No.11.5(番外編その2)紺青法を根性で解説する。
こんにちは。タルトです。
この作品に出合っていただいて、そして読もうと考えてくださってありがとうございます。
いい作品に出合えたと思ってもらえるよう頑張って書いたつもりです。楽しんでいってください。
サトシの思考~紺青法~
今から行う解説は、シアン化カリウム(青酸カリ)の検出方法である。もし、皆さんがシアン化カリウム(青酸カリ)っぽいものを見て、判断に困るときに是非活用していただきたい。
*間違ってもかの探偵のように「ペロッ。これは青酸カリ!」とはしないように。(まあかの探偵はやっていないんだけどね。)
まず初めに、紺青法の説明をしておく。くどくてごめんね♪
紺青法はシアン化カリウム(青酸カリ)の一部であるシアンを判別する方法。
まず、シアンが溶けている液体に強塩基性物質を加えて強塩基性溶液にする。そのあと、硫酸鉄(Ⅱ)を加えて熱する。最後に強酸を加え、液性を酸性にする。そうすると液体が濃い紺青色に染まる。
さて、ではここからは化学反応式を多用して、解説をしていこう。みんな!根性出せよ!
そもそも、前提して、ヘキサシアニド鉄(II)酸イオン([Fe(CN)₆]⁻⁴)と、鉄イオン(Ⅲ)(Fe³⁺)が反応して濃青色沈澱を生じることを知っておかなければならない。
というか、これを知ってさえすれば、もう大丈夫。
最初にシアンが溶けている液体として、中にシアン化カリウムの溶けている溶液に、強塩基性物質を入れ、強塩基性溶液にし、そのあとに硫酸鉄(Ⅱ)を加えた。
まず、ここまでの反応形態を見る。
そもそも、シアン化カリウム(KCN)は、カリウムイオン(K⁺)とシアン化物イオン(CN⁻)からできるイオン結晶だ。ここで、水に溶けるとどうなるかを丁寧に見ていく。
イオン結晶が溶けると電離をする。しかし、完全電離はしない。これは化学平衡を学んでいる高校生以上の人じゃないと分からないかもしれないが、シアン化カリウム(KCN)は強塩基である水酸化カリウム(KOH)と、シアン化水素酸(HCN)から出来ている。
なので、強塩基由来のカリウムイオン(K⁺)は完全電離したいが(一人になりたい)、弱酸由来のシアン化物イオン(CN⁻)は電離をしたくない(群れていたい)。(あくまで僕の覚え方だが、弱者は群れたがるで覚えると覚えやすい)
しかし、シアン化物イオン(CN⁻)は電離をしたくない(群れていたい)とはいっても、相方のカリウムイオン(K⁺)は離れてしまう。
なので、シアン化物イオン(CN⁻)はボッチで寂しくしている。
さて、一方で、硫酸鉄(Ⅱ)(FeSO₄)を入れる反応を見ていこう。硫酸鉄(Ⅱ)(FeSO₄)は強酸である硫酸(H₂SO₄)と、弱塩基性の水酸化鉄(Ⅱ)(Fe(OH)₂)からできている。
上記の話から、今度は強酸由来の硫化物イオン(SO₄²⁻)は完全電離で、弱塩基由来の鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)は完全電離できない。ここでもボッチで寂しい鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)がいる。
と、言うことで、ボッチで寂しいシアン化物イオン(CN⁻)と、同じ境遇の鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)が反応して、ヘキサシアニド鉄(II)酸イオンが生まれる。
(*Fe²⁺ + 6CN⁻ → [Fe(CN)₆]⁴⁻)
さて、この反応において、シアン化カリウム(KCN)が溶けているものは塩基性溶液、硫酸鉄(Ⅱ)(FeSO₄)が溶けているものは酸性である。
なので、もちろん中和して若干中性に傾く。(まあもちろん、鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)が一つに対して、シアン化物イオン(CN⁻)は六つ必要という反応式のため、濃度によっては完全中和にはならない。なので若干中性に傾くとしている。)
この液性は塩基性に傾いておかないといけないので強塩基性物質を加えて強塩基性溶液にしている。これについては、高校化学の知識をフルに使うので、頑張ってついてきてほしい。
そもそも、強塩基性溶液とは、水素イオン(H⁺)が極端に少なく、水酸化物イオン(OH⁻)が極端に多い溶液である。
ここで、化学平衡(高校化学)から、水素イオン(H⁺)は存在しにくく、水酸化物イオン(OH⁻)は存在しやすい。これに大きな利点がある。
シアン化物イオン(CN⁻)が液中に多く存在していることは説明をした。このシアン化物イオン(CN⁻)は寂しくボッチだから、何かと群れたがり。鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)があるときはそれと群れればいいが、なかったときはどうなるだろうか。
