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天才錬金術師は常識を知らない〜神に選ばれた少女は、世界の価値を再定義する〜  作者: れんP
皇都編

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第百十一話 皇城の朝と地下に潜む影


──天才錬金術師は常識を知らない


翌朝。


ヴァルゼリオン帝国皇城。


豪華な客室。


柔らかなベッド。


大きな窓から朝日が差し込む。


「……すぅ」


ルナが静かに眠っている。


シエルは布団を抱きしめながら丸まっていた。


「……むにゃ」


ミルはきゅるの荷台の上。


「……すぅ」


きゅる。


「きゅ〜」


ギガルド。


グル……


フィーネは既に起きていた。


窓際で紅茶を飲んでいる。


「平和じゃのぅ」


その時。


バタン!


「朝だよー!」


アルマが元気よく飛び起きた。


ルナ。


「きゃっ!?」


シエル。


「ふにゃ!?」


ミル。


「……?」


きゅる。


「きゅ!」


フィーネ。


「朝から元気じゃな」


「うん!」


「今日はお城探検!」


ルナ。


「探検?」


エリシアも起き上がる。


「迷子にならないでよ?」


「大丈夫!」


全員。


「「それが一番不安!」」



朝食会場。


ガイゼルは既に待っていた。


「おお!」


「おはよう!」


「おじいちゃん!」


「うむ!」


「おはよう!」


またしても。


周囲の侍女たち。


近衛騎士たち。


重臣たち。


全員が頭を抱える。


「陛下が笑顔だ……」


「最近怖いくらい機嫌がいい」


「昨日なんて鼻歌を歌っておられたぞ」


「百年で初めて見た」


レオグラン宰相。


「心臓に悪い……」


レイナ。


「慣れませんね……」


朝食が始まる。


アルマ。


「おいしい!」


ガイゼル。


「うむ!」


「もっと食べるがよい!」


「これも美味いぞ!」


まるで孫と祖父。


その光景に重臣たちは遠い目になっていた。



食後。


ガイゼルは少し真面目な顔になる。


「アルマ」


「うん?」


「昨日話した新帝国」


「うん!」


「それについて少し調べておる」


ゼクトが前に出た。


「各地で奇妙な事件が増えています」


「魔物の暴走」


「違法研究」


「禁術」


「失踪事件」


「そして」


「古代遺跡の調査」


エリシア。


「遺跡?」


「はい」


「特に帝都地下」


フィーネの目が細くなる。


「地下じゃと?」


「はい」


「古代文明の施設が眠っていると言われています」


バルト魔導師長も頷いた。


「しかし」


「長年調査しても何も発見できなかった」


「じゃが最近」


「地下から正体不明の魔力反応が観測されております」


ルナ。


「怖い……」


シエル。


「お化け?」


ミル。


「……地下」


「……暗い」


きゅる。


「きゅ?」


アルマ。


「地下!」


「遺跡!」


「わくわくする!」


エリシア。


「そこなの!?」



一方。


帝都地下。


誰も知らない場所。


巨大な空間。


無数の魔導装置。


古代文字。


そして。


巨大な黒い結晶。


その前に立つ男。


黄金の仮面。


「ふふふ」


「ついに来たか」


「アルマ」


その周囲には。


白い仮面。


赤い仮面。


青い仮面。


様々な人物。


「導師様」


「準備は整いました」


「うむ」


黄金の仮面の男。


「皇帝は気づき始めている」


「だが」


「もう遅い」


「我ら新帝国の悲願は間もなく果たされる」


そして。


巨大な結晶が脈打つ。


ドクン。


ドクン。


まるで心臓。


「目覚めの時は近い」



その頃。


アルマたちは。


完全に別のことをしていた。


「わぁ!」


「お庭!」


皇城の庭園。


美しい花々。


噴水。


小川。


そして。


巨大な迷路。


「すごい!」


「入ってみよう!」


ルナ。


「え?」


シエル。


「楽しそう!」


フィーネ。


「嫌な予感しかしない」


エリシア。


「絶対迷うわ」


案の定。


三十分後。


「どこ?」


「出口どこ?」


アルマ。


「わーい!」


「知らない道!」


シエル。


「楽しい!」


ルナ。


「楽しくない!」


エリシア。


「だから言ったのに!」


フィーネ。


「やれやれじゃ」


その時。


「きゅ!」


きゅるが前に進む。


「きゅー!」


そして。


数分後。


出口へ。


「出られた!」


ルナ。


「きゅるちゃん!」


シエル。


「天才!」


エリシア。


「本当に優秀ね……」


フィーネ。


「そのうち皇城の役職が付きそうじゃ」


きゅる。


「きゅ〜♪」



夕方。


ガイゼルの執務室。


「失礼します!」


ゼクトが飛び込んできた。


「陛下!」


「見つかりました!」


ガイゼル。


「何じゃ?」


「地下第三層に」


「新帝国の痕跡です!」


その瞬間。


ガイゼルの目が鋭くなる。


「……ついに尻尾を出したか」


「はい」


「しかし」


「既に調査隊が二つ消息を絶っています」


レイナ。


「なんですって!?」


バルト。


「馬鹿な……」


レオグラン。


「地下に何が……」


その時。


執務室の扉。


「おじいちゃん!」


「迷路楽しかった!」


アルマが元気よく入ってきた。


ガイゼル。


「おお!」


「そうかそうか!」


重臣たち。


「「空気!!」」


しかし。


アルマは笑顔のまま。


「何か困ってるの?」


その一言に。


ガイゼルは少し驚く。


そして。


優しく笑った。


「うむ」


「少しの」


「友達に相談してもよいか?」


「もちろん!」


「一緒に考える!」


その笑顔を見たガイゼルも。


「ほっほっほ!」


「頼もしいのう!」


こうして。


天才錬金術師アルマ。


そして。


帝国皇帝ガイゼル。


二人の友達による。


新帝国との戦いが。


静かに始まろうとしていた。

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