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天才錬金術師は常識を知らない〜神に選ばれた少女は、世界の価値を再定義する〜  作者: れんP
皇都編

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第百話 祝福の百話と王からの贈り物



──天才錬金術師は常識を知らない


夕日に染まる街道。


アルマたちは賑やかにソリティア共和国の王都へ向かっていた。


「きゅー!」


新たな仲間となった生きる荷車きゅるは、嬉しそうに車輪を回しながらアルマの後ろをついてくる。


その荷台には。


ぷに。


「……すぅ」


スライム姿のミルが丸まって寝ていた。


「ミルちゃん寝てる」


ルナが微笑む。


シエルも笑った。


「きゅるちゃんの荷台、気に入っちゃったんだね」


「……すぅ」


小さく寝息を立てるミル。


きゅるも嬉しそうに取っ手を揺らしている。


グル♪


ギガルドもその横を歩き、まるで護衛のようだった。


「本当に変な一行じゃの」


フィーネが呆れながら笑う。


エリシアも苦笑する。


「否定できないわね」


すると。


「見えてきた!」


シエルが指差した。


遠くに見える大きな城壁。


ソリティア共和国王都。


「帰ってきた~!」


アルマが目を輝かせる。



王都。


城門。


衛兵たちは一行の姿を見ると目を丸くした。


「おお!」


「アルマ殿!」


「無事だったか!」


「それに……」


「何だあの荷車!?」


「魔獣!?」


「スライム!?」


「狼!?」


「……寝てる」


「荷車が動いた!?」


きゅる。


「きゅ?」


衛兵。


「しゃべったぁぁぁ!?」


アルマは笑顔だった。


「友達!」


フィーネ。


「説明になっておらん」


エリシア。


「もう諦めた方がいいわよ」



その後。


王城。


謁見の間。


ソリティア国王レオン=ソリティアは、帰還したアルマたちを迎えていた。


「よく戻った!」


王は立ち上がる。


「黒呪竜の討伐!」


「蒼雷獣ギガルドの救済!」


「そして各地の異変の解決!」


「全て見事であった!」


家臣たちも拍手を送る。


しかし。


アルマは首を傾げた。


「討伐?」


「倒してないよ?」


「助けただけ」


「うむ」


フィーネも頷く。


「殺しておらん」


「救っただけじゃ」


王は苦笑した。


「そうであったな」


「だからこそ、お主たちらしい」


ルナが小さく笑う。


シエルも嬉しそうだった。


その時。


王が家臣へ合図する。


「持って参れ」


大きな箱が運ばれてきた。


「これは?」


アルマが首を傾げる。


王は笑顔を浮かべた。


「褒賞だ」


「お主たちへの感謝の証」


箱が開く。


中には。


大量の金貨。


高級素材。


魔石。


そして。


一枚の美しい証書。


「感謝状?」


アルマが目を丸くする。


「うむ」


王は頷く。


「ソリティア共和国名誉功労者の証だ」


「これを持つ者は、我が国で最大限の支援を受けられる」


「宿泊費、税、通行証、様々な恩恵がある」


シエルが目を輝かせた。


「すごい!」


ルナも驚いている。


「そんなものまで……」


エリシアも目を見開く。


「名誉功労者……?」


フィーネも少し驚いていた。


「破格じゃな」


しかし。


当のアルマ。


「紙?」


全員。


「「「紙じゃない!!」」」


王ですら吹き出した。


「はははは!」


「面白い娘だ!」


「紙ではあるが!」


「価値が違う!」


アルマは不思議そうにしていた。


「そうなんだ?」


「じゃあ大事にする!」



さらに。


王は真剣な顔になる。


「そして」


「アルマ殿」


「一つ頼みがある」


「?」


「ヴァルゼリオン帝国へ向かってほしい」


エリシアの表情が変わる。


フィーネも目を細めた。


「やはりか」


王は頷く。


「近頃、帝国の動きがおかしい」


「何かが起きようとしている」


「我々では調査しきれぬ」


「だが」


王は微笑んだ。


「お主ならば」


「世界の常識すら覆すお主ならば」


「きっと新たな道を見つけられるだろう」


アルマ。


「帝国?」


「うん!」


「行ってみたい!」


即答だった。


エリシアが頭を抱える。


「悩まないの!?」


「だって楽しそう!」


フィーネ。


「こやつは本当に……」


ルナは笑う。


「アルマお姉ちゃんらしいね」


シエルも元気よく手を上げた。


「私も行く!」


ミル。


「……いく」


グル♪


ギガルド。


「……仲間」


きゅる。


「きゅー!」


王も笑顔になった。


「頼もしい仲間たちだ」



その夜。


王都の宿。


「ふぁ~」


アルマはベッドに飛び込んだ。


ミルはきゅるの荷台の中で丸くなっている。


ギガルドは窓際で眠り。


ルナとシエルは明日の準備。


フィーネは椅子で本を読んでいた。


エリシアは静かに夜空を見上げる。


「帝国か……」


故郷。


そして。


自分の知らない闇。


そこにアルマを連れていく。


少しだけ不安だった。


しかし。


「エリシアちゃん!」


「一緒に寝よ?」


「え?」


いつの間にかアルマが手を振っている。


「ほら!」


「明日も楽しいよ!」


エリシアは思わず笑ってしまった。


「ええ」


「そうね」


「きっと」


そして。


夜空の向こう。


遥か彼方。


ヴァルゼリオン帝国。


皇帝ガイゼル=ヴァルゼリオンは静かに笑っていた。


「いよいよだ」


「天才錬金術師アルマ」


「歓迎しよう」


「我が帝国へ」

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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