表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼神王覚醒  作者: 森豆太郎
100/109

第100話 ◇西日本避難民受入れ◇ 02/06

2021/06/26から投稿を始めて、やっと100話に到達しました。

◇西日本避難民受入れ◇ 02/06


 日出生台(ひじゅうだい)演習場に避難希望者の受け入れの下準備で、伊丹駐屯地と一緒に転移して来た中部方面総監である殿澤 新(とのざわ あらた)陸将を訪問した際に聞いた話では、今回のC国による日本侵略に対して、米国が沖縄に駐留している在日米軍や第7艦隊で、日米安保条約に基づいた、反抗作戦としてC国上陸作戦を実施することになったと聞いた。


 第15旅団については、首都壊滅によりシビリアンコントロールが機能しなくなっているので、殿澤陸将から本土防衛以外では、動くなと田中旅団長に命令を出したそうだ。


 在日米軍情報からのとして、C国首脳陣は重刑市で元気に指示を出しているそうだ。それにしても、自分の身を護るために首脳陣一族だけが、首都から逃げ出していたとは、本当にくそだらけだ。




 そんな話もひと段落したので、殿澤さんと避難希望者の受け入れについて具体的に進めることにした。


 「早矢仕さん。昨日のC国の侵略行動を阻止していただき日本国自衛隊として感謝申し上げる。」


 「そんな、感謝なんて、火事場泥棒の尻を蹴っ飛ばしただけですから気にしないでください。

 そんなことより、各駐屯地に居る避難希望者の受け入れについてですが、各師団や旅団本部のある駐屯地に集めていただくことは可能でしょうか?」


 「火事場泥棒ですか。言い得て妙ですな。避難希望者を集めることは可能です。

 避難希望者の受け入れについて、具体的にどう動けばよろしいですか?」


 「具体的には、集まっていただいた場所に私の避難所に通じる[転移ゲート]というものを設置します。


 このゲートは、善良な心を持った人だけが利用できるもので、他人に悪意を持っている瘴気を出している人間は、利用出来ません。


 なので、家族内でも利用できる・出来ないと別れ別れになる可能性があるので、避難当日だけは、避難所から各駐屯地に戻るための[転移ゲート]も設置します。


 基本的に避難所に入った方たちは、地上奪還作戦が完了するまで地上に戻ることは出来ません。


 地上に出られるのは、魑魅魍魎殲滅軍として地上奪還作戦の実施時のみです。


 避難所には、住宅が用意されていますから家族構成に寄って、1LDK,2LDK,3LDKの住宅に住んでいただくことになります。


 後の詳しい話は、避難所に到着してから担当者から説明があります。」


 「そうすると、持っていける荷物などはどうなりますか?」


 「そうですね。身の回りの手荷物だけですね。」


 「なるほど、銀行預金や現金などは使えますか?」


 「既存の紙幣などのお金は使えませんし、銀行預金など私が関知するものではありません。

 地上を取り戻しても銀行のシステムは、使い物にならない前提で、避難所内独自通貨を発行しています。」


 「それは、具体的にどういったものでしょう。手持ち現金との両替などは可能でしょうか?」


 「残念ながら避難所では、日本銀行が発行した通貨は、全て無効です。

 新通貨は、こんな感じです。

  小銅貨=  1円銅貨・・旧価値:  10円相当

  中銅貨=  10円銅貨・・旧価値: 100円相当

  大銅貨= 100円銅貨・・旧価値:  千円相当


  小銀貨=  千円銀貨・・旧価値: 1万円相当

  中銀貨= 1万円銀貨・・旧価値: 10万円相当

  大銀貨= 10万円銀貨・・旧価値:100万円相当


  小金貨=100万円金貨・・旧価値:1千万円相当

  中金貨=1千万円金貨・・旧価値: 1億円相当

  大金貨= 1億円金貨・・旧価値: 10億円相当」


 「そんな。日本が持っていた財産が、使えないという事ですか。」


 「そうですね。今までの日本は、他人を蹴落として財産を稼ぎ出したものが勝ちと言う歪な(いびつな)構造だったので、これを機会に全国民が、同じスタートラインに立ってやり直す良い機会だと思います。」


