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天才錬金術師は常識を知らない〜神に選ばれた少女は、世界の価値を再定義する〜  作者: れんP
皇都編

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第百十二話 地下遺跡と消えた調査隊



──天才錬金術師は常識を知らない


「友達に相談してもよいか?」


皇帝ガイゼルの言葉に、重臣たちはまたしても頭を抱えていた。


レオグラン。


「陛下……」


「友達という言葉を使いすぎでは……」


レイナもため息をつく。


「もう慣れたと思っていたんですが……」


バルト魔導師長。


「百年以上仕えておりますが、未だに慣れませんな」


しかし。


当のガイゼル本人は気にした様子もない。


「何を言う」


「友達とは相談するものじゃろう?」


アルマ。


「うん!」


「困った時は助け合い!」


「おぉ!」


「その通りじゃ!」


二人はすっかり意気投合していた。



そして。


ゼクトから地下遺跡について説明が始まる。


「帝都の地下には古代文明の施設があります」


「第一層から第五層まで確認されています」


「現在、人が安全に入れるのは第二層まで」


「第三層以降は危険地帯です」


ルナ。


「危険?」


ゼクト。


「魔物」


「罠」


「未知の魔導装置」


「そして」


「正体不明の存在」


シエル。


「正体不明?」


エリシア。


「嫌な予感しかしないわね」


フィーネ。


「ふむ」


「古代文明か」


「懐かしいの」


全員。


「え?」


フィーネ。


「妾が若い頃の話じゃ」


ルナ。


「フィーネお姉ちゃんって何歳?」


フィーネ。


「ん?」


「忘れた」


全員。


「忘れた!?」



ゼクトが咳払いする。


「話を戻します」


「昨日、第二調査隊が消息を絶ちました」


「そして今朝」


「第一調査隊も」


レイナ。


「生存反応は?」


「ありません」


沈黙。


ルナ。


「そんな……」


シエル。


「怖い……」


ミル。


「……かわいそう」


きゅる。


「きゅ……」


ガイゼルも表情を曇らせる。


「優秀な兵たちじゃ」


「なんとしても救いたい」


アルマ。


「助けに行こう!」


全員。


「「え?」」


「だって!」


「困ってるんでしょ?」


「なら助ける!」


あまりにも当然のように言うアルマ。


レオグラン。


「いやしかし!」


「危険です!」


レイナ。


「何が待っているか分かりません!」


ゼクト。


「相手は新帝国の可能性もあります」


しかし。


ガイゼル。


「うむ」


「行くか」


全員。


「「陛下ぁ!?」」


「自分で行くんですか!?」


「当然じゃ」


「部下を見捨てる皇帝などいらん」


レイナ。


「危険です!」


「危険だから行くのじゃ」


「……」


誰も反論できなかった。



その頃。


帝都地下。


第三層。


薄暗い遺跡。


壊れた石柱。


古代文字。


その奥。


巨大な黒い結晶。


ドクン。


ドクン。


脈打つ。


黄金の仮面の男。


「導師様」


「皇帝が動きます」


「ふふふ」


「構わん」


「むしろ歓迎しよう」


赤い仮面。


「ですが」


「例の少女も」


「アルマか」


黄金の仮面の男は笑った。


「興味深い」


「実に興味深い」


「数百年」


「いや」


「千年待った」


「ついに現れた」


「理想の器」


周囲の仮面たち。


「……」


「まだ時ではない」


「計画を進めろ」


「はい」


そして。


黒い結晶がさらに脈動する。


ドクン。


ドクン。


ドクン。


まるで。


何かが眠っているかのように。



翌朝。


皇城。


「準備できた!」


アルマは大きなリュックを背負っていた。


「お弁当!」


「おやつ!」


「水筒!」


ルナ。


「遠足じゃないんだから!」


シエル。


「私も!」


ミル。


「……お菓子」


きゅる。


「きゅ!」


エリシア。


「なんでこんな楽しそうなのよ……」


フィーネ。


「まあ」


「いつものことじゃ」


すると。


ガイゼルが豪快に笑った。


「ほっほっほ!」


「良いではないか!」


「暗い顔で行くより百倍良い!」


その姿を見た近衛兵たちは驚いていた。


「陛下が楽しそうだ……」


「最近若返って見える」


「友達って凄いな」



その時。


慌てて駆け込んでくる兵士。


「報告!」


「第三調査隊も!」


「消息不明!」


全員。


「なに!?」


「さらに」


「地下第三層で巨大な魔力反応!」


バルト。


「馬鹿な!」


ゼクト。


「ついに動き始めたか……!」


ガイゼル。


「急ぐぞ!」


レイナ。


「近衛騎士団出動!」


「魔導師団も!」


皇城全体が慌ただしく動き始める。


そんな中。


アルマ。


「わくわく!」


ルナ。


「わくわくじゃないよ!?」


シエル。


「探検!」


ミル。


「……探検」


きゅる。


「きゅ〜♪」


フィーネ。


「全く緊張感がないの」


エリシア。


「でも」


「なんだか」


「この子たちがいると大丈夫な気がするわ」


そして。


帝都地下へ続く巨大な扉が。


ゆっくりと開かれる。


百年以上閉ざされていた。


第三層への道。


その先で待つもの。


新帝国。


黄金の仮面。


黒い結晶。


そして。


千年の時を超えた秘密。


まだ誰も。


その真実を知らなかったのである。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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