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翌朝明け方。
緊張感で身体が固くなってるのを感じ、身体を解す為に
海岸までトレーニングに来た。
動き方をイメージしないと。近接戦闘を行いながら
味方が援護射撃を撃ち込める様に立ち回る。
俺が邪魔で撃ち込めないなんて事にならないように
味方の居る位置を意識して動かないと。
しばらく身体を動かして少し休憩を取る。
あまり疲労を残しちゃまずいからな。
その場に座り込んで休み始めた俺に、ふわりとまた
風が身体を巻いた。今日も来てくれてるんだ。
「いつもありがとう。」
どこに居るのか俺には分からないけど、お礼を伝えた。
あ、そういえばセフィルがシルフにお願いして
早く走るのって、俺もこの子に頼んだら出来るのかな?
あとでセフィルに聞いてみよう。
と、そうそう、精霊で思い出した。光槍を出す練習も
しないとだった。
「ヴァルキリー、おいで。」
声をかけると目の前が輝き出す。
「ジュン!おはよー。」
わぷ!
ヴァルキリーが現れ、顔に突進された。
「おはよう。
この前の光槍を出す練習をしたいんだけど、いいかな?」
「良いも何も、ジュンの思う通りにしていいんだよ?
私はジュンの中から産まれた、ジュンの一部なんだから。
ただ、あまりやり過ぎちゃうとまた倒れちゃうから
気をつけてね?」
「ありがとう。分かった、気を付けるよ。」
俺は笑顔で返事をして右手を伸ばした。
素早く作れる様にしてみよう。イメージ。
手のひらに光が集中する。
球状の光の塊が現れ、長く伸び始めて槍の形を
形成した。ざっと10秒ちょっとくらいか。
周りを見回すと、少し離れた海の中に岩が見えた。
あれに向かって撃ち込んでみよう。
走り出そうとする俺に、ヴァルキリーが引き留めて
「待って待ってジュン!
投げなくてもイメージするだけで飛ぶんだよー。」
笑いながら言った。
「え?!そうなの?!」
なんだ!じゃあ身体の動作分の時間が短縮出来る。
よし、岩を見定めて
「いけ!」
声と同時に
バシュ!!
っと小気味よく飛び出した光槍は
ズダァーーーン!!
見事に岩に当たり、岩を砕いた。
途端に少し感じる疲労感。1発でこのくらいの疲労感を
感じるのか。もし、連続で撃つとなったら4、いや
5発って所かな。間を開けながらならもっと
撃てそうだけど、連続でそれ以上だと気絶しないまでも
動けなくはなりそう。
「これって、一度出してまた消したりって出来るの?」
作るのに10秒ちょっと。その間に撃てなくなる状況も
あるかもしれない。
「一度形成しちゃったらもう戻せないよ。
手の上でまだ、形になってない状態なら集中を解けば
止められる。
逆に言えば、集中出来ないと形成出来ないかな。」
なるほど。ちょっと試してみよう。
手のひらに集中。光が浮かび上がる。
集中を切らない様に手をひっくり返すと、光はそのまま手のひらの向きに合わせて下に行き、残ったまま
強くなってきた。
ふむふむ。
手の向きは関係無く手のひらで形成されるのか。
そのまま走り出すと5歩くらいで消えてしまった。
さっきみたいな疲れは出ていない。戦ってる時とかに
作りながら、は難しいって事か。
使うタイミングをちゃんと考えないとな。
「あと、槍以外に作る事は出来る?」
「ジュンの想像力次第かな?槍は私の武器として
私の中に定着してるからすぐ作れるけど、他には
作った事無いから作るのにも時間かかっちゃうかも?」
「そっか。じゃあその場でこういう武器をってのは
難しそうだね。精神力も使うから今日はこれ以上
練習出来ないけど、これから先、朝のこういう時間に
一緒に作ってみようか。」
「うん!やったー!」
わぷ!
また顔に突進された。




