのをポンポン撃たれたら、あっという間に
全滅だ!こっちの想定を遥かに超えていやがった。
こうなってくると離れているのは分が悪過ぎる。
危険だけど接近戦で詠唱の集中を作らせない!
意を決して前に走り出した。
"クハハハ!!
来るなら来い。余はどちらでも構わんぞ?"
遠めの射程から、ランガースさんのロングステップの
突き!向こうは速いが大雑把な動作で突きを躱す。
そのままシアのステップで回転。剣を胴に向けて
振るう!影が脇腹に集まり剣を止めた、
そう来るのは分かってる!回転を足で殺さず剣を速さで
影から引き抜きながら、頭に向けて右の後ろ回し蹴り!
"ヌゥ!"
影に受け止められた!
影が蠢めき右足に絡めようと動きだす、と同時!
右足を引き左足を飛ぶ様に跳ね上げて、同様に頭に
目掛けて左回し蹴り!
影が右足を追おうとして、瞬間薄くなった所を狙う!
"クゥ!"
薄い影な分、抜けそうな感じがあったが、大きく身体を
後ろに逸らして流星のかけらは躱した。
よし!動きは速いものの、技術的にはおそらく
元の戦士の技術のままなんだ!速ささえ何とかなれば
近接は有利を取れるかもしれない!
"此奴め!"
また剣を振り上げて振り下ろしてきた!
大まかに頭に目掛けて振り下ろしてくる。
物凄く速い、がギリギリを躱す!技術が無いから
躱す直前の不安が少ない。
ギリギリで躱しながら、反撃に繋げる。
頭に当たる直前に身体を右に動かし横に向ける。
カシュッ!
向こうの剣が俺の革鎧を掠めた。合わせて同時に
最短距離で俺の剣を鎧の無い喉に向けて突く!
影が反応して喉に集まり俺の剣を止めた。そのまま
前に出している右足を軸に、頭部を狙って左足で
後ろ回し蹴り!再び、止めようと影が集まる。
足が影に当たる寸前に、膝を軽く曲げて影に当てずに
空を切らす。その回転の速度のまま、右手の剣を
斜め下から鎧の無い脇の下に向けて斬り上げる!
"クッ!"
また大きく避けようとする流星のかけら。そこに!
ガツッ
ドスッ
バチィ!
逃げようとした左側からチャクラムと矢、それに光弾が
流星のかけらを襲った。




