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鬼神王覚醒  作者: 森豆太郎
54/109

第54話 ◇久々の再会◇ 01/02

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◇久々の再会◇ 01/02


 今朝も念話、メールの開封通知も何も反応が返ってこない。

 今日と明日は、正月休みとして予定は入れていないので、博子の足跡を探してみることにした。


 最初は、博子のアパートを訪ねてみたが、入口の門扉も壊れて階段も崩れてい昇れなくなっていたので、【念動力】で玄関まで上がってチャイムを押してみたが鳴らなくなっていた。ドアを叩いてみたが誰も居る気配がない。

 申し訳ないが、室内に【瞬間移動】してみたが、家具などはそのままで、中には誰も居なかった。

 ドアポストには、”連絡ください。潤”と書いたメモが残っていた。


 周りを見渡してみても、周辺の家は壊れていて人の気配もしなくなっている。


 携帯から博子の携帯や会社に掛けてみるのだが、電話網は使えなくなってしまったようで、全く反応しなくなっている。

 これでは、メールの確認もできないだろう。


 仕方が無いので、兵庫の実家に【瞬間移動】した。

 以前に実家の跡地に立てたメッセージが、壊されて倒れていたので、もう一度、杭に”避難所で待つ”とメッセージを書いた板を残して、八幡神社に行ってみることにした。


 流石は、金狐達の拠点だ。強固な【神域結界】があり、神社の中は無傷で避難している人も確認できたので、博子を探し回ったが、ここには居ないようだ。

 探している最中に、職場の後輩だった上原君にばったりと再会したので、話を聞くと仕事中に”大災厄”が発生して俺のメッセージを聞いて、職場の非常食を持って、ここまで避難してきたが、王子で働いていた彼女が、ここまで来ると言うので、待っていたら、年を超えてしまったという。ことだった。

 王子からここまで来る間に彼女だけ避難所に避難したかもしれないので、存在確認だけしてやることにした。


 「彼女の名前は、なんて言うんだ?」


 「なんですか、先輩。いきなり彼女の名前なんか聞いて。」


 「大きな声では言えないが、避難所のお偉いさんに伝手があるんで、彼女が避難できたか確認できると思うんで、聞いたんだよ。」


 「そ、そうなんですか。彼女の名前は、斎藤寿美子(さいとうすみこ)です。歳は22歳で実家の動物病院で事務をしてました。早くそのお偉いさんに聞いてみてください。お願いします。」


 スマホを掛けるふりをしながら【念話】で、


 (武さん。今、大丈夫ですか?)


 (早矢仕さんじゃないですか。大丈夫ですよ。)


 (明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。)


 (あけおめ。ことよろー。で、正月早々に面倒事ですか?)


 (悪いんだけどさ、原宿の避難所に名前が、さいとうすみこで、歳は22歳。仕事は実家の動物病院で事務をしていた人って居るか確認して欲しいんだ。)


 (そんなことなら、データ見てみるからちょっと待ってね。えーっと、居た居た。確かに居ましたよ。”大災厄”の時に家族3人で、王子のお稲荷さんの出入口から避難してきて、5W60N1R1で)動物病院開く準備してますよ。)


 (武さん。ありがとう助かったよ。)


 「上原。彼女さんだけどイブの日に家族に連れられて避難所に入っていたよ。今の住所は、原宿避難所の5W60N1R1《住宅エリア5の西60北1ルーム1》で、動物病院を開く準備をしているそうだから、さっさと避難所に行って係員という腕章をした奴に今言った住所を伝えて、家を教えてもらえ。お幸せに。」


 「早矢仕さん、本当にありがとうございます。ってメッセージで教えてくれたのって早矢仕先輩ですか?」


 「バレっちゃったか。そうだよ。そんなことは良いから、避難所に入ると、携帯がつながらなくなるから、彼女も心配してただろうから、早く彼女の所に顔を出して安心させてやれ。両親も居るはずだから挨拶忘れるなよ。

