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鬼神王覚醒  作者: 森豆太郎
90/109

第90話 ◇本州脱出作戦◇ 01/23

◇本州脱出作戦◇ 01/23


 新しい朝が来た。


 執務室に転移して昨日、十三桜さんから貰った資料に改めて目を通した。


 第 9 師 団 長  陸将   兎山(とやま) 雄二(ゆうじ)

 ◎青森駐屯地司令 陸将補  鷹岩(たかいわ) 克也(かつや)

 弘前駐屯地司令  1等陸佐 矢外(やがい) 彰浩(あきひろ)

 秋田駐屯地司令  1等陸佐 五十嶋(いそじま) 正康(まさやす)

 岩手駐屯地司令  1等陸佐 徳島(とくしま) 建造(けんぞう)

 八戸駐屯地司令  1等陸佐 遠藤(えんどう) (しげる)


 第 6 師 団 長  陸将  馬頭(ばとう) 堅持(けんじ)

 神町駐屯地司令  陸将補 狩野(かのう) 謙二(けんじ)

 福島駐屯地司令  1等陸佐 湯山(ゆやま) 道三(どうさん)

 郡山駐屯地司令  2等陸佐 比留間(ひるま) 盛一(もりかず)

 霞目駐屯地司令  1等陸佐 山下(やました) 文太(ぶんた)

 仙台駐屯地司令  陸将補 小森(こもり) (みなみ)

 大和駐屯地    1等陸佐 松島(まつしま) (あきら)

 反町弾薬支処   1等陸佐 山岡(やまおか) 和宏(かずひろ)

 多賀城駐屯地司令 1等陸佐 藤井(ふじい) 輝幸(てるゆき)

 船岡駐屯地司令  陸将補 印田(いんでん) 義和(よしかず)


 第 1 師 団 長  陸将   大場(おおば) 秀秋(ひであき)

 ◎練馬駐屯地司令 陸将補  愛園(あいぞの) 一宏(かずひろ)

 大宮駐屯地司令  陸将補  山中(やまなか) 国治(くにはる)

 板妻駐屯地司令  1等陸佐 溝野(みぞの) 和輝(かずき)

 富士駐屯地司令  陸将   虻川(あぶかわ) 敏行(としゆき)

 朝霞駐屯地司令  陸将補  若木(わかぎ) (まこと)

 立川駐屯地司令  1等陸佐 鬼戸(きど) 佳寿(かず)

 北富士駐屯地司令 1等陸佐 駒込(こまごめ) 進太郎(しんたろう)


 第 12 旅 団 長  陸将補  坂上(さかうえ) 勇一(ゆういち)

 ◎相馬原駐屯地司令1等陸佐 神野(じんの) 浩伸(ひろのぶ)

 高田駐屯地司令  1等陸佐 比嘉(ひが) 勇人(ゆうと)

 松本駐屯地司令  1等陸佐 加賀美(かがみ) 直輝(なおき)

 明野駐屯地司令  陸将補  高井(たかい) (ひろし)

 新町駐屯地司令  1等陸佐 川田(かわた) 博之(ひろゆき)

 新発田駐屯地司令 1等陸佐 福田(ふくだ) 雄一(ゆういち)

 宇都宮駐屯地司令 1等陸佐 富士山(ふじやま) 友則(とものり)



 目を通したんだが、まったく頭に入ってこない。

 だって、駐屯地の内部の事なんてどうなっているのかまるで分からないし。と悩んでいたら、そうだ、”自衛隊の事は、自衛隊経験者に聞け。”という事で、殲滅軍の自衛隊経験者4名を集めて作戦会議をすることにした。


