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最強ダンジョンの最弱ダンジョンマスター  作者: 蓮華


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04

※本作中の挿絵・画像は自動生成AIによるものです。

イメージや雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。


なお、キャラクターの容姿や髪型、衣装などは

作中の描写と多少異なる場合があります。

あらかじめご了承ください。

「……んん……」


眠りから目を覚ますと、目の前には見慣れない岩の天井が広がっていた。

一瞬、どこにいるのか分からなくなったが、傍らで青白く輝くダンジョンコアを見て、昨日の出来事を思い出した。


「……ああ、そうだった。異世界に来たんだったな……」


大きく伸びをする。

身体が軽い。

疲労感もすっかり消え、頭も驚くほどすっきりしていた。


「……よく寝たなぁ」


十時間以上は寝ていただろうか?

洞窟の中には時計もないので、正確な時間は分からないが……

しかし、寝心地は最高だった。


昨日、500DPを使って作った大きなソファー。

これが思いのほか快適で、久しぶりにぐっすり眠れた気がする。


『おはようございます、マスター』


「……おはよう、コア」


『異常はありません。リビングアーマーも、います』


どうやら、寝ている間に侵入者が現れるような事態は起きなかったらしい。

ひとまず安心したところで、俺は管理画面を開いた。


そういえば、魔力の供給はどうなったのだろう。

寝ている間も変換できていれば、相当なDPが貯まっているはずだが……


「……どれどれ」


表示された数字を見て、思わず頬が緩んだ。


現在の保有DPが360万を超えていた。


「……ハハッ!」


思わず笑みがこぼれた。


360万DP、今なお増え続けるDP……


昨日はたった5000DPを使うのにも少し、時間を待っていたというのに、一晩寝ただけでこれだ。

どうやら、魂の接続による魔力供給は、眠っている間も問題なく続いていたらしい。


「……こりゃ、すげぇな」


こんな調子なら、ダンジョンの拡張も、強力な魔物の召喚も、好きなだけ試せそうだ。

昨日まで途方に暮れていたのが嘘のよう。


俺はソファーに身体を預けたまま、にやりと笑った。

さてと……この莫大なDPをどう使ったものか。


俺はもう一度、地表の監視画面を見た。

岩棚、旧採石場、そして周囲に広がる森。

せっかく支配領域を広げたものの、今のところ領域内で生命が死亡した記録がない。


「……うーん。やっぱり狭いのかねぇ」


そもそも半径180m程度では、そう都合よく魔物や動物が死んでくれるわけもないか……


コアを成長させるには、領域内で外来生命が死亡する必要がある。

だったら、答えは単純だ。


「……よし! 範囲を広げまくるしかない!」


俺は管理画面に表示されたDP残高を確認した。


360万DP。


昨日なら想像もできなかったDPだが、今の俺には無限の魔力がある。


「コア! 360万DPを使って、地表の支配領域を拡張してくれ!」


『はい、マスター。広げます』


管理画面に、現在の領域と新たな拡張範囲が表示された。

360万DPで取得できる面積は、36万平方メートル。

すでに支配している土地と合わせれば、約46万8千平方メートルにもなる。

洞窟の入口を中心とした半径は、およそ386メートル。


管理画面に表示された数字を見て、俺は思わず顔をしかめた。


「……360万DPも使ったのに、半径380メートルちょっとか……」


もっとこう、ドーン! と広大な土地が支配下に入るものだと思っていた。

しかし、現実は甘くなかったらしい。


「1㎡あたり10DPって……DP馬鹿食いじゃねぇ~か!!」


半径を倍にすれば、面積は四倍になる。考えてみれば当たり前の話だが、実際に数百万DPを消費すると、なかなか馬鹿にならない。


「いや……多分、使い方を間違ってるんだろうけど……」


そもそも、俺はこの土地についてほとんど何も知らない。

どんな地形で、何が生息していて、どこに道が通じているのか。


まずはそこから調べるべきなんだろうが……


