第51話 ◇エルフと病院◇ 12/31~
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◇エルフと病院◇ 12/31~
今朝も念話、メールの開封通知も何も反応が返ってこない。
博子が来なくなって[ハウス]が、広く空虚に感じる。
鹿島基地の執務室に【瞬間移動】して秘書官室に顔を出すと、昨日の当番とは交代しているようで、新顔だった。
「おはよう。今日の当番よろしく頼むね。
何か報告することあったりする?」
「おはようございます。今朝までに原宿、熱田、伊勢、霧島の避難所から名簿が届いております。こちが名簿になります。」
USBのデータはついていないようだ。
「京町Drからは、何も連絡はなかっただろうか?」
「先生からは何も報告がありません。」
「了解した。この後、先生のところに一度顔を出してから戻ってくるので、何かあれば【念話】で報告してくれ。」
と秘書官に依頼してから治療スペースに向かうと、二人のエルフのそばに、京町Drと葵看護師で診察中だったので、状況を確認することにした。
「先生。おはよう。二人の様子はどうですか?」
「おはようございます。真司さんの方は、特に問題ありませんが、瑠璃子さんの方は、まだ貧血症状が出ているだけで、それ以外は問題ありません。」
「それで、輸血の方はどうなりますか?」
「真司さんは、通常生活に戻っていただいても問題ないので、本人が了承すれば実行したいと思っています。」
「瑠璃子さん、今、聞いた通りお兄さんは問題ないそうだ。良かったね。」
「ありがとうございます。これも皆さんのおかげです。感謝しかありません。」
「それで、真司さん。私は、日本で避難所を運営している鬼神王の早矢刺と申します。以後よろしくお願いします。
早速なんですが、妹さんは、富士山周辺を偵察していた私の仲間が、傷だらけで死にそうなところを見つけて、この避難所に連れて来たので、傷については、鬼の妙薬で回復したのですが、流れた血までは回復していないので、貧血状態です。
人間の血液の輸血も考えたのですが、できる事なら同族間の輸血が望ましいと思い貴男の回復を待っていたのです。
妹さんへの輸血をご承認いただけますか?」
「疲れ果てて、奴らに囲まれた時に脱出が不可能と判断して、一縷の望みで【結界】に賭けて本当に良かった。
まずは、お礼を。ありがとうございます。
あなた方は、私たち兄妹の命の恩人です。これからは身命を賭してあなたに仕えましょう。
妹への輸血は、私の血を使っていただいて構いません。もし人間男性の血液を輸血されていたら、一族の仕来りで妹はその人と結婚するしかないところでした。重ね重ね、ご配慮ありがとうございました。」
輸血しないで良かった。輸血してたら俺と結婚なんて、そんな想像もできないような仕来りなんか聞いてないよ。
「Dr、お兄さんに了解が得られたので、輸血の準備をお願いします。
それから、お二人に確認ですが、避難所で住む家ですが、同居なら2LDK、別居なら1LDKになりますが、どちらが良いですか?」
「同居で「嫌よ、別居でお願いします。私は前から一人暮らしがしたかったんだから。絶対に一人暮らしで。」
「妹は言い出したら聞かないので、申し訳ありませんが1LDK2軒でお願いできますか。」
「じゃあ、家は別にして距離は近い方が良いですか?」
「すぐ近くは、嫌です。」
「わかりました。」
(秘書官、確認だが俺の[ハウス]の周辺の1LDKは、まだ未入居だったよな。)
(確認しますので、このままお待ちを・・・・・・・・はい、確かに未入居です。)
(それでは、原宿避難所の22E4N94R1《住宅エリア22の東4北94ルーム1》の1軒と22E4S3R10《住宅エリア22の東4南3ルーム10》の1軒を確保して案内人をここに寄越してくれ。)
(畏まりました。10分ほどお待ちください。)
(これから輸血があるから30分後くらいで大丈夫だ。よろしく頼む。)
「原宿避難所で4街区離れた1LDKを2軒確保しましたので、真司さんは、後ほど案内させます。
瑠璃子さんは、体調が戻ってから案内させますので、それまでゆっくりとここで、休んでください。」
「じゃあ、先生早速、輸血をお願いしてもよろしいですか。」
「それでは、真司さん、200cc程採血しますからこちらのベットで横になってください。」
採血が始まった。
