第57話 ◇最悪の結末◇ 01/03
ブックマークと★で応援をお願いいたします。
◇最悪の結末◇ 01/03
「白井さん。これって」
「彼女はな、大地震の翌日12/25の午後に突然、俺のところにやってきて、命が危険だから避難指示の声が聞こえた人は、すぐに避難するよう指示して欲しいと言って来たんだが、誰も避難しようというやつが居なくてな。
17時頃に隣で寝ている二人が、表で開梱作業していたところに走って行って、”危険だから建物の中に入って”と避難を呼びかけたんだが、そのまま作業していたら、突然、3人が持ち上げられたり振り回され始めて地面に叩きつけられてしまって、残念だが助からなかった。」
「そんなぁぁっぁ!!」
「本当に済まない。こんなことになると分かっていたら、建物の中に避難させていたんだが、遅かった。
お前の気持ちは痛いほど分かるんだが、教えてくれ。
一体何が起こっているんだ。簗木さんは何で、命の危険があると教えてくれれようとしたんだ。」
「すみません。今はそんな気になれないので、少し周りを散歩してきますんで、一回表に行かせてもらえますか。」
「表って危険なんだろう。お前まで死んだら簗木さんも悲しむぞ。」
「俺は大丈夫です。奴らも見えるし倒すための武器も持っていますから。
今は一人になって、暴れたい気分なんで、行かせてください。」
「わ、わかった。戻ったらインターホンで呼んでくれ。」
俺は表に出ると【無限蔵】からH&K USP9の入ったホルスターを取り出すと腰に下げて、左手に大包平を持って、【瘴気感知】で周囲を探って、引っ掛かった悪魔犬、冥界犬、小悪魔|、アラクネ、オークなど片っ端から大包平で切裂いて、UPS9で穴だらけにして、【閉鎖型紅炎】で燃やしつくして島内の魑魅魍魎を殲滅しつくして、小一時間で白井さんの所に戻った。
「白井さん。俺です。戻りました。」
「入れ、入れ。で、落ち着いたか?」
「島内に居た奴らを八つ当たりがてら殲滅しましたが、全然ダメです。
なので、暫くは島内であれば、安全になりましたが、根本的に地上は危険なままなので、避難所に逃げた方が良いです。
博子の願いでもあったと思うので、避難所に避難してください。
ここの島には、どのくらいの人が残っていそうですか?」
「そうだな、早いうちに連絡橋を2本とも落としちゃったから、かなりの人が残っていると思う。」
「その中で、善良な人だけでも避難させたいんですけど、どこか大人数で集まりやすい場所とかありますか?」
「アイランドセンター駅のそばに西公園なら、大人数でも集まれると思うぞ。」
「何か目印になる物はありませんか?」
「あそこは、遊具広場にある滑り台が変わっているから目印になると思う。」
「ありがとうございます。」
(六甲アイランドに居る善良な方たちにお知らせします。
現時点で島内で人に危害を加えていた目に見えなかった存在は、殲滅しました。
臨時に避難所へ逃げ込むための入口をアイランドセンター駅そばの西公園にある滑り台に設定しますので、この声が聞こえている人で、避難所への避難を希望する方は、17時までに集合してください。
これは、善良で避難所に逃げ込みたい人に向けたメッセージですから、避難したくない人は無視していただいて問題ありません。また、この声が聞こえない方は、残念ですが避難所に入ることが出来ませんので、頑丈な建物に避難してください。)
メッセージを【思念伝達】で送ったので、さっさと移動しよう。
と、横を見ると白井さんが、固まっていた。
「白井さん。白井さんは避難しますか?避難するなら時間も無いんで早く行きましょ。」
「お、おう。頭に聞こえたメッセージは、早矢仕がやっていたのか?そうするとクリスマスイブに聞こえた声も早矢仕だったのかぁー。」
「そうと分かっていれば、さっさと非難したのに、失敗したぁー。
