No.8.5(番外編)神視点なのじゃ!!
こんにちは。タルトです。
この作品に出合っていただいて、そして読もうと考えてくださってありがとうございます。
いい作品に出合えたと思ってもらえるよう頑張って書いたつもりです。楽しんでいってください。
皆さんごきげんよう。我は星を統べる神メーティスである。
実は我、叡智を司る神なのである。叡智…。その言葉は美しい。実に美しい。我がつかさどるにふさわしいものなのだ。
さて、叡智を司るとはどういうことだか分かるだろうか。全ての事象を見通し、全て我の思い通りになる。ということだ。
しかしながら想像したことはあるか?1を聞いて100理解してしまうことがどれだけ退屈であるか。
例えば最近、話題になっている、見た目は子供、頭脳は大人な映画を見に行ったのだ。神々の戯れ…まあぶっちゃければ女子会である。最近頑張っている後輩たちへのお礼と息抜きを兼ねてな。
どうじゃ。結構いい先輩じゃろ?こう見えてそこらへんは上手くやっておるのじゃよ。
この映画の楽しみ方は知っとるか?それは自分で推理を楽しみながら、見ることなのじゃ。数々のヒントを見ながら、あれが怪しい、こいつは味方だの考えることが楽しい。らしいのじゃ。
さて、叡智のえの字も知らないような凡愚らにも、我が言いたいことがそろそろ分かるのではないか?そう、我、開始5分で犯人が分かってしまうのじゃ。
いやいや、開始5分じゃまだ犯人も出てきてないし事件も起きてないだろって?そうじゃよ?
しかし我は叡智を司る神じゃ。開始5分でいつ頃犯行があっていつ頃犯人が出てくるかがわかってしまう。微妙な描き方やシナリオ、尺。諸々含めてな。5分もあれば十分じゃ。何なら5分見た後それからあるおよそ1時間半近いシナリオをイメージし、語れるのじゃ。
え?じゃあ何を楽しみに行ったんだって?見る必要がないじゃんとな。
そう。分かる。我ひとりならな。
我はな、連れて行った後輩が見入っている姿や悩んでいる姿を見るのが楽しいんじゃ。
え?後輩の悩んでる顔や見入っている姿も容易に想像できてしまうのではって?それは違うのじゃ。生き物の思考回路はとても複雑であるしじゃな?99%はわかっても残り1%は予想できんことが多いのじゃ。我はなんでもわかってるが故に、ほんの少しでも想像がつかんような事柄に興味ありまくりなのじゃ。そういう意味では、後輩たちへの息抜きも、実は我が一番楽しんでいたのかもしれん。事実、我はこう見えて話したり、コミュニケーションをとったりすることが大好きなのじゃ。
おっと。すまないのじゃ。ついついしゃべりすぎてしまったのじゃ。しかも最近同僚からかしこまった喋りしてるのに熱くなると語尾に~じゃってなるの可愛いですよねともいわれてしまったしの。気を付けなければ。叡智をつかさどる神の威厳とやらがなくなるのでな。
まあ、そんなことより。今回は初めて他の星の人間を自分の世界に引っ張ってきたときのことでも話すとしよう。まあ、初めてというか、普通はダメというか。まあ掟破りなのじゃよ。
あ、勘違いしないでほしい。さすがに規約はあるのだぞ?例えば、成人していること。自分の意思であること。前世に心残りがあること。異世界の事情を伝えた後にそれでも行きたいと思うか。などなど…。
まあ。我があやつを連れてきたくてここ何年かで作っただけなのじゃがな!!!
