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鬼神王覚醒  作者: 森豆太郎
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第59話 ◇誰のせいでもないはずなのに◇ 01/04

◇誰のせいでもないはずなのに◇ 01/04


 熱田避難所の|22W60S1《住宅エリア22の西60南1》にある集会場まで【鬼動】で移動したら熱田避難所を管理している月読(ツクヨミ)さんと北狐(ホクコ)さんが、集会所で打ち合わせをしている最中だったので、用件を説明した。


 「今日は、二人に避難所住民情報の整備と家族探し窓口を、この集会場の一部を使って、開設しよういう説明と、俺の事務官としてこれから働くことになったエルフの緑川 瑠璃子さんと顔合わせしてもらうために回ってるんだ。」


 「それは良かったです。今まさに避難民から家族や親類を探して欲しいという要望が出ているので、家族を探すサービスが必要だと提案する準備の話し合いをしているところでした。」


 「そうだったんだ。丁度良かったね。北狐さんにもお手数おかけすることになるけどよろしくお願いしますね。

 彼女が二人に紹介したかった緑川さんです。こちらが月読さんで、こちらが北狐さんです。よろしくお願いします。」


 「緑川 瑠璃子(みどりかわ るりこ)と申します。これから事務官として精いっぱい頑張りますので、これからよろしくお願いします。」


 「「よろしくお願いします。」」


 「それじゃ、次は伊勢の避難所に行くけど、先に連絡だけ入れとくね。」


 (天翔さん、西狐さん。早矢仕です。今年もよろしくお願いします。

 早速なんですけど、少し打ち合わせと顔合わせをしたい人が居るんで、|22W60S1《住宅エリア22の西60南1》の集会場に集まってもらって良いですか。)


 (天翔です。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。これから二人で集会場に向かいます。)


 (迦具津さん、狐嶋さん。早矢仕です。今年もよろしくお願いします。

 早速なんですけど、少し打ち合わせと顔合わせをしたい人が居るんで、30分後くらいに|22W60S1《住宅エリア22の西60南1》の集会場に集まってもらって良いですか。)


 (狐嶋です。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。迦具津さんを探して向かいます。)


 (久久能さん、南狐さん。早矢仕です。今年もよろしくお願いします。

 早速なんですけど、少し打ち合わせと顔合わせをしたい人が居るんで、1時間後くらいに|22W60S1《住宅エリア22の西60南1》の集会場に集まってもらって良いですか。)


 (久久能です。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。南狐さん。1時間あれば金狐さんの所から戻ってこれますよね。集会場で待っているので帰ってきてください。)


 と皆から返事が来たので、早速、伊勢避難所へ向かうことにした。


 「それじゃ、緑川さん伊勢避難所に行くんで、手をどうぞ。」


 と言って手を繋いで、伊勢避難所の集会場に【鬼動】で移動すると、天翔さん、西狐さんが迎え入れてくれた。


 「早矢仕さん。新年早々の打ち合わせって何ですか?こちらの方が顔合わせすると言っていた方ですか?」


 「天翔さん。何もそんな急いで話を進めなくてもお茶くらい飲んで、ゆっくりとお話ししましょうよ。」


 「お二人には、お時間を取ってもらってありがとう。先に緑川さんを紹介しておきます。

 こちらが今後、俺の事務官として働くことになったエルフの緑川 瑠璃子さんです。こちらが、天翔 大姫(テンショウ オオヒメ)さんで、こちらが、西狐 白(さいこ はく)さんです。」


 「緑川 瑠璃子です。これから事務官として精いっぱい頑張りますので、よろしくお願いします。」


 「分からないことがあったら、何でも聞いてくださいね。天翔です。よろしくお願いします。」


 「西狐です。よろしくね。」


 「ありがとうございます。」


 「それでは、打ち合わせの方なんだけど、二人には避難所住民情報の整備と家族探し窓口を、この集会場の一部を使って、開設しして貰いたいということなんだよね。原宿も熱田も了解してもらってる。」


 「家族探し窓口と言うのは、具体的にどうするつもりなんですか?」


 流石、天翔さんだ。


 「今、考えているのは、各避難所にいる避難民の家族情報や親族情報、忌避情報などをデータベースに登録して、家族探しの希望がある人には、それを検索して、忌避情報に登録されていなければ、紹介する。現状だとスタンドアローンで情報管理するしかないんだけど、将来的には全避難所を繋いだ、ネットワークを構築して、全避難所にいる避難民情報を縦断的に検索できるようにしたいと思っているんだ。」


