六十一話目
デハミッシュ王国とシャィオシー王国の戦争から大体一か月経ち、春らしい季節が終わり本格的な夏を迎えていたようだ。俺が着ている白だったローブは、周りの気温を適温にしてくれるもので、季節が変わったことに気付けなかった。
案の定というのは失礼かもしれないが、マセルは冒険者カードを渡す時に俺に伝えることがあったらしい。
ランクSになると、二つ名が冒険者ギルドから贈呈されるそうだ。なんでも、【〇神】となるように付けられるようで、俺の二つ名は戦争で活躍した鬼兵から取って【鬼神】となった。
この一か月、何をしていたかというとレベル上げだ。
俺よりもレイクスのほうが強い可能性だっていくらでもあったし、俺より強い奴だったり魔物が居たりするかもしれない。
というわけで、大量に魔物を狩った。それはもう大量に。
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ヨシダ チヒロ
性別 男
年齢 15
レベル 86145
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MP error
力 error
物理攻撃耐性 error
魔法攻撃耐性 error
精神 error
運 error
スキル
【神眼】
『【鑑定】の上位互換であり、【千里眼】の上位互換でもある。』
【女神スーエの加護】
『生物(人間以外)を殺める度、レベルが必ず1上昇する。
レベルが上昇するときの、ステータスの増加具合は生物の種族による。
植物は2倍に増加
動物は4倍に増加
魔物は8倍に増加』
【神託】
『もしかして自分が最強だって思っちゃってた?ねぇ?その辺どうなの?。もっとやばいスキル持ちがいるから、私は優しい女神様だから、転移者で不利な君の為にこの加護を授けてあげたのよ!
P.S.もっと【神眼】使ってね。勿体無いから』
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レベルを見るに、1か月で5万匹程は魔物を殺しただろう。
レベル上げを辞めた理由は、ギルドマスターのマセルに「これ以上は生態系が崩壊するから辞めろ」とガチギレされたからだ。
一日かけて森中の魔物を殺しまわったが、翌日には魔物が湧いていた。だからまた殺して回った。その翌日にはやっぱり魔物が湧いていた。だから……の無限ループに入っていたのが不味かった。
死体を回収してギルドに死体を預ける毎日だったが、ギルドの持つナイフではだんだん魔物の皮が切れなくなったらしい。
「あの森の魔物が何十年後に、この国を落とせるほどの魔物の集まりになったらどう責任を取るつもりなんだ!!」
とか言われた時は、自然に頭下げてたな。
その後にファミレから「冒険者辞めたりしないよね?」とか涙目で心配されたりとか、マセルの怒鳴り声がギルドの一階にも響いて、いつもは騒がしいギルドの中が静まり返ってたりとか、色々と凄かった。
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「チヒロ君、シャィオシー王国からの指名依頼が入ってるよ。報酬や内容は、王宮で伝えるって。」
「そうか……ファミレも驚かなくなったな。」
「ランクS冒険者の専属なんだから!これくらいで驚いてたら笑われちゃうよ!」
「なるほどな。それじゃあ行ってくる。」
「いってらっしゃい。」
という会話を今朝して、正午になったであろう今。
俺は今、シャィオシー王国の城で拘束というか、地下に幽閉されている。
確かに、俺にも悪い点がある。シャィオシー王国の王城に直接行ったのが悪いんだろうさ。
「でもなぁ、いきなり「貴様を王国転覆罪と不敬罪で死刑にする!」は無いだろ。」
「黙れ!殺されたいのか!」
反省を活かして、警備兵とかには手を出してない。大人しく縄で手を縛られている。
三面が石で、正面が鉄の檻だ。俺を警戒しているのか何なのか、檻の前には5人いる。
「なぁ、戦争でピりついてるのは分かるが、これは無いだろ。」
「黙れ!そんなに死にたいのか!?」
「俺の事知らない?最近ランクSに昇格した冒険者なんだが。」
「嘘を吐くな!貴様が我が国を一人で敗戦に追いやった冒険者のはずが無いだろう!」
「…………そうだな。」
正直、他の檻には誰一人ついて無いのに俺の所だけ、五人もついていることをツッコミたい。
この場合突っ込んだら負けだ。絶対に突っ込んではいけない。
「俺の処刑はいつなんだ?」
「明日だ!もう喋るなよ!」
「わかった。」
もういい、魔物狩りし過ぎた罰だと思おう。
地下なので暗く、音がしない空間だったので、眠気に任せてそのまま寝てしまった。
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眩しくなったので目を開けると、目の前には大勢の群衆がいた。が、とても静かだった。
そして、俺は地面から5メートル程高いところで、磔にされているらしかった。
俺が目を覚ましたことが群衆に伝わると、群衆が声を上げ始めた。
「お父さんを返せ!」「よくも敗戦に追い込んでくれたな!」「人でなし!」
等々、避難囂々だった。
展開が早過ぎる。