 「それについては、今後の日本国政府が考えるべきだと私は考えます。」 


 「私も殿澤さんのお考えを否定するつもりはありません。

 今お話ししたのは、あくまでも私の避難所におけるお話ですから。」


 「それでは、あなたの方針に従えない場合は、どうなるのですか?」


 「私は関知しませんので、その個人が、自分の責任でお考えになって、地上で行動されれば良いと思いますよ。」


 「それは、独裁ではありませんか?」


 「地上で生活するという選択肢があるわけで、希望する人が避難所で暮らせば良いだけですから独裁には、当たらないと思いますよ。

 私の避難所で、生活することを希望する善良な方に避難場所を提供するだけで、何ら強制することもありませんからね。」


 「それでは、希望すればあなたの避難所から地上に戻ることもできるのですね。」


 「全く問題ありません。個人の意思で決めて頂けばよい事ですから。」


 「わかりました。よろしくお願いします。」


 「それでは、第10師団が守山駐屯地、第3師団が千僧駐屯地、第13旅団が海田市駐屯地、第14旅団が善通寺駐屯地、第4師団が福岡駐屯地、第8師団が北熊本駐屯地に[転移ゲート]を設置するという事で良いでしょうか?」


 「すみませんが、第3師団は伊丹駐屯地にお願いしたいです。」


 「わかりました。それから矢臼別演習場にある駐屯地には、第2師団の旭川駐屯地をハブにして駐屯地間を移動する常設型[転移ゲート]を設置したのですが、こちらの日出生台演習場は、どうしますか?」


 「それは、こちらの各駐屯地にも[転移ゲート]を設置してもらえるという事ですか。」


 「そういうことです。」


 「それでは、この伊丹駐屯地を中心に各駐屯地と繋げていただけますか。」


 「わかりました。各駐屯地に設置する場所の詳細を教えて頂ければ、設置しましょう。

 それから、十三桜さんに確認しないといけませんが、矢臼別演習場にも移動出来た方が良いですよね。」


 「そうしていただけると、大変助かります。」


 「それでは、明日の15時までに避難希望者を集めてもらえますか。」


 「了解しました。よろしくお願いします。」

 

 「それでは、明日、改めて参りますので、よろしくお願いします。」




 鹿島基地の執務室に戻って来た。


 殿澤さんと言う人は、大場さんとは違った面で、面倒くさい人みたいだ。


 秘書官室に顔を出した。


 「お疲れ。何か連絡事項は?」


 「お疲れ様です。何点かありますのでご説明させていただきます。

 まず、最初に黒咲さんから足りない物が出たので、手配して欲しいと要望が来ております。

 次に、札幌避難所の久久能さんから避難民の健康診断が、間に合わないので、希望者のみ診断にしたいと要望が来ております。

 続いて、霧島避難所の迦具津(カグツ)さんから、避難民受入れに際しての健康診断にあぶれた人を他の避難所病院で受け入れて欲しいと要望が来ております。

 それから、原宿避難所の広瀬小百合と言う方から仕事について確認したいので、面会したいと連絡が来ております。」


 「ふう、札幌と霧島の避難民健康診断については、他の避難所病院でフォローして漏れなく健康診断を終わらせるように調整してくれ。

 この後、黒咲の所に顔を出してから、広瀬さんと面談してくることにする。

 他に何かあるか?」


 「そう言えば、成田さんと言う方から司令が、最近、自宅に戻られていないみたいなので、一度、お会いしたいと伝言がありました。」


 「わかった。成田さんにもこの後、会うことにする。

 他にないか」


 「なければ、この後、黒咲君、旭川駐屯地の十三桜さん、広瀬さん、成田さんと面会して[ハウス]に戻る。

 明日は、矢臼別の旭川駐屯地経由で日出生台の伊丹駐屯地に直行するので、緊急時には【念話】で教えてくれ。」


 「かしこまりました。行ってらっしゃい。」




 黒ちゃんの所に顔を出すと佐藤匠君が居たので、黒ちゃんの居所を確認することにした。


 「(たくみ)君、久しぶりだね。元気にやってるか。」


 「早矢仕さん。お陰でみんなで仲良く暮らしてます。今日は黒咲さんに会いに来たんですか?」


 「そうなんだが、黒ちゃんどこに居る?」


 「探してくるんで、少し待ってくださいね。」





 暫くすると、匠君と一緒に黒ちゃんが歩いてくるのが見えた。


 「早矢仕さん。早速だけど、色んな線が足りません。LANケーブル、電話線、電力用各種電線、配線器具など軒並み足りません。

 それから各種ハブも無くなりそうです。」


 「わかった。近々持ってくるんで、待っててくれ。他に足りない物が出たら、今回みたいに秘書官に足りない物品と数量を書き出して渡しておいてくれれば、何とかするんで、よろしく頼みます。」


