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食事後、部屋に戻ろうとするメイに
「メイ、ちょっとお散歩しに海の方に行かない?」
と、セフィルが声をかけた。
一瞬キョトンとした顔から、すぐ笑顔に変わるメイ。
「うん!行く!みんな、ちょっと行ってくるね。」
部屋に戻ろうとする他のメンバーに声をかけた。
「コッツはいいのかい?参戦しなくて。」
ヤムがコソッとコッツに話しかける。2人がどんな話を
しようとしてるのか、見当を付けているらしい。
「・・・ん、私は・・・大丈夫。・・・まだ
2人みたいな気持ち、じゃない・・・から。」
ヤムはコッツの表情を見て
「そうなの?
私から見るとそんな風に見えないけどね?」
ヤムは更に押す様に言葉を重ねる。
「コッツがあんなに誰かに甘える様な行動、あたしは
一度も見た事無かったけど?」
コッツはジッとヤムを見て
「・・・うん。ジュン、は・・・好き。
でも、みんな、も、好き・・・だから、私は
このままが、いい。」
ヤムは、はぁ、とため息を1つ吐いて
「そうかい。まー無理には言わないさ。
確かにコッツとは長い付き合いだけど、こんなに
みんなと喋る様になったの、あたしは初めて見たよ。」
ヤムの言葉に、ムフンと、ちょっと自慢げにコッツは
胸を張った。
セフィルとメイラールが、夜の砂浜を並んで歩く。
沈黙のまま歩く中、メイラールが話を切り出した。
「私、幼い頃からカイダールにいたけど、シスに
来たのは初めて。凄く綺麗な所なんだねー。」
「私も、お父様とお母様の話では聞いてたんた。
来たいなっては思ってたけど、ちょっと避けてた
自分も居て・・・。
今回来れて、2人の思い出の地を見れて良かったな。」
海を眺めながら、2人はまた少し会話が止まる。
「・・・お散歩に誘った理由は、察してるかな?」
セフィルがフードを外しメイの顔を見て話し始めた。
「うん。
3人がシスから戻ってから、セフィルの様子見て
ひょっとしてって思ってたから。」
メイがニコッと微笑む。セフィルは少し俯き
「メイ、ごめんね。
前に、私は人間の奥様が居ても平気なんて
言っちゃったけど、今はダメかも・・・。
こんな気持ち初めてで、全然自分の事が
分からないんだけど、ジュンとメイが仲良く
話してるの見て、凄く胸が苦しくなって・・・。」
セフィルは顔を上げ、しっかりとメイの目を見て
「私もジュンが好き。
誰にも取られなくないって想える気持ちで
ジュンが好き。」
メイラールは優しく笑い
「うん。そうだと思った。」
「明日から、危険な事になるかもしれない。
万が一という事もあるかもしれない・・・。
だから言える今日のうちに、メイには伝えたかった。」
メイラールは、セフィルを見つめ返して
「私は負けないよ?」
華やかな笑顔を見せた。
その笑顔を見て、セフィルは少し安堵し
「あーあ、何でよりによってメイなんだろ。
相手がメイじゃなきゃ、私、充分勝算あると
思うんだけどなぁ。」
言ってセフィルも悪戯っぽく笑った。
「ちなみに、セフィルは知らないと思うけど
ジュン様を想ってるのは私だけじゃないからね?」
「・・・え?何?どういう事?」
メイラールは、セジアでの7日間の出来事を
セフィルに話した。
セフィルは、ちょっとムッとした顔で
「・・・ジュンってさ、ちょっと鈍感過ぎると
思わない?少なくとも私もメイも、結構気持ちを態度に
出してるよね?」
「そうだよね!私も、凄く頑張ってると思うんだよ!」
「そんなに気付かないものなのかなって思ってたけど
まさか、他にもジュンに言い寄る女がいるなんて・・・。
これはもしかして、その女以外にも居たりするのかも。」
「あ!すっごく綺麗なお姉さんに
ジュン様の事聞かれた事あった!」
「え!ちょっとメイ、もっと詳しい情報ちょうだい!」
セフィルが食い入る様にメイに詰め寄る。
「おかしいと思ってたの。
だって、こんなかわいい女の子2人から言い寄られて
動じないなんて、あり得ないよね?」
「うんうん、そうだよね?」
2人は見つめ合いニヤリと笑う。
「メイ、ちょっと私たちは休戦して協力しよう。
ジュンに私達2人だけに目を向けさせる様に。」
「じゃあ作戦考えよう!」
メイが言い出した言葉と共に、海岸で夜遅くまで
2人話し込んでいた。