そやつが生まれた時から我は目をつけておった。魂の輝きが違ったのだ。こやつはもしかしたらうちの世界を滅ぼしにかかってる魔王軍を殲滅できるのではないのかとさえ思った。
え?叡智を司る神の星が滅ぼされそうになるなんて実はなんでも知ってるわけじゃないんじゃないかって?違うのだ。
我の世界のみの事象なら見通すこともできる。今回はそれが通用しなかったのじゃ。
実はな、手癖の悪いロキという神がおってな、こやつはどんなことでも自分の心が満たされればよいと考えておってな。こやつが自分の能力を一時的に下界の人間に与えたのだ。
いや、与えてはないのか。あいつが言うには。
ロキは下界に直接は手を出していない、あくまで様子見として一人の人間に憑依して下界を見て回っただけなのだ。普通に考えれば、そんなことをすると神の影響を受けて精神も体も変化が起きることは自明なのじゃが。あいつは行った。しかもそうやって体や精神が歪んだ人の責任はわしに押し付けて!
下界に手を出してはいけないとは言われているが、様子見がダメとは書いていない。というか叡智の神ならそんな抜け道ある規則作ったあなたが悪いのでは。という風にな。
なめるでないわ!!!!!!!!!!!!!!!!
ああ、そうではなく。そのまあロキの影響を受けた人間はなぜか我の星を滅ぼそうとしていてな。うーむなぜなのか。ロキに恨みを持たれることなんて…うん。たぶんきっとない…はず。
幼き頃に叡智の力をフルに使っていたずらしたぐらい…。いや、そんな何千年前のことをな?今になって晴らそうなんての。ちょっとメンヘラちゃんすぎるかの?
と・も・か・く!!!!
とてもまずい状況なのじゃ!!
下界におりることはまずできん。流石にこれ以上世界に神が介入してはいかん。
かといって星が滅ぶと我の神格が揺らぐ!特に、他の神から叡智を司どっているのに簡単に星滅ぼされてやんのー(笑)なんて言われた日にはもう生きていけないのじゃ!!!
というかロキにいい顔されることはダメなのじゃ!!!嫌なのじゃ!!!許すまじなのじゃ!!!
と、どうにかせんとと思っていた矢先、遠くの星で一際輝く魂を見つけたのじゃ!!!というわけで引っ張ってきたわけじゃ。いいや。別に違法じゃないぞ。ただ、引っ越しを促しただけじゃ。あやつがほいほいついてきただけじゃよ?ちょっぴり強引だったかの?いや、そんなことはないのじゃ!!!!
だがな。連れてはきたが、遅すぎるのじゃ。もう相手は18年前から我の星を滅ぼそうと躍起になっておった。しかも、なんか仲間も増やしてるしの。じゃから、辞書や銀貨、服に靴といった選別を与えてやったのじゃ。下界への干渉はこれぐらいがギリなのじゃ。規約なんてなければ即刻聖剣と聖鎧与えて、とんでもない叡智を吹き込んでやるとこじゃが、そうもいかん。この時代に俺TUEEEEEEEEEEはできないのじゃよ。
なんの説明もなしに連れてきてあやつが戦うのかって?そんなことは運命が決まっておる。運命の強制力というやつじゃ。まっ、我が仕組んだのじゃがな!!!!!
しかし将来決まっていることだけでそれがいつなのかどこなのか、はたまた勝つのかといった話は別なのじゃがな。
おいそこ、叡智を馬鹿にするでないわ。あやつは星が違う。管轄が違うのじゃ。我がつくった星に、世界に初めから生まれていればもちろんそいつのすべてを予測できるわ!!!!!!
これから戦いが約束されていることを考えればほんの少しは同情するが、うまくいったときには、我とのデートを与えてやろう。下界の人間は恋愛に飢えており、デートが至高のものであるからな。この前のドラマで言っておったわ。どうやら、男子大学生なんてものは女性から挨拶されただけで惚れるらしいぞ?悲しき生き物じゃな。
さて、これからあやつの行く先が楽しみなのじゃ。久々に見通せない、予想できない者が来たのじゃモニタリングを楽しむとしよう。テッテレードッキリでしたー♪なーんてオチにはせんよ。
せいぜい頑張るんじゃの、勇者様よ。
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