第89話 ◇避難所受入開始(2)◇ 01/22
2021/11/29 避難先の演習場を分けていましたが、統一しましたので一部修正しました。
◇避難所受入開始(2)◇ 01/22
そう言えば、例の小淵議員だが、周囲の迷惑になる大荷物を抱えて周りの人間をかき分けて、やってきと思ったら、
「さっさと私を安全な避難所とやらに連れて行きなさい。そうすれば、これまでの無礼は忘れてあげても良くてよ。」
と宣わったので、十三桜さんの方を見ると
「申し訳ない。避難が終わるまでは隔離しておこうとしたんだが、支援者とかいう連中が騒ぎ始めてしまったので、やむなく開放したんだが、静かにはしてくれなかったようだ。」
小淵議員の後ろには、女の子が乗ったベビーカーと大荷物を抱えた男が、済まなそうな顔をしていたので、同じ手を使うことにした。
「そういう事なら致し方ありませんね。今回で懲りてもらいましょう。
これは、これは、大きな荷物を抱えて大変だったでしょう。他人に悪意を持たない善良な人間ならば、このまま進めば避難所に到着しますよ。
但し、他人に悪意を持っていた場合は、そのまま道路の上を進むことになります。
さあ、どうぞーーーー。」
当然だが、この家族は、男とベビーカーの女の子だけしか[転移ゲート]を使うことが出来なかったので、煩い女だけが残ったので、山王さんの出番だ。
「お待たせしました。この人の様に他人に悪意を持った人は、同じように道路を歩くだけなんで、時間の無駄で他人の迷惑です。悪あがきで並ばないでください。」
そう言うと、並んでいた列から蜘蛛の子を散らすように瘴気人間たちが、外れて行ったので、多少は流れがスムーズになって、次々に[転移ゲート]で札幌避難所に向けて消えて行った。
当然だが、良い見本を見せたにも拘らず、しぶとくて懲りない瘴気人間は、残っているもので、[転移ゲート]を通り過ぎることしか出来ない連中は、山王さんたちにさっさと排除してもらった。
一般人が終わると迷彩服を着た自衛隊員とその家族たちの番だが、東千歳演習場の再現かと言うくらい家族だけが転移して自分が残ったり、隊員は転移したのに家族が残ってしまったりしたが、こちらは整然と整列して次々と転移して行った。
戻りのゲートから少しずつ戻ってくる人は居るが、ベビーカーを押した男性は帰ってこなかったことをここに記す。
「それから、海自と空自の状況とかわかりますか?」
「北海道の大湊地方隊は、船に住民を乗せて、利尻、奥尻、礼文の島へ避難しましたから、無事でしょう。空自に関しては、小型機やヘリなどは利尻、奥尻、礼文の空港などに避難したようですが、何分滑走路が短いので、下地島空港をメインに八丈島、対馬空港、壱岐空港などの島で滑走路が長い空港に移動したようです。
ここの状況も偵察に来るヘリに説明してあるので、物資の補給も受けられるようになりました。最初に来たときは、本当に驚いていたので、思わず笑ってしまいましたよ。」
「そうですか、本州の陸自の状況はどうなんですか?」
「本州の陸自は、本当に酷い状況です。ごくごく一部が建物などに立てこもる形で抵抗していますが、長くは保たないでしょう。」
「その方たちと連絡はつきますか?」
「連絡は出来ると思いますが、助けていただけるのですか?」
「ここと違い、事態も切迫しているようですからいきなり避難所に迎えるという事は出来ませんが、こちらにお連れすることは可能です。」
「本当ですか!!助かります。すぐに連絡を付けてみます。」
と十三桜さんが、本部に走っていってしまった。
このまま待っていないと駄目だよな?帰ったら怒られるよな。仕方がない。十三桜さんが戻ってくるまで、このまま待つことが決定しました。
30分ほど待っていると十三桜さんが、手に紙束を持って戻って来ました。
「お待たせしました。今、確認できた東部方面隊の情報です。」
と紙束を渡された。
「こちらに書かれている方と面会するには、どうしたら良いですか?特に差し迫って危険な拠点はありますか?」
「連絡は回しておきますので、第二師団の十三桜の紹介と言って貰えば、話が通るようにしておきます。師団長・旅団長は、◎印のついた駐屯地に居るはずなので、最初はその駐屯地を訪ねるのが良いでしょう。喫緊に潰れるような拠点はないと思いますので、どうかよろしくお願いします。」
「いただいたリストは、持ち帰って検討させていただきます。決して悪い様には致しませんからご安心ください。それでは、今日の所は失礼します。」
札幌避難所に寄って久久能さんに挨拶してから鹿島基地に帰って来た。
他のメンバーですか。[転移カード]を渡してありますから現地解散です。
執務室に座ってリストを確認した。
第 9 師 団 長 陸将 兎山 雄二
◎青森駐屯地司令 陸将補 鷹岩 克也
弘前駐屯地司令 1等陸佐 矢外 彰浩
秋田駐屯地司令 1等陸佐 五十嶋 正康
岩手駐屯地司令 1等陸佐 徳島 建造
八戸駐屯地司令 1等陸佐 遠藤 茂
第 6 師 団 長 陸将 馬頭 堅持
神町駐屯地司令 陸将補 狩野 謙二
福島駐屯地司令 1等陸佐 湯山 道三
郡山駐屯地司令 2等陸佐 比留間 盛一
霞目駐屯地司令 1等陸佐 山下 文太
仙台駐屯地司令 陸将補 小森 南
大和駐屯地 1等陸佐 松島 章
反町弾薬支処 1等陸佐 山岡 和宏
多賀城駐屯地司令 1等陸佐 藤井 輝幸
船岡駐屯地司令 陸将補 印田 義和
第 1 師 団 長 陸将 大場 秀秋
◎練馬駐屯地司令 陸将補 愛園 一宏
大宮駐屯地司令 陸将補 山中 国治
板妻駐屯地司令 1等陸佐 溝野 和輝
富士駐屯地司令 陸将 虻川 敏行
朝霞駐屯地司令 陸将補 若木 真
立川駐屯地司令 1等陸佐 鬼戸 佳寿
北富士駐屯地司令 1等陸佐 駒込 進太郎
第 12 旅 団 長 陸将補 坂上 勇一
◎相馬原駐屯地司令1等陸佐 神野 浩伸
高田駐屯地司令 1等陸佐 比嘉 勇人
松本駐屯地司令 1等陸佐 加賀美 直輝
明野駐屯地司令 陸将補 高井 弘
新町駐屯地司令 1等陸佐 川田 博之
新発田駐屯地司令 1等陸佐 福田 雄一
宇都宮駐屯地司令 1等陸佐 富士山 友則
まずは、今日受入れた人たちが、落ち着いてからと割り切って家に帰ることにした。
避難所に帰ってきて思う事は、地上と違って暖かいので、【瞬間移動】でいきなり戻ってくると地上との寒暖差で耳が、キーンではなくじんわりしてきて、かゆみが出てくるのにもそろそろ慣れてきた。
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