 何か困ったことがあったら腕章している奴に俺に取り次いで欲しいと言えば、連絡付くから言って来い。」


 と言って背中を叩いてやったら、走って出入口に飛び込んでいった。

 しまった。博子のことを聞くの忘れた。まっ後で聞けばよいか。

 ついでだから、会社の様子も見てこよう。と【神域結界】から山手通り覗くと悪魔犬(ヘルハウンド)が、周囲を徘徊していたので、裏口から静かに抜け出して会社に向かうことにした。

 一応、【無限蔵】に仕舞っていた大包平を手に持ち、腰のホルスターにH&K USP9を入れて殲滅準備は、完了している。


 裏通りから回り込んで、会社の敷地に入ると玄関には、シャッターが降りて出入りが出来なくなっていたので、インターホンを押してみると、中から返事が返って来た。


 「どなたですか?」


 「昔、ここで働いていた早矢仕と申します。私の彼女がこちらに残っていないか確認したくて伺いました。」 


 「早矢仕さん!俺です。黒咲(くろさき)です。ここのシャッターは開けられないんで、非常階段の2階ドアのロックを開けるんで、上がってもらって良いですか?」


 「黒咲か。久しぶり。了解した。これから非常階段に回り込むんで、よろしく頼む。」


 非常階段を上がって2階の出入口前で待っていると中から金属棒を持ってヘルメットを被った黒咲君が出てきた。


 「危ないんで、早く入ってください。」


 と言って中に招き入れてくれた。


 「早矢仕さん。お久しぶりです。表を出歩いて大丈夫でしたか?」


 「俺には、これがあるから大丈夫だよ。」


 と大包平と銃を見せた。


 「そうは言っても、敵が見えないのにどうやって戦うというんですか。」


 そうか、普通は見えないよな。【無限蔵】から感知眼鏡を取り出して


 「この眼鏡をかけて、表を見てみな。」


 というと、窓際に行って外を見た黒咲君が、


 「早矢仕さん。奴ら何なんですか。もしかしてあれが、メッセージで言っていた人間に見えない魑魅魍魎というやつら何ですか。」


 「そうだ、あれは悪魔犬と言って、俊敏な動きと強靭な皮膚を持ち、耳や鼻が良い厄介な偵察要員なんだよ。あいつらが騒ぐともっと強い奴らが出張ってくるんだ。」


 「そう言えば、頭に流れて来たメッセージで、早矢仕さんですよね。あの時は、本当にびっくりしましたよ。」


 「ところで、ここには誰が居るんだ?なぜ避難しなかった?」


 「ここに居るのは、俺を含めて5人だけど、簗木さんは居ませんよ。」


 「っって、黒咲。何で俺の彼女が簗木さんだと分かったんだよ。」


 「分からないと思っていたのは、先輩だけで、仲間内にはバレバレでしたよ。だって簗木さんが、来ると先輩すぐに、デレるじゃないですか。」


 「そっ、そうだったか。簗木さんが居ないのは分かったけど、お前ら5人は、何で逃げなかったんだ。」


 「あの騒ぎの時に、成田さん覚えてます?簗木さんの同期の娘なんですけど、丁度5階から階段を降りる時で、階段を踏み外してしまって、歩けなくなっちゃったんで、救急車を呼んだんですけど、街中パニックみたいになってなかなか来なくて待っていたら、早矢仕さんのメッセージが、頭に流れて来て、危険だと思って玄関のシャッターを降ろして、他の出入口も出入りできないようにして、外と隔離したんで、逃げ遅れました。」


 「そうか、大変だったな。薬があるから成田さんの所に案内してくれ。」


 「5階の休養室で寝てますから一緒に行きましょう。」


 休養室に入ると成田さんが、布団に入って唸っている横で、女の子が看病していたたので、黒咲君の顔を見ると


 「ここじゃ、何もできないですよ。昨日で薬箱に入っていた鎮痛剤も全部使ってしまって何も無くなってからは、どうしようもないんですよ。彼女は成田さんの後輩で、西原(にしはら)さんです。」


