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天才錬金術師は常識を知らない〜神に選ばれた少女は、世界の価値を再定義する〜  作者: れんP
共和国編

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第五十七話 ぷにぷに潜入作戦



──天才錬金術師は常識を知らない


森の奥。


密猟者たちの拠点から少し離れた木陰で、アルマたちは小声で集まっていた。


「よし、作戦会議!」


アルマが小さく拳を上げる。


フィーネが頭を抱えた。


「嫌な予感しかしない」


ルナはきょろきょろと周囲を見回している。


「だ、大丈夫かな…………………」


その横では、ミルが黒ローブ姿のまま胸を張っていた。


「…………ワタシ、ヤレル」


アルマがぱっと笑う。


「うん!ミルならできる!」


フィーネは腕を組んだ。


「しかし、あの数をどうする。見たところ最低でも六人はいたぞ」


「えっとね」


アルマが地面に枝で図を描き始める。


「まずミルちゃんが中に入る……」


「…………ウン」


「それで、こっそり檻を開ける!」


フィーネが真顔になる。


「雑すぎる」


「えぇ!?」


「作戦というより願望だ」


ルナが苦笑した。


「でも、アルマお姉ちゃんっぽい……………」


アルマはむぅっと頬を膨らませる。


「じゃあフィーネは?」


「ふむ」


フィーネは少し考えたあと、にやりと笑った。


「派手に暴れる」


「結局それ!?」


「細かいことは苦手でな」


ルナがこそっと呟く。


「似た者同士……」


フィーネとアルマが同時に振り返る。


「「違う」」


ルナがびくっと肩を震わせた。


ミルはそんなやり取りを見て、小さく笑っていた。


「……タノシイ」


アルマがミルを見る。


「緊張してない?」


「……チョット」


するとアルマはミルの頭を撫でた。


「大丈夫!」


ミルの身体がほんのり黄緑色に光る。


どうやら嬉しいらしい。


フィーネが立ち上がった。


「では始めるぞ。ミル、お主は潜入。危険を感じたらすぐ逃げろ」


「……ウン!」


ミルはこくりと頷く。


そしてそのまま、密猟者たちの拠点へ歩いていった。


黒ローブ姿はかなり自然だった。


アルマが感心する。


「ほんとに変身上手だねぇ」


「擬態能力に特化した種族だからな」


その頃。


密猟者たちの拠点。


「おい、そっち運べ」


「ったく、ガキみたいな魔物ばっか集めやがって」


「貴族はこういうの好きなんだよ」


男たちが下品に笑う。


檻の中では、小動物たちが震えていた。


そこへ。


ミルが近づく。


「……」


「ん?」


男の一人が振り返った。


「お前、見ない顔だな」


ミルは一瞬固まる。


だが。


「……オウエン」


棒読みだった。


空気が止まる。


木陰で見ていたアルマが青ざめる。


「ミルちゃん演技下手!?」


フィーネが額を押さえた。


「まずいな」


しかし男たちはあまり気にしていないようだった。


「新入りか?」


「……ウン」


「まぁいい、そっちの檻見張っとけ」


「……ワカッタ」


ミルはてててっと檻へ向かう。


そして小さくガッツポーズをした。


アルマが感動する。


「入れた!」


「奇跡だな」


ミルは檻の前へしゃがみ込む。


中の小動物たちが不安そうに見上げる。


「……タスケル」


すると小動物たちの目が輝いた。


ミルはそっと鍵へ触れる。


身体の一部が液状化し、鍵穴へ入り込む。


カチャ。


「わっ」


アルマが小声を漏らす。


「器用!」


フィーネも感心した。


「なるほど、そう使うか」


一つ目の檻が開く。


小動物たちがそろそろと出てきた。


だが。


「おい、何してる?」


男の声。


ミルがぴたりと固まる。


振り返る。


そこには大柄な男が立っていた。


「……」


「……」


数秒の沈黙。


そして。


「ニゲテ」


ミルが叫んだ。


「え?」


次の瞬間。


檻の扉が全部吹き飛んだ。


「わぁぁぁぁ!?」


アルマが目を輝かせる。


「ミルちゃんやったー!!」


「今の喜ぶ場面ではない!」


フィーネが叫ぶ。


解放された小動物たちが一斉に逃げ出した。


密猟者たちは大混乱になる。


「なっ!?」「おい止めろ!!」「逃がすな!!」


ミルも一目散に走る。


「アルマー!!」


「こっちー!!」


その瞬間。


フィーネが前へ出た。


赤い瞳が燃える。


「さて」


熱風が吹き荒れる。


密猟者たちがぎょっとする。


「な、なんだ……?」


フィーネはにやりと笑った。


「我の家族に手を出した報いを受けよ」


ボッ!!!


巨大な炎柱が森に立ち上がった。


「ぎゃあああああ!?」


密猟者たちが吹き飛ぶ。


アルマが目を輝かせた。


「かっこいい!!」


「感心してる場合か!」


ルナは慌てて逃げる小動物たちを誘導していた。


「こっち!こっちだよ!」


その時。


森の奥から、低い唸り声が響いた。


グルルルルル……


フィーネの表情が変わる。


「……む?」


地面が揺れる。


木々が大きく軋んだ。


密猟者たちも青ざめる。


「な、なんだ!?」


「おい待て、この気配……!」


次の瞬間。


森の奥から、巨大な影が姿を現した。


黒い毛並み。


異常なほど大きな身体。


そして赤黒く濁った瞳。


アルマがぽかんと口を開ける。


「……おっきい犬?」


フィーネが即座に否定した。


「違う。あれは——」


巨大な魔物が咆哮する。


その身体からは、濃密な黒い呪気が噴き出していた。


「呪侵された上位種だ!」

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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