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六十三話目

 


 移動する際に、結構考えた。そして気が付いた。今までの行動は大抵馬鹿がやることだと。

 国王陛下に相談するのは、日本で言うと直接総理に直談判しに行くようなものだ。

 そんなことをすれば日本でも異世界でもどこでも、普通捕まるだろう。

 

 という訳で、今回俺は間接的に伝えてもらうことにした。


 「すまない、国王陛下に伝言を願いたいんだが。」

 

 王城の警備をしていた兵士に、そう話しかける。


 「子供がバリドゲニア陛下に何の用だ。ここはお前みたいな子供が来る所じゃない。」

 「こんななりだからよく言われるが、これでもランクSの冒険者でな。よく見てくれ。」

 

 まぁ当然、160センチ程度の俺の背じゃ子供扱いされるだろうな。

 という訳で冒険者カードを渡す。金色に染まった冒険者カードを見間違えることは流石に無く、非礼を詫びてくれた。


 「済まない。相手が子供だと高をくくっていた。」

 「いや、俺も名乗らなかったのが悪い。それで、伝言は頼めるか?」

 「内容によっては伝言ではなく、謁見にて直接伝えて欲しい。本日陛下は、この王城で執務をしておられますので。」

 「分かった。シャィオシー王国の情勢が、少し不味いことになってることを伝えてくれたらいいんだが……どうすべきだ?」

 「……喫緊の課題であり、今日中に報告しなければ大事になる程の問題が起きている場合では無い限り、私から警備隊長、警備隊長から宰相へと伝わってから陛下の耳に入ることになる。」

 

 今日中でなくとも対処は可能だろうな……流石に、あの広場を埋め尽くすと言っても五千人程だろうし、あの王都だって国民の二割いるかいないかだろう。


 「伝言で頼む。俺はシャィオシー王国で、個人的に調べてみる。それじゃ。」

  

 そう告げて、王城前を去った。

 日が暮れる前に、ザッドの街に戻れそうだな。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 いつもお世話になってる宿屋「セセラギ」で朝まで寝た。牢屋の中で寝た時の疲れがあったのかすぐに寝れた。

 

 大体八時になった頃に起き、朝食をとっている間にジェシカを呼びだしていることを思い出した。

 呼びだしたと言っても、時間も場所もファミレに伝え忘れていたから呼びだすというには程遠い状況になってしまっている。

 【神眼】で思い当たるところを探しながら朝食を食べた。 

 

 結局、ザッドの街の外で俺を待っている様だったので、すぐに食べ終えてその場に直行した。


 

 「ファミレから話は聞いてるわ。いつ、どこに来るかは教えてもらえてなかったから、ここで日の出から待ってたけどね。」

 「時間も指定すべきだった。悪い。」


 とりあえず頭を下げておく。


 「別に良いわよ。毎朝夜明け前に起きてるから。それで?なんでシャィオシー王国がそんなに気になる訳?」

 「簡潔に説明すれば、講和会議で出た結論がまだ達成されていないと予想したからだな。」

 「へぇ?その結論っていうのは?」

 「シャィオシー王国の現国王が退位して、第一王子に王位を継承させる。っていうものだな。王都にはしばらく行きたくないから、周辺の都市で調べようと思う。」

 「また王都でやらかしたの?」

 

 またってなんだ。と言い返したくなったが、まただったのでぐっとこらえた。


 「……それは行く途中で話す。」

  

 ジェシカをおぶり、一旦フェルケス領に飛んだ。

 地面から飛び立つ際に、直に地面を蹴るとクレーターができるようなったので、必ず地面に障壁を張ってから飛び立つようにしている。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 

 ジェシカと会話しているうちに、フェルケス領に行く意味が無いような気がし始めて、結局シャィオシー王国の王都と離れた都市に行くことにした。

 

 「まぁ土地に詳しいわけじゃないけど、各国の主要都市と場所は知ってるわ。」

 「じゃあ、シャィオシー王国の王都から離れた所の案内を頼む。」

 「えっとー……ぞれじゃあ漁業が盛んなアーシャリエね。とりあえず右に曲がって。」

 「了解。……かなり飛ばすぞ。」

 


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 



 日が暮れそうになった頃、ようやくアーシャリエに着いた。

 北と西が海に面し、南に平野が広がり、東には標高600メートル程度の山が三つほど並んでいる。

 夕暮れ時になってしまったが、まだまだ船が沖からやって来るのが見える。




 「まさか夕方になるとは……。」

 「私としては、まさか今日中に着くなんてと言いたい所ね。」


 ジェシカは呆れながら言ったものの、野宿をしなくていいのは嬉しいようで笑顔だった。


 「それじゃ、酒場に行きましょうか。情報を聞くなら酒場よね。」

 「ああ。せっかくだ、カジノがあったほうがいい。」

 「生憎とお金はあるものね。」

 「ああ、腐る程な。」

 

  


宿屋の名前覚えてる人居ましたかね……。



申し訳ないですが、私生活が慌ただしく、1/26までは投稿できません。

ご迷惑おかけします。

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