「……コア。周囲をもっと詳しく見せてくれ」


『はい、マスター。表示します』


視界に広がっていた管理画面が切り替わった。


最初に現れたのは、地表を上空から見下ろしたような立体映像だった。

中央には、俺のいるダンジョンの入口。

そこから半径約386メートルの範囲が、淡い青色の境界線で囲まれている。


映像を拡大すると、周辺の様子が鮮明に浮かび上がってきた。


西~南西:旧採石場の岩斜面


人の手で削られた段状の岩壁が続く。

崩れた石積みや苔むした岩片が散乱し、かつての作業道らしい痕跡も残っている。

足場は悪いが、比較的開けた場所もある。採石場全体は支配領域に入っておらず、見えるのはその一部だった。


東~北東:森林地帯


背の高い樹木が密集する深い森。

地面には落葉、苔、シダ、木々が広がっている。

木々の間には細い獣道があり、小動物が通った痕跡が残っている。

森全体はまだ見えていない。


南:草地と緩やかな斜面


森よりも見通しのよい斜面。短い草や灌木、岩の割れ目が点在している。

地面には細い踏み跡が、道が出来ている。

おそらく人の出入りがあるのだろ……


北:森の窪地と獣道


樹木の根元に岩が露出し、小さな窪地がいくつも見られる。

枝の間には野鳥の姿があり、小獣が木の幹を登る様子も確認できた。



挿絵(By みてみん)



映像を眺めていると、思っていた以上に自然豊かな場所であることが分かった。

岩場だけではなく、森もあれば草地もある。

野鳥や小動物も確認できるのだから、少なくとも生命のいない土地というわけではなさそうだ。


『マスター。生き物は、います』


『でも、死んだ生き物は、まだいません』


「…………」


「……何だろうな。うん……何だろ……」


俺は地表の監視画面を眺めながら、何とも言えない気分になっていた。

画面の中央にはダンジョンの入口。その周囲には、半径約386メートルの支配領域が広がっている。


南西から西にかけては、かつて人の手で切り開かれた石切り場。

南側は比較的見通しがよく、草地や緩やかな斜面が続いていた。


「……南の開け具合を考えると、こっちに人がいるんだろうな……」


石切り場がある以上、少なくとも以前は人が出入りしていたはずだ。


一方、北東方面には鬱蒼とした森林が広がっている。

木々の間には獣道らしいものも見えるが、その先がどうなっているのかは分からない。


とはいえ、半径386メートル。


数字だけ見れば広そうだが、実際には徒歩で数分もあれば外周へ到達する程度の範囲だ。


「……すぐにどうこうなるレベルでもないか……」


俺は小さく溜息をついた。


確かに、自然魔力から得られるDPは一日12,467まで増加した。

しかし、今回の領域拡張に使ったのは360万DPである。

これだけのDPを使っても、半径は約200メートルしか広がらなかった。


円形に広げる以上、外周が大きくなれば必要なDPも増えていく。

この調子で森全体を支配しようものなら、いったい何千万、何億DP必要になることやら。


「……やっぱり、普通にダンジョンを作れってことか……」


どうやら、広大な領域を手に入れて、あとは何もしなくても勝手にコアが成長する……

などという甘い考えは、そう簡単には実現しないらしい。


「……横着するには、バカみたいなDPがいるみたいだな……」


がっくりと肩を落とす。

そんな俺の様子を、コアは管理領域の監視機能を通じて捉えていた。


『……マスター』


「…………」


『迷宮の中なら、部屋を作れます』


幼さの残る声が、遠慮がちに続ける。


『魔物も、増やせます』


確かに、そのとおりだった。

今の迷宮には、入口洞窟と通路と空き部屋、コア室しかない。

防衛戦力もリビングアーマーが一体いるだけだ。

ダンジョンマスターを名乗るには、あまりにも寂しい有様だった。


『……マスター。何か、作りますか?』


管理画面には、未使用の区画が表示されたままになっていた。







ここまで読んで頂き、ありがとうございます。


本作に登場するイラストは、自動生成AIによるものです。

物語そのものを補足する「正解のビジュアル」ではなく、

あくまでイメージや雰囲気を楽しむための要素として見て頂ければ幸いです。


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