 塙田(はなわだ)さん、副官であり、護衛艦初雪副長退役

 鞍月(くらつき)さん、機動部隊長であり、陸上自衛隊機甲科

 新宿(にいじゅく)さん、教育担当であり陸自レンジャー教官

 市広(いちひろ)さん、陸上自衛隊野戦特化連隊


 「皆さんにお集まりいただいたのは、昨日、矢臼別演習場の十三桜陸将から頂いた情報について精査していただくためです。


 まずは、お手元の資料をご確認ください。


 見ていただくと分かる通り、関東方面迄の自衛隊基地と責任者のリストです。」


 「随分と少ないですね。」


 「そうなんですか。新宿さん。」


 「そうですね。自衛隊と言うか陸自の駐屯地ですが、半数以下ですね。」


 「昨日、十三桜陸将から連絡が付いたリストとして頂いたものですから、他の駐屯地などは絶望的なんでしょう。


 そこで頼まれたのは、生き残っている自衛隊隊員を助けて欲しいという依頼です。


 皆さんは、どう思われますか?」


 「どうも、こうも、ありません。助けましょう。」


 「賛成」


 「やりましょう。」


 「助けるしかありません。」


 「皆さんのご意見は分かりました。


 昨日、北海道の演習場から避難民を受け入れましたが、市民にも隊員の家族にも瘴気人間が居たため、避難所に入れない人や、避難所に来たのにそのまま戻る人などが居ました。


 十三桜さんにも説明して了承してもらっているのは、自衛隊の施設と隊員・市民を避難所に受け入れるのではなく、十三桜さんの矢臼別演習場に受け入れたいという事でした。


 「塙田さんどうぞ」


 「今は、それで十分でしょう。いつからやりますか?」


 「皆さんさえ良ければ、各師団長には、十三桜さんから根回しが済んでますので、今日から始めたいと思いますが、如何でしょう。」


 「そうしましょう。」


 「そこで、皆さんには、オブザーバーとして同行してもらいます。よろしいですか。」


 「「「「はい。」」」」


 「最初に、十三桜さんの矢臼別演習場に向かいますので、各自準備をして30分後の09:30に幹部会議室に集まってください。」


 「「「「了解。」」」」


 皆が準備に出て行ったので、コーヒーを飲みに食堂へ行く事にした。


 「おばちゃん。コーヒーお願い。」


 「おや、今朝はコーヒーだけでいいんかい。」


 「あまり食欲がないんだ。」


 「はい、コーヒー。」


 「ありがとう。」


 とお盆にコーヒーを乗せて席についてコーヒーを飲みながら一服し終わったので、お盆などを返却口に返しに行くとおばちゃんが、


 「早矢仕さん。食欲がなくても食べなきゃだめだよ。はい、これ。」


 と銀紙で包んだ温かい物を手渡してくれた。


 「これは?」


 「ホットサンドだよ。小腹が空いたら食べな。」


 「ありがとう。貰っておきます。時間なんで失礼します。」


 と貰ったホットサンドを【無限蔵】に収納して幹部会議室に戻った。


 「みんな準備が出来たようですね。それでは一旦、矢臼別演習場の十三桜さんの所に行きますから、皆で手を繋ぎましょう。」


 体の接触が確認できたので、矢臼別演習場に【鬼動】で転移した。


 やっぱり、1月の北海道は寒すぎる。皆が身震いしているので、さっさと十三桜さんが居る司令部の建物に入ることにした。


 「十三桜陸将に面会をお願いします。」


 と入口の隊員に告げると、建屋内で待つように案内された。


 建屋内は、暖房されているので、暖⇒寒⇒暖と目まぐるしく変わる温度に耳がキ・・ではなく、じんわり温かくなるのが、気になって思わず耳を触ってしまった。


 周りを見回すと、皆も同じように耳を触っていたので、思わず笑いそうになってしまった。


 「お待たせしました。ご案内します。」


 「コンコン、早矢刺さん他4名をご案内しました。」


 「どうぞー。」


 「お邪魔します。」


 「早矢仕さん。お待ちしてました。」


 「来るって言いましたっけ?」


 「言ってませんが、仲間の保護を決めてもらえたんですよね。ならば、私の所にいらっしゃると思っていました。」


 「そうですか。早速ですが、昨日いただいた資料の方々と面会してこちらに避難していただくことに決めました。大丈夫でしょうか?」


 「大方は、問題ありません。」


 「大方?と言うと。」


 「自分たちの担当区域を守るからここには来れないという者が居るので、困っています。」


 「具体的には?」


 「第1師団の大場陸将です。」


