第二幕 第四十二場
おっぱい村の村長の屋敷の広間では、居並ぶ人々に対して自分の美しさを説く猫耳娘のマリィーの姿があった。
「ですからみなさま」マリィーは威厳たっぷりに言った。「私がこうして美しくいられるのも、日々の努力の賜物なのです」
マリィーの自慢話が長く続き人々があき始めた頃、突然窓の外が昼間のように明るく輝いたかと思うと、すぐさま元通り暗くなった。広間にいた人々が何事かといった様子でざわつき始め、窓の外に目を向ける。
「みなさま私の話はまだ終わっていません」マリィーが言った。「静かにしてください」
「でもいま何か光ったぞ」ハンスが窓の外を指差す。
「ただの流れ星でしょ」牧師が言った。「気にするほどのことではありません。どうかみなさんご静粛に」咳払いをしみなの注意を引く。「それではマリィーお嬢様、続きをどうぞ」
マリィーは話を再開する。「ですから私がにゃー、にゃーにゃー」そこで口をつぐんだ。
広間にいた人々が呆気にとられながらマリィーを見つめる。突然何を言いだすんだと言いたげな表情だ。
マリィーは笑顔繕いながらのどをさする。そして咳払いをするとしゃべり始めた。「にゃーにゃーにゃー……」再び咳払いをする。「にゃーにゃー。にゃーにゃー?」
「これはこれは」すかさず牧師が助け舟を出す。「どうやらマリィーお嬢様は猫の格好通り、猫を演じていらっしゃる。なんとも可愛らしいではないですか。そうでしょみなさん」
広場にいる人々から、かわいいよとほめたたえる声援があがった。
マリィーは焦りの色を見せながらも、なんとか笑顔を繕ったままお辞儀をすると、一同に手を振りその場から逃げるように立ち去る。
「マリィーお嬢様ありがとうございました」牧師が拍手をする。
みなも牧師にならうようにして、広間から出て行くマリィーに拍手を送る。だがしかし女中のグレーテルは拍手をせず、こっそりとマリィーの後をつける。そしてさらに、そのグレーテルの後を白い騎士に扮した爆乳女イルゼビルが追う。
「それではみなさん。会食の方をおたのしみください」牧師が言った。
人々は広間を自由に行き来し、酒とごちそうを楽しみながら会話を弾ませた。
巨乳少女エルゼが巨漢の老婆トリーネに話しかけた。「トリーネさん楽しんでる?」
トリーネは渋い顔を見せた。「エルゼ、どうやらもう一波乱ありそうだよ」そう言って音楽を奏でるピエロ達を見つめる。「あいつらから禍々しい殺気を感じる。どうやら何か企んでるようだね。いったいあいつらは何者なんだい?」




