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海岸までは、ハイバースさんがボートを出してくれて

オルカさんが送ってくれた。

白い砂浜。

こんな事が無ければ、海で泳いで満喫したいと思う程

綺麗な砂浜。

俺は、コッツの胸元の石の光を再び確認した。

仲間達の顔を見て

「慎重に行こう。」

声を掛けて、歩き出す。

先頭は俺とロナール。

2列目にコッツとメイとセフィル。

最後尾にヤム。

何かしらの罠がある可能性が消せないから、ロナールを

先頭に罠を警戒しつつ進む。

最後尾がヤムだけだから、俺も可能な限り全方向に

警戒をした。しばらく森の中を進むと、木々の隙間から

少し拓けた場所が見えてきた。

「ジュン。」

ロナールの呼びかけと共に見た先、正面。

木々の向こうに・・・建物!かなり大きめの屋敷!

拓けた場所の更に先、まだ少し距離はある。

石の光は、その方向を指している。

あそこに居る、のか。歩けば10分くらいか。

緊張感が高まる。つい、建物に視線が向いていて

正面の拓けた場所の真ん中に、倒れてる人がいる事に

気付かなかった!

俺はロナールと見合って、周りを警戒しながら慎重に

拓けた場所に入り、倒れてる人に歩いていく。

俺が周りを警戒、ロナールが倒れてる人の安否を確認。

「ジュン、ダメだ。2人共干からびて死んでる。

これは、生気を吸われたな。」

エナジードレイン。という事は、やはり近くに。

「回帰の海域の先の場所だってのに、新しい死体に

見えるな。」

回帰の海域の先の場所なら、何十年も人が立ち入って

無いはず。

「新しい?じゃあもしかして、先に回帰の海域を

抜けたっていう冒険者かも?」

「ああ、可能性は高い。

1人は盗賊だが、見覚えがある。干からびて人相は

分かりづらいが、付けてる装備から前にシスに来た時に

ギルドにいた奴だ。」

「確か、3人って話だった、よね。じゃああと1人は

流浪の魔術師から逃げられたって事かい?」

ヤムが会話に混ざる。俺、ロナール、ヤムが

顔を見合わせて

「よし、残りの1人を探そう。

何かを見ている可能性が」

「ジュン!光が強く!」

コッツの珍しく張った声と共に


"残り1人とは この肉体の事かな"


違和感を拭いきれない歪な声が、少し離れた所から

聞こえてきた。

全員がバッと警戒体制を取り、声の先を見る。

拓けた広場の端に、戦士風の男が1人立っていた。

この冒険者の仲間、か?・・・だけど、とてつもなく

強烈なプレッシャーを感じる。しかも、胸元には・・・

岩石の首飾り・・・。その男の足元に、薄紫のローブが

落ちている。あれは。

「お父様!!お父様のローブ!!」

セフィルが叫んだ。


"お父様?ああ。この肉体に移って塵になった肉体か。

貴様はあの時の、余がそのローブを着ていた肉体を

手に入れた時に駆けつけてきたエルフか。"


戦士風の男、話の内容と胸の岩石からおそらく・・・

流浪の魔術師。まさか、移り変わったのか。


"あの時、その身体の精神の束縛さえなければ

お前のその肉体、エルフの永遠に等しい命を手に

入れられたのだがな。"


流浪の魔術師が、薄暗い影を纏いながら喋る。

「どういう事!?

・・・まさか、元からエルフを狙って。」

流浪の魔術師は、ニヤリと口を歪ませた。


"そうだ。

元々余は、エルフの肉体を求めてあの地に降りた。

だが、余を手にしたのは人間、それも此奴は

余を手にした途端、すぐさま余を破壊せんとした。

なればと、余は手にした人間の身体を取り込んだのよ。

そして駆け寄る貴様を更に取り込み、移り直す

つもりでいた。

だか・・・此奴は!

余が動き出す直前にこの地に転移しおった!

まだ取り込みきれんでいた身体は自由が効かず、精神を

取り込もうにも此奴は抵抗し続け・・・

結局、此奴の生命活動が尽きるまで100年、逆に余が

この地に拘束されてしまった。"


セフィルのお父さんは・・・100年

流星のかけらの意思を抑え込んでいたのか。

ラルさんに聞いた、都市を壊滅させた200年前の

出来事と、セフィルの生き別れた300年前の話に

100年の差があったのはそういう事なんだ。

「やっぱり、すごい人だな。セフィルのお父さん。」

流星のかけらから目を離さずセフィルに話しかけた。

セフィルは溢れ出る色んな気持ちを堪えて

「うん、うん・・・。」

と呟く様に返事を返す。

あの時、目の前から消えたのはお父様の意思。

しかもそれは、私を守るため!

その後も、ずっとずっと、戦い続けてくれてたんだ。

溢れそうになる涙をグッと堪える。


"だがな?悪い事ばかりでは無かった。

どころか、余はその人間の身体を得た事で、この世界の

知識、それにその人間が得ていた魔法の深淵までを

探る事が出来た。

詠唱も生命活動を終えたとはいえ、肉体さえ損壊させず

残せれば、影衣で動かし声とて発せられる。

先の戦いで、身体は使い物にならなくなってしまったが

今は、此奴の強い魔力は余が吸収し、より強大化させ

新しい肉体で大いに活用させてもらうとするよ。"


嘲笑う様に語る流星のかけらの意思。

「ふざけないで!!

お父様の培ってきた知識や力は、あなたなんかの為の

物じゃない!!」


"クハハハ

なればどうする?ん?"


「もちろん、悪用されない様に、お前を倒すんだよ。」

俺は、セフィルの前に遮る様に立った。


"ふん、貴様は光槍を余に撃ち込んだ男か。

・・・この200年間で、あれだけの苦痛を

味わったのは初めてだったよ。

・・・・・死ね。"

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