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異世界がピンチらしいので元大学生理学部が救ってみる。~化学で世界を救うなんて?!~  作者: タルト


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No.10先生の言うことは聞きましょう。

こんにちは。タルトです。

この作品に出合っていただいて、そして読もうと考えてくださってありがとうございます。

いい作品に出合えたと思ってもらえるよう頑張って書いたつもりです。楽しんでいってください。

 さて、皆さんこんにちは。皆さんは目の前に絶対に聞いたことのある毒薬があったとしたら、どうしますか?

 というか、多分あるんですけど。えっと。どうしましょう?




 おさらいをしておくと、これまでの様々な実験から、白い物質はカリウムイオン(K⁺)を含む毒物なのではないか。ということが分かっている。しかし、これはあくまでまだ憶測にすぎない。

 というか、憶測であってくれ。この現実を僕は受け止めたくない。


 なぜそんなに現実逃避をしているか。それは目の前の物質がシアン化カリウムではないか、という考えに至ったからだ。え、聞いたことないって?では、より聞きなじみのある俗称で呼びましょう。シアン化カリウム、またの名を、青酸カリ。

  さて、皆さんこんにちは。皆さんは目の前に絶対に聞いたことのある毒薬があったとしたら、どうしますか?




 とりあえず、幸運なことが二点ある。一つ目は僕が蒸留するときは必ず外で行っていたという点。もう一つは僕が寝るときに窓を開ける習慣があるということだ。


 皆さんは知っていますか?青酸カリの特徴。

 一つ、常温常圧で白色の結晶で、水溶性を持つ。

 二つ、水に溶けると無色透明。

 三つ、最強クラスの毒物であること。

 四つ、空気中の水と二酸化炭素で分解し、シアン化水素ガスを出す。


 やばいのは四つ目の特徴。シアン化水素ガスも最強クラスの毒物であり、26度ほどで気体になってしまう。救われることはゆっくりと変化していくだけだから、窓を開ける、外で実験をするという条件なら、即死にはならないという点。

 つまり幸運だったってこと。

 というか本当に青酸カリだったらいくらでも死ねたぜ、普通に。米粒ほどでも、摂取したら100%逝きますからねえ。よかったー、pH測定で舐めなくて。普通にかの有名なミームのように「ペロッ。これは青酸カリ!」なんてしなくてよかったぜ。

 皆さんは実験をするときは必ず喚起をして行いましょう。これ先生との約束ね♪


 ただ、まだ青酸カリと決まったわけではない。というか、普通に違う物質であってほしいのだが。

 さて、またもや分岐ルートだ。一つは青酸カリであるという裏付けをするパターン。もう一つはそれ以外の物質だと考えて探すパターン。

 しかし、ここまでくればもうこれは青酸カリとして判断をしたほうが早い。違ったら結局分岐の片方に行くだけだ。関係ない。


 青酸カリかどうかを調べる方法は僕の知っている範囲だと一つしかない。それは紺青(こんじょう)法と言われるものだ。

 聞きなじみがない人がほとんどであろう。

 解説をしておこう。件の紺青法だが、これは青酸カリを判別する方法というよりは、シアン化カリウムの一部であるシアンを判別する方法だ。

 解説をしておく。まず、シアンが溶けている液体(ここでいう汚染水)に強塩基(アルカリ)性物質を加えて強塩基(アルカリ)性溶液にする。そのあと、硫酸鉄(Ⅱ)を加えて熱する。最後に強酸を加え、液性を酸性にする。そうすると液体が濃い紺青色に染まるというものだ。

 

 皆さんついてきてますかね?ええ、信じていますよ。


 この判別方法を使う。

 ここで、新たに課題が出る。それは、判別方法の材料である、強塩基(アルカリ)性の物質、硫酸鉄(Ⅱ)、強酸、――① が手元にないということだ。

 くどいようだが、もしかしたらこの世界自体に周期表のようなものはなく、上に挙げた物質なんてないし、この測定方法では上手くいかないなんて言う可能性もある。

 というか、そっちの方がおっきいだろうなあ……。

ちなみに、結果が出ないとまずいことになる。

 だって、そもそも青酸カリじゃない。青酸カリだけどこの方法では特定できない。用意した判別方法の材料が間違っていた。といったように、無限に疑うことが出来るからだ。

 まあ、そんなことを考えても仕方がない。無限の可能性に翻弄されるよりは、思いついた可能性に縋ったほうが楽なのだ。

 違ったなら……そうだな。神聖魔法を極めて魔王をグーパンでぶっ飛ばそう。

 異世界で信じれるものは己の腕だけ!なんてことはよくあるパターンだろう。


 ということで、目下の課題としては、①の収集だな。

 さて、明日からどうやって集めよう。

 とりあえずは眠いし、明日のことは、明日の自分に任せよう。

 おやすみ。




 ちなみに、青酸カリと思わしき物体は汚染された水に流してきました♪

 死にたくないからね♪

さて、初めてテンプレートではない後書きを書こうと思います。

2026/5/23日以降に読んだという人にはあまり関係ないですが……。

この話は上記日程より大幅に変えています。変えた点は、シアン化カリウムの検出方法です。以前までは、紺青法と、鉛白法という二つで検出しようとしておりました。しかし、実は鉛白法って大きな間違いなんですよね。シアン系統を検出できないんです。詳しいことは以下に書きますが、鉛白法で検出できるものは硫化水素なんですよね。

 と、言うことなので、鉛白法の欄を削除しています。嘘っぱちの化学を教えてしまって申し訳ないです。思えば高校化学で取り扱う反応なのに、シアン系統を判別できるわけないですね……。大反省です。

 では。また次回の作品で会いましょう。



鉛白法(酢酸鉛試験紙法)

酢酸鉛水溶液に硫化水素を触れさせると、黒色になる。

高校範囲では、酢酸鉛水溶液に硫化水素を通させると、黒色沈殿が生じる。という風に教わります。


反応式

(CH₃COO)₂Pb + H₂S → PbS↓ 2CH₃COOH

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