用心棒
実際、パースはその様子を見たことはないのだが。
ちなみに、パースは平民で第三身分となる。
「ああ。そういえばそんな話してくれてたっけ」
と、シヴァはここに来る道中での会話を思い出す。
「ルウの地が見えないってことは、僕は入れないのかな?」
シヴァは意気消沈する。
「もし入れないのなら、それは俺の運命の相手じゃなかったってことか」
パースもなぜか意気消沈する。
「折角ここまで来たんだから、観光くらいしたいね」
シヴァは大袈裟に肩をすくめる。
だがその心配は杞憂だったようだ。
行商たちがルウの地に足を踏み入れると、一緒に歩いていたシヴァもルウの地の中にいたのだから。
* * *
ルウの地に入ってすぐパースたち行商を出迎えたのは、一番隊の兵士たちだった。
その中に一番隊隊長のガイル・ラテーシアがいた。
「これはこれは、一番隊隊長殿が出迎えてくれるなんて」
パースは驚いていた。
「兵隊だからな、当然ながらルウの地の警戒に当たってる」
ガイルの説明に少なからず、パースは違和感があった。
兵隊のトップが自らこんなルウの地の端っこの方にまで来るなんて。
本当はガイルにとってはキョウの髪を切られたことの方が重要なのだが、個人的なことと思い口には出さなかった。
ガイルの目はシヴァの方を向く。
シヴァはパースの左側に立っていた。機械の手がバレないための配慮のつもりだったが、逆に仇になってたかもしれない。
にこりと愛想を振りまく。
「傭兵か?」
と、ガイル。
「傭兵というより用心棒かな」
シヴァはにこにこガイルを見上げている。
ガイルの身長一九〇センチほど。どうしても見上げる姿勢になってしまう。
「おいおい、ガイル隊長、初対面相手にそれは威圧感ありすぎるだろう」
と、パース。
「そんなつもりはなかったが……。威圧感があったのならすまない」
ガイルよりパースの方が年上だ。
「今回雇ったのは一人だけか? 一応、防犯上の関係で顔は覚えておきたい」
「ああ、一人だ」