「先生、妹の為なら200ccと言わず400でも600でも抜いてもらって構いませんから、よろしくお願いします。」
「そんなに抜いたら、あなたの方が倒れてしまいますよ。本当に妹さん思いなんですね。」
「先生、そうじゃなくて兄は、私に執着しているだけなんで、いっそのこと血を全部抜いちゃってください。」
「おお、瑠璃子の為になるなら私は、それでもかまわないよ。」
「二人とも私が助けた命なんですから、ふざけてないで、さっさと元気になってください。
私は、やることがあるんで、これで失礼しますよ。また後で様子を見に来ます。
先生、何かあったら執務室に居ますから呼んでください。」
と声をかけて秘書官に声をかけてから執務室に戻った。
やることは、山積みだ。
まずは、原宿、熱田、伊勢、霧島の避難所から届いた名簿のチェックからだ。
4か所の避難所とも、各分野の人材がそろっているようなので、まずは鹿島基地で不足している整備技能をもっている人と医師、看護師の補充からだな。
(武さん、東狐さん、天翔さん、西狐さん、月読さん、北狐さん、迦具津さん、狐嶋さんにお願いがあります。
いま、名簿とUSBを頂いたので内容を拝見しました。
鹿島基地で働いてくれる整備技能をもっている人と医師、看護師が足りていないので、リストにある方たちで鹿島基地で勤務してくれる人が居ないか意思確認してください。)
(了解しました。)(かしこまりました。)(了解)(わかりました。)(了解です。)(やってみる。)(狐嶋さんに任せた)(しょうがないですね。)
何か変な返事があったけど、あれは迦具津さんから狐嶋さんへの丸投げなんで、良しとしましょう。
(それではお願いします。)
それから、病院を持ってくることに決めたので、あとで実行しよう。
後は、通信インフラ整備だが、【念話】が出来ない人間との連絡が不便でしょうがないので、人材がいないか各避難所に聞いてみよう。
(大規模避難所の担当者にたびたびの連絡で申し訳ないが、相談です。人間との連絡手段が不便でしょうがないので、どこかの避難所に通信インフラを整備できそうな人材は居ませんか。)
(確認します。)・・・(居るかな?)・・(心当たりがあります。)・(任せた。)
(任せられそうな人材が居たら、1/4の10時に鹿島基地の指揮所に集めてください。お願いします。
それから、地上があんな状態ですが、今日は大晦日なんで、午後から1/3いっぱい迄、お休みにしますので、ゆっくり休んでください。
1/4からは、地上奪還に向けてバンバン働いてもらいますからそのつもりでいてくださいね。
なにか問題が起きたら、遠慮なく連絡してきてください。)
「秘書官。これから出て県内で手頃な病院を確保してくるんで、何かあったら連絡をくれ。」
「かしこまりました。」
早速、つくば市の大学病院に行くために最寄りに作った出入口であるつくば市妻木の神社に【瞬間移動】した。
病院まで短距離の【瞬間移動】を繰り替えして到着すると、出入口や非常階段などにバリケードが造られて簡単には、入ることが出来ないようになっているので、入口のバリケードから中に声をかけてみた。
「おーい。誰かいるかー?」
すると警官と迷彩服を着て自動小銃を構えている自衛隊と思しき男性が2名で出てきた。
瘴気は、纏っていないので、避難せずに病院を守るために残ったのだろう。
「おまえは、誰だ。」
「私は、王我商事の社長で早矢刺と言うものですが、ここの病院に用があって様子を見に来たんだが、患者の様子とかどんな感じですか?」
「ここは、この地域の基幹病院だったからほぼ満床だ。診察位なら可能だが、食料も残り少なくなっているので、入院などは無理な状態だが、どんな用事で来たんだ。」
「俺に手助けできることがあればと思って来た。良い薬も持っている。それに良い提案もできると思うんだが、中に入れてくれないだろうか。」
[日鬼水]は、簡単な怪我や病気なら一滴で、完治するんだから嘘ではない。良い薬だ。
「けが人が多いので、薬も底をつきそうなんで、助かる。中に入ってくれ。」
「そう言えば、避難所があるとか言うメッセージを聞いたんだが、ここにもそんなメッセージを聞いた人は居るのか?」
しらばっくれて聞いてみることにした。
「私たちもそれは、聞いたのだが、家族がこの病院に入院していて身動きが取れなかったので、この病院に立てこもることにしたんだ。