 「了解です。それじゃ。」


 と、これで黒ちゃんの用事は、後日地上から回収してくるとして、次は十三桜さんの所だ。





 旭川駐屯地の師団本部を訪問するとすぐに十三桜さんに取り付いてくれた。


 「十三桜さん。明日、愈々(いよいよ)日出生台演習場に居る各駐屯地から避難民の受入を開始するんですが、この前みたいに避難民の誘導と[転移ゲート]の管理をしてもらう隊員をお借りしたいんですが、お願いできますか。」


 「それは、何人必要ですか?」 


 「6か所なんで、120名お借りできると助かります。」


 「120名なら問題ないな。それで何時までにどこに用意すればよいのかな。」


 「この師団本部前に9時でお願いできますか。それから、ここと日出生台演習場を繋ぐ[転移ゲート]を設置したいのですが、許可いただけますか。」


 「そうだ。そうしてくれると非常に助かる。是非ともお願いする。設置場所は、先の会議室にお願いします。」


 「ありがとうございます。そうしていただければ、明日はその[転移ゲート]で日出生台演習場に向かえます。

 それでは、明日の9時によろしくお願いします。」




 さてと、次は広瀬さんか。

 原宿避難所で広瀬さん家族が住んでいる家に向かった。


 「こんにちは、早矢刺と申しますが広瀬小百合さんは、いらっしゃいますか。」


 「はぁーい。早矢仕さんお待ちしてました。上がってください。」


 「ごめんね、この後も用事が詰まっているんでここで失礼するよ。仕事の事だよね。」


 「そうです。待っていましたが1週間たっても10日経っても連絡が来ないんで、どうなっているのか心配になって連絡しました。」


 「ご免。明日の避難民受入れが終われば、少し余裕が出来ると思うんで、週明けの10日に鹿島基地の指揮所にある秘書官室を訪ねて来てくれるかな。時間は午後一13時でお願いします。」


 「わかりました。鹿島基地と言うのはどう行けばよいのでしょうか?」


 「そうだね。住宅エリア21と22の壁際にある連絡用回廊の事は分かるかな?」


 「はい、こちらに来てから散歩しながら見て回った時に見つけたので、場所は分かります。」


 「そうしたらね。そこの場所に案内係が居るから、早矢刺に鹿島基地に来るよう言われた。と聞けば使い方を教えてくれるんで、来てくれるかな。出た所にも案内係が居るから、指揮所の場所を聞けば教えてくれるんで、気を付けて来てね。

 何かある?」


 「無ければ、来週10日に待ってるから。」




 次は、成田さんか。

 成田さんの家を訪ねた。


 「成田さん。居ますか。」


 返事がない。不在なのか?


 「成田さん。居ませんか。」


 やはり、返事が返ってこない。

 仕方がないので、[ハウス]に帰ることにして、道を歩いていると


 「早矢仕さーん」 と呼び止める声が聞こえた。


 声が聞こえた方を見ると成田さんが、こちらに走ってくるのが見えた。


 「ハア、ハア は や し さ ん、」


 「ゆっくり落ち着いてからでいいからね。」


 「はい、落ち着きましたから大丈夫です。」


 「どうかした?」


 「どうもしませんけど、暫くご自宅で早矢刺さんの顔が見えなかったので、少し気になっていただけです。」


 「そうか、ここの所、北海道だ九州だと飛び回っていたからね。気にかけていただいてありがとうね。

 明日の避難民受入れが終われば、ひと段落すると思うから心配いらないよ。」


 「そうすると、今週末はゆっくりできるんですか?」


 「そうなってくれると嬉しいんだけどね。」


 「それじゃあ、今週末、ご飯作りに行きますね。」


 「って、どういうこと。」


 「だって、早矢刺さんちゃんとご飯食べてないですよね。腕によりをかけておいしいご飯を作るんで、たくさん食べてくださいね。」


 「じゃなくて、なんで成田さんが、俺のご飯を作りに来るのかな?」


 「だって、一人で食べるご飯って寂しいじゃないですか。という事で決定です。」


 どうやら今週末のご飯は、成田さんが作るということが決定したようだ。

この小説を見つけ出して読んでいただけた皆様、ありがとうございます。

ブックマーク登録や★★★★★をお待ちしております。

ご意見、ご感想や誤字報告等もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