砂漠の民
「シヴァだ。よろしく」
シヴァはにこやかだ。
「ああ、ガイル・ラテーシアだ」
ガイルは一礼した。そのまま部下を引き連れ立ち去った。
そんな姿をシヴァはにこにこ見送ってた。
「褐色の肌に、緑の瞳。なんかエキゾチックな感じ。いかにも砂漠の民って雰囲気だ。かっこいいね」
「ああ、ラテーシア家の者はあんな感じだ。姉のミンも美人だぞ」
「あのガイルって人ががルウ族最高の魔力の持ち主じゃない?」
「どうかな? 姉のミンもなかなか強いし、長老と、キョウも……」
そう言いかけた時、パースの左腕に痛みが走った。
「さっきの人に荷物持ってもらったらよかったかもね」
と、シヴァ。
「一番隊にか? その発想はなかった」
パースは平民で第三身分になる。そんな自分が第二身分の者に荷物を持ってもらうなんて恐れ多い。
その時、悲鳴みたいな声がした。
シヴァはぎょっとして、そちらに目をやると環境維持ロボがいた。
「おーい。そこのロボット、荷物持ってくれよ」
シヴァの呼びかけに、パースは慌てた。
「ルウの地の神の使いともされるロボットなんだぞ。軽々しくそんなこと言うな」
だが、ロボットはシヴァの言うことを聞くつもりなのか。
パースのそばに来た。
パースの背負ってる荷物を、伸ばしたアームで引っ張っている。
「持ってくれるみたいだいよ?」
と、シヴァ。
パースは荷物を降ろしてみた。
環境維持ロボは人間の膝くらいの背丈である。果たして荷物を持てるのだろうか?
だが環境維持ロボの取った行動は予想外のものだった。
ロボのアームは、パースの左手辺りを撫でている。
パースは一瞬、電気が流れたように感じた。いわゆる静電気のようなものだろうか。
すると痛みは治まった。次の瞬間にはすんなり手が動くようになっていた。
「すごいね。ルウの地のロボットって神の使いで、民の治療も請け負ってくれるんだね」
シヴァはわくわくしていた。
環境維持ロボは褒められて嬉しいのか、シヴァの足元にすりすり体をこすりつけている。