あのメッセージのおかげで、準備していたが、幸いこの病院はまだ襲われていないので、助かっている。無線を聞く限りだと、拳銃も自動小銃も役に立たないと言っていたので、どうしようかと相談していたところなんだ。」
「それは良かった。病院内の患者さんの様子を見学させてもらって良いだろうか。それから先生に薬の事で相談したいのだが可能だろうか?」
「先生も病人の診察で走り回っているから集めるのに時間がかかるから、吾妻さん私が先生たちを3階のカンファレンスルームに集めている間に院内の案内をお願いできますか。
申し遅れたが、私が妻木派出所の赤塚巡査長で、彼が陸上自衛隊かすみ駐屯地で航空学校で教官をしていた吾妻さんです。」
「改めまして、早矢刺です。よろしくお願いします。」
「それでは、赤塚さん11階まで、上がってから下に降りていきますから何かあれば、無線で連絡してください。
この辺は、停電していないので、エレベータが使えますので、11階の一般病棟から見ていきましょう。」
「すみません、さっと出かまいませんので、ここの屋上から見させていただいてもよろしいですか。」
”屋上で、何が見たいのだろうか”
「わかりました。最上階がヘリポートになっていますので、そこから見ていきましょう。」
と言いながら一番上のR2Fというボタンを押して到着を待つことにした。
「こちらが、ヘリポートです。」
【瘴気感知】に引っ掛かる気配はない。
「ドクターヘリとかで、急患が運ばれてくるから、ここまでエレベータで来れるんですね。ありがとうございました。」
「じゃあ、次はR1F階です。このフロアは、各種機械や設備と予備機などが置かれている倉庫フロアです。」
ここも【瘴気感知】に引っ掛かる気配はない。
「このフロアって普段は、人が居ないんですか?」
「そうですね、用のある職員が来る以外は、基本無人です。」
「ありがとうございます。では、12階をお願いします。」
「このフロアは、普段なら展望ラウンジになっているのですが、今は病室に入れない軽症の患者さんたちが居るフロアになっています。」
ざっと見渡した感じ軽く【瘴気感知】に引っ掛かる人が3名ほど居て、なんだかそこだけ騒がしい。
「すみません。あの辺りだけ騒がしいようですが、いつもあんな感じですか。」
「そうなんですよ。筑波山に観光に来ていたK国人なんですが、先生たちが診察して問題ないと分かっているんですが、ここが痛い、あそこが痛い。と言い張って、あの場所を占有していつもあんな感じで騒いで周りに迷惑をかけているんですよ。本当に困ってます。」
「K国人だったらしょうがないですね。下のフロアに行きましょうか。」
と11階に移動しようとしたら無線機が鳴って先生と面会することになったので、3階まで降りてカンファレンスルームに移動して先生と顔合わせだ。
「初めまして、東京で小さな総合商社を経営しております、早矢刺と申します。」
「内科医の陣馬 幸助です。」
「外科医の蓮沼 美穂です。」
「小児科医の中内 匠です。」
「内科医の吉瀬 悟です。」
「薬剤師の杉本 真一です。」
「研修医の山口 麻衣です。」
「早矢仕さん、他にも先生は居るんですが、手が離せないという事で、6名に集まってもらいました。」
「皆さん、お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。
この中で、避難所に逃げろというメッセージを聞いた方はおられますか?」
6人とも手を挙げた。
「逃げなかったのは、患者さんがいたからですか?」
「早矢仕さん、あなたは一体何がしたいんですか?良い薬があるというから、わざわざここに来ているんで、用が無いんなら診察に戻らせていただきます。」
年長者の陣馬先生が、少し苛立ってしまったようだ。
「お伺いしたいのは、今現在動かせない患者さんがどのくらいいるかという事です。それによって薬の用意をしたいと思っています。」
「その薬と言うのは、どんな薬なんだ。」
「基本的に、怪我や病気に効果がある万能薬です。」
「そんな薬など効いたことが無いのだが。」
「クリスマスイブ以降に見つかった薬なんで、承認も受けていませんが、確実に効果があります。」
「承認も受けていないような薬を患者に使える訳がないだろう。」
「陣馬先生。平常時ならそのお考えが、正しいのでしょうが、今は緊急事態ですから先生たちが判断してください。
試しに小さな外傷や軽い病気に使ってみては、如何でしょうか。私が最初に飲みますからその結果で、ご判断いただけませんか?
