光陰矢の如し、歳月人を待たず
※ゆるふわな気持ちでお読みください。
時が過ぎるのは早いもので、もう授与式の日だよ……!
待って、まだ心の準備が出来てないの……!
講師の方々から大丈夫って言ってもらったけど、本当に大丈夫なのか自信がないよ……!
「姉上、とりあえず落ち着きましょう。大丈夫です、ちょっとくらいのミスなんて、ちょっと嫌味を言われるだけですから」
「安心出来る要素がないよ?!」
嫌味言われるんじゃん!
嫌味! 言われるんじゃん!
なんでリハーサルとかないの?!
段取りの簡単な口頭説明だけとか、そういうのよろしくないよ!
私とセオくんは今、授与式のメインとそのパートナーということで、二人だけで控え室で待機中。
あ、もちろんお城の侍女さんはいらっしゃいます。
最初はお父さまたちも一緒だったけど、先に会場入りするって行ってしまった。
「嫌味なんて、ミスをしてもしなくても言い合ってるものですよ。貴族なんてそんなものなんですから、気にしなくて良いんです。大丈夫です、姉上のことは僕達家族が守ります」
「セオくん……!」
「そもそも、我が家を敵に回したら、今後姉上が発明した魔道具や装飾品が買えなくなりますから、余程の馬鹿でない限り喧嘩を売ってくる奴なんていないですよ」
「お、おう……」
いつもいいこのセオくんが天使の笑顔で辛辣だった……。
時間ですと言われて控え室を後にし、案内係さんに先導されてホール入口の扉の前に到着する。
だだだ大丈夫だ……!
やることなんて口頭説明で済む程度のことしかないんだから……!
王様の前まで歩いて、着いたらゆっくり跪く。
跪いたら挨拶の口上を述べて、王様の話を聞く。
王様の話が終わったらゆっくり立ち上がって、王妃様から褒章のブローチを着けてもらう。
ブローチを付けてもらったら一礼して、後ろ向いてそっちにも一礼。
終わったら近くにお父さまたちが待っててくれてるはずだから、セオくんのエスコートでそっちに合流して、王様の合図で夜会開始。
よし! ちゃんと覚えてるぞ……!
「ディール伯爵家御令嬢カレン様、ならびに御令息セオドア様、御入場です!」
係の人が名前を読み上げ、扉を開ける。
扉の先に見えたただっ広いホールと沢山の人に、頭の中から段取りが全部すっ飛んでいった。
カレン「手の平に人を書いて、人は皆じゃが芋で……!」
セオ「姉上、落ち着いてください。何を言っているのかわかりません」
カレン「人を飲んでカボチャなんだよ……!」
セオ「じゃが芋とカボチャが食べたいのですか? 今日のメニューにあるか、確認して貰いますか?」
カレン「え、メニューの確認なんて出来るの?」
セオ「出来ると思いますよ」
カレン「わあ! ケーキは何があるかなぁ?!」
セオ「聞いてみましょうね」