 「第1師団と言うと練馬駐屯地に居る方ですよね。それは、練馬駐屯地の総意という事なんですか?」


 「総意なら良いんですが、練馬駐屯地の狩野陸将補に聞くと師団長の独断で、隊員たちはこっちに来たいと言っているんですよ。」


 「それは困りましたね。そう言えば、自衛隊の総本山市ヶ谷の名前がありませんでしたが、どうなってます?」


 「市ヶ谷があれば、指示を仰げるので良かったんですが、あそことは全く連絡が取れません。誰かが生き残っているとは思うんですが、如何せん連絡が取れないので、状況が全く見えなくなってしまったので、今は各師団ごとに独自行動中です。」


 「それじゃ、第1師団は手間取りそうですね。」


 「そうなりますね。」


 「わかりました。北の方から順番に回っていきましょう。十三桜さんもご一緒してもらえますか?」


 「私がですか?。分かりました。お供しましょう。それで、この方たちは?」


 「紹介が遅れて申し訳ありません。彼らは、私の魑魅魍魎殲滅軍に参加してもらっている自衛隊経験者と隊員たちです。


 「塙田さん、私の副官であり、護衛艦初雪副長で退役された方です。」

 「はなわだです。」


 「次が、鞍月さん、機動部隊長をお願いしている陸上自衛隊機甲科出身です。」

 「くらつきです。よろしくお願いします。」


 「次が、新宿さん、教育担当をお願いしている陸自レンジャー教官だった方です。」

 「初めまして。にいじゅくです。よろしくお願いします。」


 「最後が、市広さん、特化部隊長をお願いしてます。陸上自衛隊特化連隊の方です。」

 「いちひろです。ご無沙汰してます。以前第2特科連隊に居ました。」


 「市広さんか、覚えているよ。こんなところで再会するとはな。皆さんもよろしくお願いします。」


 「それでは、第9師団から始めましょうか。十三桜さんお願いします。担当は、市広さんですが、塙田さん、鞍月さん、新宿さんも見学という事で一緒に行きましょう。」


 「「「「「了解」」」」」」


 「人数も増えたので[転移ゲート]を作りますね。」


 昨日、[ハウス]に帰った後で貰った資料を見ていたら、現地に行ったことが無いところがほとんどだったので、空から下見に行ったのだが、通過した市街地などは、破壊され老若男女の死体が、そこいら中に転がっている惨憺たる状況の中、リストの駐屯地の場所を覚えて[転移ゲート]をつなげられるように準備したのだ。


 「この先が青森駐屯地前の空き地につなげてあります。偵察してくるんで待っていてください。」


 青森駐屯地ゲート前の空き地に出ると【瘴気感知】で周辺を確認すると、居ました安定の悪魔犬(ヘルハウンド)が駐屯地前のバス停だったところにね。

 当然ながら、大包平を引き抜いて首を飛ばしてから、[転移ゲート]で戻ってきた。


 「[転移ゲート]をつないだ先に悪魔犬が居ましたが、殺してきましたので、安全です。行きましょう。」


 と6人で[転移ゲート]を潜って青森駐屯地にやってきました。


 駐屯地ゲートは、96式装輪装甲車を3台並べて出入りできないように封鎖されていましたが、ここで十三桜さんの出番です。


 「陸上自衛隊 第2師団長 十三桜です。第9師団長の兎山陸将に面会したい。」


 と毅然とした態度で、封鎖している96式装輪装甲車に向かって声を上げると、上部ハッチが空いて隊員が顔を出した。


 「上から失礼します。そこに居ては危険なので、後部ハッチから車内にお入りください。」


 「そうさせてもらおう。」


 と6人で横の通用口を潜って敷地内に入り、車両後部に向かうとハッチが開き車内に迎え入れられると、無線でどこかとやり取りしていた。


 「ハイ、ハイ、ハイ、ですが、了解。おくれ。」


 「兎山師団長から十三桜陸将に代わるよう指示されました。お願いいたします。」


 「こちら第2師団長 十三桜です。おくれ。」


 「本当に十三桜さんか? おくれ。」


 「そうだ。おくれ。」


 「本当みたいだな。どうやってここまで来れたんだ?。おくれ。」


 「そんなことより、昨日話した避難の件だが、話がしたい。関係者もつれてきている。おくれ。」


 「関係者?何者だ?おくれ。」


 「何者だ?そうだな自衛隊関係者とでも言うんだろうか。おくれ。」


 「やけに、ふわっとした言い回しですね。とりあえず遠路はるばる来ていただいたのだから、お会いしましょう。迎えを出しますので、しばらくそのままで、お待ちください。おくれ。」