水素イオン(H⁺)とくっつきだす。これは不味いのだ。劇薬のシアン化水素が生まれてしまう。と、言うことで、水素イオン(H⁺)を存在しにくくして、劇薬のシアン化水素を生まれないようにしたのだ。だから、強塩基性溶液にする必要があった。
(* CN⁻ + H⁺ → HCN(シアン化水素))
さて、では次の反応を見ていこう。
次は、硫酸鉄(Ⅱ)を加えて熱する、の熱するについてみていこう。
ここは非常に大事である。
そもそも、硫酸鉄(Ⅱ)(FeSO₄)とか、鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)の(Ⅱ)は何だろうと疑問に持った人は多いと思う。次はその解説だ。
この(Ⅱ)は、イオンの係数を表している。イオンの係数とは、鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)のFeの上の数字のことである。例えば(OH⁻)と(H⁺)は数字がないので、係数一つと考える。(掛け算の時に×1や×(-1)の1は省略することと同じ)
じゃあなんで(H⁺)は(Ⅰ)としないの?と思うはずである。
その理由は鉄イオンは、鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)と鉄(Ⅲ)イオン(Fe³⁺)の2パターンあるからだ。ただ鉄イオンと書いてしまうとどちらか分からなくなってしまうから、書いている。このように複数のイオン形態があるものに関して書くようなシステムになっている。(これがややこしい。)
と、言うことで、話を戻すが、硫酸鉄(Ⅱ)を加えて熱する、の熱するが必要な理由は、鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)から、鉄(Ⅲ)イオン(Fe³⁺)に変える必要があるからだ。
なんでそんな必要があるのかと思う人もいるだろう。というかそっちの方が大多数だと思う。
したい反応は何だったかをもう一度見てみよう。
ヘキサシアニド鉄(II)酸イオン([Fe(CN)₆]⁻⁴)と、鉄イオン(Ⅲ)(Fe³⁺)が反応してほしいのだろう?前者のヘキサシアニド鉄(II)酸イオン([Fe(CN)₆]⁻⁴)はもうすでに作れている。次に必要なのが鉄イオン(Ⅲ)(Fe³⁺)。
と、言うことで、存在する鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)を、鉄(Ⅲ)イオン(Fe³⁺)に変える必要があった。
さて、最後に、液性を酸性にする理由だが、これがややこしい。
とりあえず、皆さんが疑問に思うかもしれないことを先に解決しておこう。
液性を強塩基性にして、水素イオン(H⁺)が極端に少なく、水酸化物イオン(OH⁻)が極端に多い溶液状態の上で、(*Fe²⁺ + 6CN⁻ → [Fe(CN)₆]⁴⁻)この反応は起こるのか、ということだ。
つまり、鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)と水酸化物イオン(OH⁻)はなぜ反応せず、鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)とシアン化物イオン(CN⁻)が優先的に反応するのか、だ。
これは、より安定する結合を好む、というだけなのだ。
みんなもそうだろ?公務員が目指す将来像一位になったりするじゃないか。(最近はユーチューバーなんてものになっているんだったか?)
まあ、鉄(Ⅱ)イオン(Fe²⁺)は水酸化物イオン(OH⁻)より、シアン化物イオン(CN⁻)を好むという話。
では、最後の反応式を見てみよう。
ヘキサシアニド鉄(II)酸イオン([Fe(CN)₆]⁻⁴)と、鉄イオン(Ⅲ)(Fe³⁺)が反応するという反応に関して、化学反応式は、
( ([Fe(CN)₆]⁻⁴) + (Fe³⁺) → Fe₄ [Fe(CN)₆]₃)
となる。
ここで、反応の好みの話をもう一度する。
この反応下では、何も操作をしなかったら液性は強塩基性になっているはずだ。
では、存在するイオンは、ヘキサシアニド鉄(II)酸イオン([Fe(CN)₆]⁻⁴)と、鉄イオン(Ⅲ)(Fe³⁺)はもちろんとして、水酸化物イオン(OH⁻)が多く存在している。
この時、鉄イオン(Ⅲ)(Fe³⁺)が好むのは([Fe(CN)₆]⁻⁴)ではなく水酸化物イオン(OH⁻)なのだ。つまり、水酸化物イオン(OH⁻)が多く存在している場では、Fe₄ [Fe(CN)₆]₃にはならない。
なので、液性を強酸にして、化学平衡によって水酸化物イオン(OH⁻)を極端に少なくして([Fe(CN)₆]⁻⁴)と反応しやすくしている。という話。
さて、と、言うわけで、この程度にして、終いにしよう。
みんなもぜひ、やってみてね!(劇薬を扱うので先生の監督のもと行ってね♪)
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