表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才錬金術師は常識を知らない〜神に選ばれた少女は、世界の価値を再定義する〜  作者: れんP


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/17

第五話 はじめての素材採取

──天才錬金術師は常識を知らない


「さて、身分証も手に入れたし……」


アルマは通りを歩きながら、小さく呟いた。


「やっぱり次やるのは、素材採取かな? お金持ってないし」


手元の冒険者カードを軽く揺らす。

これで最低限の行動はできる。


だが、それだけだ。


「材料がありそうな場所といえば、森とか洞窟なんだけど……」


少し視線を巡らせる。


町の外れ。門の向こう。

遠くに見える緑の広がり。


「あ、あった」


目が輝いた。


「行ってみよっと」


軽い足取りで、アルマは町を出た。


──森。


木々が生い茂り、空気が少しだけひんやりとしている。

土の匂いと、葉のざわめき。


「わぁ〜、いろいろ落ちてる」


しゃがみ込み、地面を見渡す。


石、枝、枯葉、見たことのない草。

どれも素材になりそうだが──


「でも、何がなんだかわかんないな〜」


困ったように頬を指でつつく。


しばらく眺めて、ふと思いついた。


「……こうして見たら、なにかわかったりして」


手に取った石を、じっと観察する。


その瞬間。


視界の端に、何かが“現れた”。


「わわっ!?」


思わず声が出る。


目の前に、半透明の板のようなものが浮かんでいる。


文字が並んでいた。


種類:「ただの石」

説明:「そのへんにあるただの石」


「……なにこれ、ウィンドウ?」


指で触れてみる。


すり抜ける。


だが確かに、そこにある。


「なんか出てきた……」


しばらく見つめてから、あっさり結論を出す。


「……まぁいいか」


軽い。


「これで何がなんだかわかる〜」


楽しそうに、別の物を手に取る。


するとまた、別の表示が現れた。


草、木の実、鉱石の欠片。


それぞれに“名前”と“説明”。


「便利ですねこれ」


次々と拾い上げ、確認していく。


「“薬草”…再生作用、微量の魔力……へえ」

「“鉄鉱石”…不純物多め……これは後で精製かな」

「“よくわからないキノコ”…食べられるか不明……これは保留」


ぽんぽんと、アイテムボックスへ放り込んでいく。


森の中を歩き回りながら、アルマは夢中になっていた。


知らないものを知る。


構造を理解する。


それは彼女にとって、何よりも楽しいことだった。


「……ん?」


ふと、足を止める。


空気が、少し違う。


風の流れ。匂い。音。


何かが“変わった”。


「奥の方、かな」


興味が勝った。


アルマはそのまま、森の奥へと進んでいく。


──その頃。


森が開け、丘になっている場所。


そこに、一羽の鳥がいた。


炎のように揺らめく羽根。

燃えるような赤と橙が、風に揺れている。


その存在だけで、周囲の空気が熱を帯びていた。


鳥は静かに目を開ける。


「……何かが森に入ってきた?」


低く、知性を帯びた声。


視線が森の奥へと向く。


「この森は我の領域。人間が入ってくるはずも……」


言いかけて、止まる。


「……!?」


羽がわずかに揺れた。


感じたのは、異質な気配。


魔力とは違う。


だが確かに、“力”だ。


それも──


「……神聖な力を感じる……」


空気が震える。


鳥の瞳が細められる。


「これは一体……」

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