 「なるほどですね。自分のことを知られたくない人が居る場合は、その人を忌避情報に登録することで、守る訳ですか。」


 「早矢仕さんは、それでインフラ整備の人を募集掛けていたんですか。」


 「西狐さん。別段、そういう考えがあったから募集していたわけじゃないんですよ。偶々(たまたま)一致しただけです。」


 「そうなんですか。早矢仕さんは、先見の明があると思っていたんで、意外です。」


 「俺には、先見の明なんかありません。そんなものがあったら博子は・・・・」


 「博子さんが、どうかしたんですか?」


 「実は、”大災厄”の有った日に宝塚の実家に帰っていて、そのあと六甲アイランドにあった会社に移動していて、そこで奴らに殺されました。」


 「えっ!!そんなぁ博子さんが、亡くなっていたなんて、一昨日来た時に見つけたご家族は、知ってるんですか?」


 「まだ、知りません。これから報告しに行く予定です。」


 「そうですか。そういう事なら窓口の件はこちらで準備しておくので、報告を済ませてきたらどうですか。」


 「この後、霧島避難所と札幌避難所に行かないといけないんで、そちらを終わらせてから改めて報告に伺う予定です。」


 「わかりました。博子さんのことは、心からお悔やみ申し上げます。それでは迦具津さんのところと久久能さんの所の用事を早く済ませて戻ってきてください。」


 「それでは、お言葉に甘えて失礼します。緑川さん霧島避難所に向かいますよ。」


 思い出したら、涙があふれてきていた。

 そんな俺を見て緑川さんが、ハンカチを差し出してくれたので、涙を拭ってから二人で手を繋いで霧島避難所の集会場に【鬼動】で移動した。

 目的の集会場には、誰も来ていなかった。


 「早矢仕さん。大丈夫ですか?

 私も”大災厄”で両親や仲間を亡くしたので、早矢仕さんの気持ちが良くわかります。

 今の話を聞いて、私も奴らを殲滅するという気持ちを新たにしました。

 絶対に彼女さんの恨みを晴らしましょう。」


 「ありがとう。ハンカチは、洗って帰すからこのまま借りとくね。

 助かったよ。」


 そんな話をしていると迦具津さんと狐嶋さんが、やって来たので、今までと同じ流れで説明した。


 話が無事に終わったので、札幌避難所の集会場に【鬼動】で移動した。

 集会場には、久久能さんと南狐さんが、待っていてくれたので、他の避難所と同じように説明して了解が得られた。


 これで、午前中に予定していた用件が終わったので、緑川さんを鹿島基地の秘書官室に送り届けたので、博子の家族に報告しに行くことにした。


 伊勢避難所で簗木家が暮らしている家|9E35N23R2《住宅エリア9の東35北23のルーム2》に【瞬間移動】して、ドアをノックするとお母さんが、出てきた。


 「早矢仕さん。何か娘のことが分かりましたか?

 ごめんなさい。気がせいてしまって、お上がりください。

 お父さん。早矢仕さんが見えましたよ。」


 「お邪魔します。」


 「今、お茶入れますから。」


 「お構いなく。まずは博子さんのことをご報告させてください。」


 「お願いします。」


 「宝塚のご実家を出た博子さんは、一晩どこかで過ごされた後の翌日に会社の関西事業所を訪ねて、所長をしている私の先輩に避難するよう説明したのですが、所内に居た人は、避難せずに通常業務をこなしていたようです。

 博子さんは、魑魅魍魎を見ることが出来たので、職員が表で作業していた時に奴らが、襲い掛かろうとしているところを見つけて、必死に建屋内に戻るよう話していたのですが、職員には何も見えないので、そのまま作業を続けていたため、奴らに襲い掛かられて命を落とされました。」


 話している最中に、結末まで、理解できたのか、3人とも涙を流していた。


 「博子さんのご遺体は、私がお預かりしていますが、このまま私が荼毘に付して供養させていただけないでしょうか。」


 「娘の供養は、私たち家族が行うので、返してくれないだろうか。」


 「わかりました。ご遺体はどちらに安置しますか?」


 「どういうことだね。」


 「私がお預かりしているので、今すぐお返しすることが出来ます。」


 「母さん、博子の為に布団を引いてやってくれ。」


 「わかりました。」


 用意された布団の上に【無限蔵】から博子の亡骸を取り出して寝かせて上げた。


 「こんなご時世ですからドライアイスもありませんから、このままだと彼女の亡骸が痛んでいくだけです。

 私も別れがつらいですが、今晩にも荼毘に付してあげませんか?

 お許しいただけるなら、私にも分骨していただけないでしょうか。」


 「お前は、何でそんなに冷静に話が出来るんだ!! 私たち家族の悲しみが分からないのか!!」


 「そう思われたなら申し訳ございません。

 私は、今回の”大災厄”のために様々な決断をして、少なくない人たちを見殺しにしてきました。

 正直に言わせていただくと、あの日から博子さんと一切、連絡が取れなくない状況になってから、ダメなんだろうと思いながら、ずっと生きていて欲しいと願い続けてきたんです。

 はっきり言わせていただきます。私は博子さんを愛していましたし、ご家族にも避難していただくよう博子さんが、説得しに行ったはずです。それを無視していたのは、あなた方だ。

 あの日だって、博子の言葉に従って素直に避難していれば、こんな事にはならなかったはずです。そんなあなたに、言われたくない。」


 言ってしまった。ついつい心が叫んでしまった。


 「言い過ぎました。申し訳ありませんでした。

 今は帰らせていただきます。今晩また伺いますので、それまでにご家族で、今後について話し合ってください。」


 と言うと執務室に【瞬間移動】で帰って来た。

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