 「了解した。おわり。」


 暫く待つと96式装輪装甲車が1台やって来たので、方向転換が終わったのを見届けて、後部ハッチから出ようとしたら、向こうの後部ハッチから誰かが出てきた。


 「十三桜さん。本当に来たんだな。」


 誰だ?と思っていると


 「師団長御自らお出迎えとは、痛みいる。」


 さっき話していた兎山とか言う師団長だ!


 「そちらが、自衛隊関係者と言う方たちか?ここは危険だからさっさと移動しよう。」


 「そんなに慌てなくても大丈夫です。今の所この辺は大丈夫です。」


 「どなたですかな?」


 「申し遅れました。早矢仕と申します。ごくごく普通の一般人です。」


 と言ったら5人から白い目で見られたのは、なぜ?


 「一般人の方が、同行とはどういう事かな、ここに避難したいという事ですか?」


 「兎山さん。違うのだよ。今のは早矢仕さんのジョークだ。決して普通の人ではないから。」


 「それより。大丈夫と言うのはどういう意味ですか?」


 「見えるんです。私。」


 「何が?見えるんですか。」


 「皆さんを困らせている見えない敵が見えるんです。」


 「なんだってぇ~!!」


 と言うのは、正面ゲートを封鎖している96式装輪装甲車の中から聞こえてきました。


 「物は試しなんで、この眼鏡を掛けて基地前にあるバス停の所を見てください。」


 と【無限蔵】から[感知眼鏡]を兎山師団長と隊員たちに手渡すと、96式装輪装甲車間の隙間や車体を乗り越えて、左側のバス停を見に行くと


 「なんだ!あの黒いものは。」


 「それは、一番弱い悪魔犬という主に偵察要員の魑魅魍魎です。普通の人には見えませんし、普通の武器では倒すことも出来ません。」


 「という事は、もっと強い奴も居るんですか?」


 「居ますよ。とは言ってもいつまでも暢気(のんき)に話してはいられませんから、戻りましょう。」


 皆で、正門封鎖ゲートの内側に戻って来た。


 「とりあえず、正面ゲートに居る隊員さんが持っている弾薬に奴らを殺せる付与をします。良いですか兎山さん。」


 「本当にそんなことが出来るなら是非ともお願いしたい。」


 「かしこまりました。それでは、」


 と言って隊員6人が持っている拳銃内の弾と予備の弾丸、20式5.56mm小銃内の弾丸と予備の弾丸、そして12.7mmM2重機関銃のベルト給弾式の弾丸へと【属性付与】をしていると。


 「うわぁぁぁぁぁぁぁ。何だあれは。」


 振り向くと三つ首の冥界犬(ケルベロス)が2頭と悪魔犬(ヘルハウンド)が10頭、正面からのっそりとこちらに向かってくるところだった。

隊員は、先ほど渡した[感知眼鏡]を掛けていたので、発見できたのだろう。眼鏡を上げ下げして確認しているところだった。


 「皆さん、慌てずゆっくりと狙いを定めて一斉射撃をお願いします。」


 と声をかけると6人が慌ててM2重機関銃のコッキングレバーを引いたり小銃の発射準備を終えて発射の合図を待っている。

 10m目前というタイミングで、固まっている兎山さんの尻を叩くと


 「発射!!」


 の掛け声を発した途端に凄まじい銃声が鳴り響いた。


 結果は、12匹が当然ミンチになりましたよ。


 その結果を見た兎山さんからは、


 「これで、隊員も市民も守ることが出来るぞ。」


 と勇ましい言葉が聞けたのであった。

この小説を見つけ出して読んでいただけた皆様、ありがとうございます。

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挿絵(By みてみん)

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