 「わかった。大変だったな。成田さん。早矢仕です。分かりますか?」


 「早矢仕さん。簗木さんは無事ですか?」


 こんな時なのに自分よりも博子のことを心配してくれるなんて、[日鬼水]をスポイトで吸い上げて


 「成田さん。これを1滴飲んでみてください。痛みが無くなります。」


 「はい。ゴク。あれ、痛みが無くなりました。」


 「じゃあ、次は立ってみましょうか。」


 「えっ?立つのは無理・・・じゃない。立てます。足も痛くありません。体調だって普段より良いくらいです。」


 「あんなに痛がってたのに一瞬で治るなんて、先輩。何やったんすか。」


 「チャラーン!! 病気も怪我も1滴で完治する ニ ッ キ ス イ」


 「何、ふざけてるんすか。てか、成田さんは、本当に完治したんですか?」


 「完治してるよ。」


 「黒咲君。他の2人は、誰が居るの?」


 「他は、総務部長の大河(おおかわ)さんと後輩の神山(こうやま)の2人です。二人とも1階の玄関で、外を監視してます。」


 「わかった。それじゃ皆で避難所に行こう。まずは下の二人と合流だ。そう言えば、ここは電源が生きてるんだな。」


 「ここは横の変電所から直接、特高6,600V引き込んでますから、停電に強いの忘れたんですか。」


 「そうだったな。じゃあエレベーターで1階に降りよう。」


 このガタガタ言う荷物用エレベーターも懐かしい。刀は【無限蔵】に仕舞ってある。

 1階に降りると警備員室の前で椅子に座って2人が待っていた。


 「大河部長。ご無沙汰してます。」


 「早矢仕君。元気そうで何よりだ。」


 「早速ですが、皆で避難所に行きましょう。」


 「成田さん。足はどうしたんだい。」


 「早矢仕さんから頂いた薬を飲んだら、治っちゃいました。」


 「えっ。そうなのかい。早矢仕君は、一体どんな魔法を使ったんだい。」


 と話をしていると、シャッターからグワシャーンと大きな音がした。

 恐らく俺たちの話声に気付いた悪魔犬が、体当たりをして壊そうとしているんだろう。


 「ちょっと、この眼鏡をかけて外を見てください。」


 「おっ。あっ。なんだ。あいつシャッターに体当たりしてるぞ。ってなんで眼鏡を外すと見えなくなるんだ。」


 「部長。僕にも見せてください。」


 「わっ。何ですか。今までのもあいつらの仕業ですね。本当にふざけやがって。」


 彼が神山君なんだろう。


 「それでは皆様。改めて驚いていただくために皆で手を繋ぎましょう。さ、成田さん」


 と左手を出すと素直に手を繋いでくれた。

 成田さん左手には西原さんで、その左手は黒咲君が繋いだ。右手には大河部長で、その先に神山君がつながったのを確認して鹿島基地の治療スペースに【鬼動】で瞬間移動した。

 当然、5人は口をあんぐりとさせてフリーズしている。


 「皆さん。驚きましたね。ここは茨城県鹿島にある基地です。完治はしてますが、一応、お医者さんに成田さんを診察してもらうために寄り道しました。先生を呼んでくるんで、ここで少し待っててくださいね。」