薬は、この小瓶に入っています。基本は、1滴で効果がでますが、過剰投与の心配もありません。」
と言って懐から5本の小瓶(高さ50mm)を取り出して机の上に並べて見せた。
「先生がた、どれでも良いので1本選んでみてください。それを私が飲み干しますので、その経過を見てください。」
と言ったそばから研修医の山口さんが、ひょいと1瓶持ち上げた。
「それでは、その1瓶を飲んで見せましょう。」
ゴクリと一口で全てのみ終わると、蓮沼先生が脈を取り出した。
「蓮沼先生に手を取られるとそれだけで、脈拍が上がってしまいそうですね。」
と軽口をたたいていると、蓮沼先生から
「確かに脈も体温も変化はありません。ささくれとかにも効果はありますか?」
「はい、ささくれにも効果はありますし、疲労回復もしてくれますよ。」
というと蓮沼先生、躊躇なく1滴自分で飲んでしまった。
「えっ!!、本当にささくれも治っているし、疲れも無くなって気分爽快なんですけど。これっていったいどういう事なんですか?」
「私が特殊なルートで仕入れている鬼の妙薬[日鬼水]という薬です。」
「「「「「「鬼の妙薬??」」」」」」
「はい、鬼の妙薬です。イブ以降に使えるようになった薬です。命の危険はない事を保証しますから、希望する患者さんに使ってみませんか?」
「薬剤師として、私も自分で体験したいです。実は少し前から胃の辺りにムカつきがあって、検査したら胃潰瘍が出来ていたんです。」
といって杉本さんも1滴飲み込んだ途端に、両眼を見開いて動かなくなったのを見て、陣馬先生が
「杉本!!大丈夫か。」
と杉本さんの両肩を揺すりながら俺をにらんでいる。
「陣馬先生。問題ありません。飲んだ途端に胃の辺りのムカつきが収まって、今までの疲れも吹き飛んだので、びっくりしてしまいました。
これなら患者さんに使っても問題ないと思います。」
「この薬には、副作用も無いですし即効性ですから、患者さんの負担も全くありませんから、患者さんの同意を得て使ってみては如何でしょうか。先生方も大変お疲れのようなので、ご自身でも1滴試してみてから、患者さんに話してあげてください。」
「陣馬先生。この薬があれば、苦しんでいる大勢の患者さんが、助かります。使ってみましょう!!」
これで、薬剤師と外科医のお墨付きが出た。
そうこうしているうちに研修医の山口さんが、1滴。小児科医の中内先生も1滴。内科医の吉瀬先生も1滴と飲んでいき、残るは陣馬先生だけになったところで、1滴飲んでくれたので、集まった6名全員が体験した結果、皆が言葉を失ってしまったので、蓮沼先生が
「皆さ~ん。戻ってきてくださいね。この薬についてご意見を聞かせてください。」
後から飲んだ4人とも頷くことしかできないが、納得はしてくれたようで、陣馬先生から質問が飛んできた。
「早矢仕さん。こんな薬は今まで経験したことが無い。素晴らしい効き目だが、これは飲み薬としてしか使えないのですか?」
「この薬は、内用/外用どちらでも使えますが、外用にすると即効性はありますが、効果は外用した部分だけになります。内用の場合は、体全体に効果が行き渡りますので、外傷で緊急処置が必要な場合は、外用にしてその他は、内用という使い方が良いのではないでしょうか。」
[日鬼水]の効果にやっと納得してくれたようだ。
次話 ◇鬼の妙薬は、効果抜群だ◇ 12/31~
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