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えらい人の話は長い

※ゆるふわな気持ちでお読みください。

 すっ飛んでいった段取りは隣に立つセオくんのお陰でなんとか帰ってきてくれた。

 大丈夫ですよ、ゆっくり歩きましょう、着いたら跪いて挨拶ですよ、って、ガチッと固まった私に小さく声をかけてくれたんよ……。

 セオくんがいなかったら扉のところでずっと固まってたと思う……。

 ゆっくり歩いて前を見ると、なんか王様もハラハラしてるように見える。

 優しいオジ様だよ……不甲斐なくてすみません……。

 王様の前までたどり着き、手を胸の前で交差させてゆっくり跪く。

「ディール伯爵家が次女カレン、国王陛下のお召しにより、罷り越してございます」

 よし、なんとか声を震わせずに挨拶出来た!

「この度、そなたを呼んだのは他でもない、そなたの考案した魔道具が多くの民の命を救ったことが証明されたからである。皆も知っておろう、ディール伯爵令嬢が考案した冷蔵庫を。あれにより、食品の流通が格段に広がり、多くの者に利がもたらされておったが、あれの真価はそれだけに留まらなかった。なんと、あの恐ろしい赤死病が克服されたのである!……」

 あ、これ結構長くなるやつですか?

 褒章の理由とか説明が必要なのはわかるんだけど、私としては、冷蔵庫により赤死病が克服されました、それをここに賞します、くらいで終わるのかと思ってた。

 わぁー腕もつかなぁー、とか思っている間も王様は滔々と語り続けている。

 さすが王様、演説はお得意ですね。

 会場に集まっている貴族の皆さんも、おおー! とか、なんと! とか言ってて、なんか盛り上がってきてる?

 王様の声にもちょっと熱が入ってきてるような気がするんだけど。

 やめて? 腕がぷるぷるしちゃうから、そろそろ終わろう?

「……また、これはまだ調査中ではあるが、西方国より輸入された白粉についても健康被害の可能性を示唆してくれた。この事も合わせて評価されるべきだろう。彼女は多くの幸福を我らにもたらしてくれた。……」

 白粉についても触れるのか。

 まあ、単に御触れで危険だって言うより、王様が直接危険だって言う方が信じてくれる人は多いかも。

 でも、まだ語り続けるのやめて?

 腕がつらい、つらいんよぉー!

「……よって、ここに賞し、称えるものである!」

 よし、終わったー!




カレン「じっと腕を上げ続けるのつらい……。こんなに長くなるんだったら、先に言っといてくれたら腕立てとかしといたのに……。鍛えてから来たのに……」

王様「ごめんね……。でも貴族を納得させるのに功績を上げ列ねたりとか有効だから、どうしても話は長くなってしまうんだよ……」

レオン「伝えてなくてごめんねぇ……。でも、式典とかで話が長くなっちゃうのは常識だからさ……。カレンがそういうの出ないから知らないの、忘れてたんだぁ……」

カレン「うん……いや、そうだね……自業自得か……」

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