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天才錬金術師は常識を知らない〜神に選ばれた少女は、世界の価値を再定義する〜  作者: れんP
共和国編

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第二十五話 はじめての依頼と適性確認


──天才錬金術師は常識を知らない


翌朝。


王都ソリティアの空は澄み渡り、柔らかな光が街を包んでいた。


「よーし、行こ!」


アルマは元気よく宿の扉を開ける。


その後ろを、フィーネとルナが続いた。


三人が向かうのは、冒険者組合。


昨日決めた通り、依頼を受けるためだ。


石畳の道を進み、やがて見えてくる大きな建物。


「ここだね」


アルマが指さす。


入口にはすでに何人もの冒険者が出入りしており、朝から活気に満ちていた。


中へ入ると、酒場のような賑やかな空間が広がっている。


依頼掲示板の前には人だかりができ、受付には列ができていた。


「まずは登録だな」


フィーネが言う。


「うん!」


三人は受付へ向かう。


「いらっしゃいませ。ご用件は?」


受付嬢が笑顔で応じる。


「えっと、この二人の登録をお願いします!」


アルマが答える。


受付嬢はフィーネとルナを見て、軽く頷いた。


「承知しました。では、適性確認を行います」


「適性確認?」


ルナが首をかしげる。


「はい。簡単な試験のようなものです。能力を確認させていただきます」


フィーネが小さく呟く。


「力を見せればよいのだな」


「その通りです」


受付嬢は奥の扉を指した。


「こちらへどうぞ」


三人は案内され、訓練場のような広い空間へ入る。


石造りの壁に囲まれた場所で、他にも何人かが試験を受けていた。


「では、どちらから?」


受付嬢が問う。


「私からやろう」


フィーネが前に出る。


その瞳が一瞬だけ鋭くなる。


「……少しだけでいいのだな?」


「はい、危険のない範囲でお願いします」


フィーネは軽く頷くと、手を前に出した。


次の瞬間。


ぼうっと、小さな炎が灯る。


だが、それはただの火ではない。


揺らめく炎の奥に、圧倒的な“何か”が宿っている。


周囲の空気がわずかに震えた。


「……っ」


受付嬢が息を呑む。


炎はすぐに消えた。


ほんの一瞬。


それだけで十分だった。


「これでいいか?」


フィーネが平然と聞く。


受付嬢は一拍遅れて頷いた。


「……は、はい。問題ありません」


その声はわずかに震えていた。


「では次に……」


視線がルナへ向く。


「えっと……」


ルナは少し緊張した様子で前に出る。


アルマが小さく声をかける。


「大丈夫だよ」


「……うん」


ルナは手を胸の前で握る。


そして、そっと目を閉じた。


次の瞬間。


ふわり、と空気が揺れる。


淡い光。


それは目立つものではない。


だが確かに、そこに“魔力”が流れていた。


静かで、澄んだ気配。


「……はい、十分です」


受付嬢がすぐに言う。


ルナはほっと息をついた。


「以上で適性確認は終了です。少々お待ちください」


受付嬢は書類を持って奥へと戻る。


しばらくして──


「お待たせしました。こちらが冒険者カードになります」


フィーネとルナ、それぞれにカードが渡される。


「これで、依頼の受注が可能となります」


「ありがとう」


アルマが嬉しそうに言う。


三人は再びホールへ戻る。


掲示板の前。


様々な依頼が貼られている。


討伐、護衛、探索──


その中から、アルマは一枚を指さした。


「これがいい!」


フィーネが覗き込む。


「……採取依頼か」


内容は、森で特定の薬草を集めるというものだった。


危険度は低く、初心者向け。


「最初はこれくらいがいいでしょ?」


アルマが言う。


「うむ、妥当だ」


フィーネも頷く。


ルナも小さく言う。


「やってみたい」


決まりだった。


アルマは依頼書を手に取り、受付へ向かう。


「この依頼、受けます!」


受付嬢は確認し、微笑んだ。


「受注完了です。お気をつけて」


こうして。


三人の“冒険者”としての最初の一歩が決まる。


組合を出ると、朝の光がまだ眩しい。


「じゃあ、行こっか!」


アルマが前を向く。


フィーネとルナも続く。


目指すは、森。


初めての依頼。


初めての本格的な探索。


だが──


その一歩が、普通で終わるはずもなく。


三人はまだ知らない。


この“採取依頼”が、またしても常識を揺るがすことになることを。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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