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クズ、異世界でもクズになる  作者: しすは
第1章

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4/10

【第三話】クズはゴミクズに進化した。

「大丈夫ですか!?」

チビどもを喰らい尽くした凄惨な現場に、そんな場違いな声が響いた。

声の主は腰に長剣を携えた、いかにも男受けの良さそうなスタイル抜群の美女――女騎士のような風貌の女だった。

その瞬間、俺の頭に極上の名案が浮かんだ。

「実は……魔物に襲われて大怪我をしてしまって。良ければ、馬車に乗せてくれませんか……?」

極力情けない声を出し、哀れな被害者を演じてみせる。

「あぁ、いいとも。近くの町まで送ってやろう」

疑いもしないおめでたい脳みそに、心の中で最高に感謝する。カモが向こうから飛び込んできたわけだ。

俺が馬車に乗り込むと同時に、車輪が回り始めた。密室、美女、二人きり。最高のお膳立てだ。

「お姉さんは格好いい騎士様ですか?」

「いやいや、そんなに偉くないよ。ただの冒険さ」

少し照れくさそうに笑う顔が、ひどく間抜けに見える。俺は獲物を値踏みするように、さらに揺さぶりをかけた。

「近くに仲間はいますか? 助けを呼ばなくても大丈夫ですか?」

「うーん……この近くにはいないかな。私一人だよ」

何も考えずに、警戒心ゼロで答える女。

あぁ、哀れだな。その不用意な一言が、自分の命を刈り取る理由になるっていうのに。

「じゃあ、死ねよ」

俺は本性を現し、獰猛に女へ襲いかかった。まずは動けないように爪で顔面を切り裂こうとしたが、間一髪で避けられる。

「な、何を、する……!?」

「何って、ただの弱肉強食ですよ、お姉さん。強者が弱者を喰らう、当然のルールだろ?」

女は慌てて剣を抜き、ようやく俺を敵と認識したらしい。引きつった表情がたまらない。

「残念だ……短い間だったが、信じていたのに……!」

「いいんですよ、そんなに悲しまなくても。死んだ後は俺の血肉になって、ずーっと俺の中で生き続けられるんだからさぁ!」

異形に変形させた右手を突き出し、女の胸を抉ろうとした。だが、相手は流石に場数を踏んだ冒険者だ。俺の刺突を軽々と見切り、逆に俺の腕を根元から切り落とした。

「ギャァァァァァァッ!?」

肉を裂かれ、骨を断たれる激痛に、思わず獣のような咆哮を上げる。

「今すぐ私の前から消えるなら、命だけは助けてやる。行きなさい!」

命乞いか? それとも最後の情けのつもりか? どちらにせよ、そんな甘っちょろい言葉、今の俺には不快な雑音でしかない。

プライドを傷つけられた激しい憎悪が全身から湧き上がり、切り落とされたはずの腕が、肉飛沫をあげて一瞬で再生していく。

「な、なぜ……腕が……!?」

絶望に目を見開く女。その一瞬の隙を見逃すほど俺は優しくない。

相手の動体視力を置き去りにする速度で背後に回り込み、その無防備な背中から腹へと、再生したばかりの腕を深く突き刺した。

「が、はっ……」

しかし、女もただでは死ななかった。

死に物狂いの力で振り返り、俺の頭めがけて剣を振り下ろした。

確かな手応えと共に剣が俺の頭部にめり込む。だが、俺の異常な再生能力は、その刃ごと肉体に取り込み、傷口を瞬時に塞いでしまった。剣は俺の体の中に消え去り、女は武器すら失った。

「バケ……モン、が……」

怨嗟の言葉を遺し、女はドサリと崩れ落ちて息絶えた。

最高に気分がいい。

俺はまだ温かいこのアマの死体に群がり、貪り食った。

「美味い……! 美味すぎる……!」

前世で食ったどんな高級食材よりも、脳がとろけるほど美味に感じられる。女の肉を咀嚼しているその時、頭の中に無機質な声が響き渡った。

《称号を獲得:『人を喰らう者』》

ん? 何の声だ。

だが、そんなことどうでもいい。今は、目の前にある極上の「食材」に完全に目を奪われ、俺はただひたすら、この至福の時間を貪り続けた。

――数分後。

綺麗さっぱり平らげた後、俺はふと我に返り、激しい後悔に襲われた。

「クソッ……失敗した……!」

なんで全部食っちまったんだ。

生かしておけば、食う前にあんなことやこんなこと、死ぬほど陵辱して弄んでから、最後に美味しくいただくこともできたはずなのに……!

あまりの美味さに理性を失い、一番の娯楽を台無しにしてしまった。

次はもっと、なぶり殺すプロセスを楽しんでから喰ってやる。

俺は口元についた血を拭い、次の獲物を求めて歩き出した。

次は午後すぎてから出すよー

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