表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才錬金術師は常識を知らない〜神に選ばれた少女は、世界の価値を再定義する〜  作者: れんP
共和国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
51/121

第五十話 草原に眠る小さな気配



──天才錬金術師は常識を知らない


ソリティア共和国。


王都からかなり離れた広大な草原。


夕日に染まり始めた空の下を、三人はのんびりと歩いていた。


フィーネは小さな翼を揺らしながら歩く。


今日は人化した状態ではなく、小型の不死鳥の姿だった。


その背中にはルナが乗っている。


「うむ、今日はだいぶ遠出をしたな」


「でも、フィーネお姉ちゃんの背中、暖かかったです」


「うむ、フェニックスだからの」


ルナは嬉しそうに頬を緩めた。


不死鳥特有の体温なのか、フィーネの羽毛はほんのり暖かい。


風が吹いても寒くならず、移動中ずっと快適だった。


「ふふ……」


ルナが小さく笑う。


フィーネは少しだけ目を細めた。


「ルナ、お主も最近よく笑うようになったな」


「え?」


「最初は怯えた顔ばかりしておった」


ルナは少しだけ黙る。


そして。


「……だって、楽しいから」


小さな声。


だがその言葉は、確かに温かかった。


フィーネは静かに頷く。


「そうか」


ルナが辺りを見回した。


「アルマお姉ちゃんはどこに?」


「あぁ、あそこだ」


フィーネが視線を向けた先。


草原を駆け回る小さな影。


「わぁ〜♪こっちも!こっちも!素材になりそうなものがたくさん!!」


両手いっぱいに草や石を抱えながら、アルマが楽しそうに走り回っていた。


ルナが苦笑する。


「いつものお姉ちゃん、、、」


「うむ」


フィーネも呆れ半分に頷いた。


アルマは相変わらずだった。


珍しい植物を見つければ駆け寄り。


綺麗な鉱石を見つければ目を輝かせ。


見たことのない虫を見つければ観察を始める。


もはや旅というより採集遠足である。


だが。


そんな姿を見ていると、不思議と悪い気はしなかった。


フィーネは空を見上げる。


夕焼けが広がっている。


「……平和だな」


ぽつりと呟く。


最近は色々ありすぎた。


帝国の密偵。


呪い。


暴走する魔物。


規格外の錬金術。


だが今だけは。


こうして穏やかな時間が流れている。


ルナが草原を見渡した。


「ここ、静かですね」


「あぁ。魔物も少ない」


「どうして?」


「我の気配があるからだろう」


フィーネはさらっと言う。


神獣フェニックス。


その存在だけで、多くの魔物は近寄れない。


本能が危険を察知するのだ。


ルナは改めて感心する。


「フィーネお姉ちゃんって、やっぱりすごい……」


「今更だな」


「えへへ」


そんな会話をしている間にも。


アルマはどんどん遠くへ行っていた。


「見て見て〜!!」


両手に色鮮やかな花を抱えて戻ってくる。


「この花、魔力がちょっと入ってる!」


フィーネがちらりと見る。


「……魔力草か。薬の材料にはなるな」


「やった!」


アルマは嬉しそうにアイテムボックスへ収納した。


さらに。


「この石もなんか変!」


「どれだ」


「これ!」


アルマが差し出した石。


薄く青色に光っている。


フィーネが少し驚く。


「……ほう。魔力結晶の原石か」


「レア?」


「あぁ。普通は洞窟の奥深くでしか取れん」


アルマの目がさらに輝く。


「すごい!」


「お主は本当に引きが強いな……」


ルナも石を覗き込む。


「きれい……」


アルマは笑顔になった。


「あとでアクセサリーにできるかな!」


「また妙な物を作りそうだな」


「えぇ〜?」


フィーネがため息を吐く。


だが。


完全に否定はしない。


なぜなら。


アルマの場合、本当に作れてしまうからだ。


それが恐ろしい。


三人はそのまま草原を進んでいく。


夕日が沈み始め。


空が少しずつ紫色へ変わっていく。


風が草を揺らし。


静かな音が広がる。


アルマはしゃがみ込み、また新しい植物を観察していた。


「へぇ〜」


「どうした?」


「この草、魔力吸ってる」


フィーネが目を細める。


「……珍しいな」


「ね!」


アルマは嬉しそうだった。


まるで世界そのものが宝箱に見えているようだった。


未知。


発見。


新しい知識。


それら全てが、彼女をわくわくさせる。


そして。


そんなアルマだからこそ。


周囲には、少しずつ不思議なものたちが引き寄せられていた。


風が吹く。


草が揺れる。


その草むらの奥。


小さな気配が、じっとアルマを見つめていた。


アルマはまだ気づかない。


フィーネは微かに視線を向けたが、害意がないことを察して何も言わなかった。


ルナも気づいていない。


ただ。


小さな存在だけが。


草の陰から、まっすぐアルマを見つめていた。


「〜♪これもすごい♪」


その頃近くの草むらにて。苔色をしたスライムがいた


「............キラキラ......救い人?」

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