重ね重ね申し訳なかった。無視していた俺達でも避難はさせてもらえるのだろうか。」
「当然じゃないですか。博子が守ろうとした人たちなんですから、避難所に来るのは大歓迎ですから、早く行きましょ。」
試験所に残っていた職員と一緒に西公園に向かうと周りの建物からぞろぞろと人が出てきて同じ方向に向かって歩いていくのが見えた。
滑り台まで到着するとその周りには、少しずつ人が集まり始めていたので、【土石変成】で丁度、良い高さに所に箱を作って伊勢避難所に行くための[転移石]を大量に放り込んで、準備は完了だ。
「集まった皆さん。これから皆さんには、伊勢避難所という所に避難してもらいます。
手順を説明するので、先方についたら案内と書かれた腕章をしたものの指示に従ってください。
皆さんがこれから暮らす家に案内されます。
それでは、先輩からお願いします。
この石を持って”伊勢”と強く念じてください。」
「わ、わかったやってみよう。”いせ”」
先輩は居なくなった。
「皆さんも同じようにしてください。
手順は、ここにある石を持って”伊勢”と念じると伊勢避難所に到着しますから、出たら係員の指示に従ってください。
それでは、慌てずに順番にどうぞ。」
次々と人が消えていくのだが、例によって現れるのが瘴気持ちだ。
「はーい、どいて、どいて。県会議員のカモコ議員のご家族が通ります。」
と秘書らしき奴を先頭に人をかき分けて瘴気まみれの家族がやって来た。
「おい、お前、先生のご家族をお先に避難させるんだ。」
はぁー、本当にこういう奴らは反吐が出るんで、恥をかかせることにしている。
「これはこれは、議員様のご家族様ですか。それではこの石を持って”伊勢”と念じてくださいね。どうぞ」
と生意気そうなクソガキと大人3人に[転移石]を渡して、奴らを避けて前に行き、除けられた人たちに[転移石]を配って同じように使い方を説明して次々と転移していく人たちを見送っていると後ろから
「おい!!おまえ、全然ウンとも、スンともならないじゃないか!!一体どうなってるんだ!!」
と大変なお怒りようで、食って掛かって来たので、周りの人にも聞こえるように大きな声で
「おかしいですね~?善良な人ならそれで転移するはずなんですけどー・・・!?
あっ!! あなた方の心が汚いから転移しないんですかね。
言い忘れましたが、あなた達ってメッセージ聞こえてないのに、周りの人の様子を伺って何かあると思って集まって来たんでしょ。
ごめんなさいね、避難所に入れる人は心が綺麗な人じゃないと入れないんで、あなた方は地上で頑張って威張っててくださーい。
これぞ、因果応報というんでしょうね。ワハッハァー。」
と言ってやったらこれでもかって言うくらい顔を真っ赤にして
「ふざけるな。俺は煮貝議員と親しくしているんだぞ。お前なんか簡単に消せるんだ。覚えていろ。」
と言って手に持っていた[転移石]を足で踏みつけてから、元来た方向に帰って行ったのを見届けた周りの人たちから拍手が巻き起こった。
「皆さーん。お邪魔虫も居なくなりましたから、順序良く伊勢の避難所に移動してくださーい。」
博子は、最後まで人に優しかったから、これで少しは安心してくれるだろう。
真っ先にここに来ていれば、月鬼神の蘇生丸で復活できたかもしれないのに、肉体しか残っていない状態で復活させても屍人となって人を襲うだけだから諦めるしかなかったので、試験所を出るときに博子の遺体を【無限蔵】に回収して今は一緒に居る。
最後の一人が[転移石]で避難所に転移したのを見届けたので、俺も[ハウス]に帰ろう。
疲れた。
この小説を見つけ出して読んでいただけた皆様に感謝しております。
ブックマーク登録や★で応援をお待ちしております。
ご意見、ご感想や誤字報告等もよろしくお願いいたします。




