【第二話】クズの新人生?
第二話だー
俺が目を覚ましたのは、あの奈落へ落ちてから一日後のことだった。
「……なんで、俺は生きてるんだ?」
あの不気味な機械の声、あれが関係しているのか? と考え込んでいると、腹が減りすぎて「ぐぅー」と凄まじい音が鳴った。
どこかに金を奪えそうなカモはいないか? こんなクソみたいな荒れ地じゃ無理か? そう思いながら歩いていたが、その考えはすぐに覆された。
「ぐるるるる……ッ!」
そこにいたのは人間に似ているが、醜い緑色のちびのバケモノだった。
そいつはいきなり、俺の身体を目がけて棍棒を殴りつけてきやがった。
「痛ぇだろがッ! クソガキがぁ!!」
キレた俺が思いっきり殴り返すと、そのクソガキはゴミ袋みたいに吹っ飛んだ。
「ダ……スケテ……」
そいつは情けない声を漏らして動かなくなった。だが、罪悪感なんて1ミリも湧かねぇ。そもそも先に手を出してきたのは向こうだ。
しかし、そいつの仲間か、復讐のつもりなのか、同じような緑のチビどもがウジ虫みたいに次々と襲いかかってきやがった。
「やめろクソガキども! 離せッ!」
チビどもは俺の身体に群がり、快楽を貪るように俺の生肉をむさぼり食い始めた。
「やめろぉ! 痛い、痛い!!」
鋭い爪が突き刺さり、俺の片目が抉り取られた。
「ギャァァァァァァァッ!!」
死ぬ? 俺がまた死ぬのか? ふざけるな、俺は何も悪いことなんてしてねぇ! 悪いのは俺をイラつかせ、俺の身体を傷つけるこいつらだろッ!!
「死ね! 死ね! 死ね! 死ねぇぇぇッ!!」
その瞬間、俺の身体から禍々しい黒い光が漏れ出した。
刹那、抉り取られたはずの目が、肉の焦げるような音を立てて再生した。まるで不死身だ。
「ハハッ……なるほど、これはいい! いくら傷つけられても関係ねぇってことかよ!」
恐怖が消え失せた俺は、チビどもの頭を次々と踏み潰し、握り潰し、殺しまくった。
「お前らがよぉ……最初に始めたことだからよぉ……!! 殺されても文句言えねぇよなぁぁぁ!?」
どれくらいの時間が経ったのだろうか。俺はただひたすらに、チビどもを殺戮し続けた。
普通なら血生臭さに吐き気がするはずなのに、むしろ脳が震えるほど気持ちがいい。なぜだ?
あぁ、そうか、わかったぞ。
「俺は、生き物を蹂躙して殺すのが、たまらなく好きなんだぁ……ッ!!」
誰もいない荒野で、俺の邪悪な高笑いが響き渡った。
そして、自分が完全に不死身であることも確信した。
――だが、ふと我に返ると、俺はチビどもの死体を貪り食っていた。
「……あ? なんで俺は、こいつらを喰ってるんだ……?」
なぜこんな、ヘドが出るほど不細工なバケモノの肉が、最高級のステーキみたいに美味そうに見えるんだ……?
食欲が、飢えが、理性を焼き尽くすほど抑えられない……。
俺は……一体何になっちまったんだ……?
しかし、そんな疑問すらどうでもよくなるほどの飢餓感に襲われ、俺は衝動のままに、チビどもの肉を、骨ごと貪欲に食い散らかした。