 医官控室に京町先生の気配があるのでドアをノックするといつものように


 「誰ですか。ドアは空いてるのでどーぞ。」


 とフリーパスで入れてくれた。


 「京町先生。お休みなのに申し訳ありませんが、足を骨折していた()を[日鬼水]で治療したのですが、念のため診察してもらえませんか。」


 「良いですよ。外に居ますか。」


 「連れてきているので、よろしくお願いします。」


 「はーい。誰が元患者さんかな?」


 「あのー。私です。」


 「じゃあ、薬で治っているとは思うけど、一応、診察するんで、このベットに座ってもらえますか。」


 「どの辺が居たかったの?」


 「足首と脛の辺りが猛烈に痛くて歩けませんでした。」


 「そうなんだ。ちょっと触るね。痛みがあったら言ってね。」


 と触診が始まったが、すぐに


 「問題ないね。ここで少し歩いてみてくれるかな。」


 「はい。」


 「歩行姿勢も問題ないね。どこか痛むところはあるかな?」 


 「ありません。」


 「よし。診察完了。あの薬で完全に完治してるから問題ないよ。」


 「京町先生。お休みの所、ありがとうございました。」


 「もう、慣れたよ。こんなこともあろうかと医師控室に居たんだから。」


 「そうだったんですか。本当にありがとうございます。」


 「それじゃあ、皆の住む家を決めないとだね。だけど、お腹空いてないかな。」


 「先輩。その声を待ってました。何か食べさせてくれませんか。非常食ばかりで全然食べた気がしなかったんすよ。」


 「そんなこと言って、一番食べてた食いしん坊は、黒咲さんだったけどね。」


 「それじゃあ、向かいの食堂に行って好きなだけ食べてくれ。今日は俺のおごりだ。正月特別メニューなんで、雑煮と、カレーライスと、すき焼き定食から好きなのを選んでくれ。残さず食べきれるなら組み合わせても良いからね。

 少し確認だけど、皆の家族や親戚・知人で気になる人が居たら、出来る限り探してみるんで、食べながらで良いからフルネーム、年齢、職業、特徴等をリストアップしといてくれ。」


 と言って【無限蔵】からメモ用紙とボールペンを各人に渡しながら、食堂に向かった。

 今日の昼食は、すき焼き定食にしたが、5人はそれぞれ好きな物を選んでテーブルに持ってきた。


 「食べながらで、良いから聞いてくれ。

 この後、原宿避難所と呼んでいる避難所に移動するんだけど、皆が住み家について確認したい。この避難所では、独身者は1LDK、夫婦もしくは2名で同居する人は、2LDKで家族や商売する人は3LDKと決まっているので、希望を聞きたい。

 大河部長以外は、皆1LDKで良いか?」


 「あのー早矢仕先輩。俺は出来れば西原さんと一緒が良いんで、2LDKでお願いできますか。ねっ西原ちゃん。」


 「黒咲さん。同棲は夏のボーナス貰ってからって決めたでしょ。」


 「だって、この状況だと夏のボーナス出ないよ。そうすると同棲できないよ。」


 「あーそうだよね。だったらしょうがないか。早矢仕さん私たち2LDKでお願いします。」


 「二人は2LDKで、成田さんと神山君はどうする。」


 「私は一人でも良いんですが、簗木さんってどこに住んでるんですか?」


 「一応、俺の家に住むんだけど、今は連絡が付かなくなってるんだよね。」


 「一人暮らししようと思っていたんで、1LDKで良いんですけど、出来たら簗木さんの近くに住みたいです。」


 「了解。神山君はどうする。」


 「僕は、実家から出たことが無いんで、一人暮らしは無理です。」


 「それじゃあ、神山君はご家族を探し出して同居という事でペンディングにしようかね。そうなると食事が心配になるから、この鹿島基地にある宿舎を仮住まいにしようか。それでよいかな。」


 「はい。それでお願いします。」


 「大河部長は家族用の3LDKで、良いですね。」


 「私の家族が見つからなかったらどうするんだい。」


 「そんなことは考えず、前向きに考えましょうよ。

 それより大河部長、簗木さんを探しているんですが、24日以降連絡が取れなくなったんですが、何かご存じありませんか?」


 「あの日、簗木さんは、急にどこかに出かけると言って午後半休を取って帰ったんで、その後のことについては、私も良く分からないんだ。お役に立てず申し訳ない。」


 そうか、あの日仕事終わりに来ると言っていたのに、午後半休でどこかに出かけたのか。

 いったいどこに出かけたというのだろうか。


 

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