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五十七話目



 鬼達は、魔力を放出しオーラに見せることで、遠目からは自らが燃えているように見せた。


 「「「「命が惜しければ!」」」」

 「「「「私を倒したければ!」」」」

 「「「「戦争に勝ちたいのであれば!」」」」

 

 「「「「「「「「「「「「我らにかかってくるがよい!!!」」」」」」」」」」」」


 チヒロの指示なく、だがチヒロのイメージ通りに鬼達は行動を始めた。


 燃えているように見える鬼達に対して、シャィオシー王国の農民や兵士は戦意を喪失した。


 そんな鬼達のステータスは、


==================================


名無し

 

性別  男

種族  鬼

年齢  0

レベル 1


HP     536,870,912

MP     536,870,912

力      536,870,912

物理攻撃耐性 536,870,912

魔法攻撃耐性 536,870,912

精神     536,870,912

運      536,870,912



スキル

【鬼に金棒】

 『金棒を武器とするとき、ステータスが2倍になる。』


======================================


 というものだ。



 「…………シャィオシー王国に属する我が国民よ!!必ずオニとやらを殲滅し、そのガキをここに連れてこぉい!!!!金ならある!!土地ならある!!欲しいものならくれてやる!!必ず殺せぇぇええ!!!!!」


 そんな叱咤が最前線にいる農民や兵士に届くも、もう遅い。 

  

 「無理だ無理だ無理だ!オークにさえ勝てない俺達が、あんな化物に勝てる訳がねぇ!」

 「正規兵じゃない俺達が、やっぱり戦争に出るべきじゃないんだよぉ!!下がれ!下がれぇえ!!」

  

 シャィオシー王国の最前線にいる農民や兵士達は、混乱を極めていた。

 後ろに下がろうとする者、鬼を一目見たいと前に進もうとする者。その間で挟まれ、ただ声を上げる者。

 鬼達が行動する前に、シャィオシー側では死者が出ていた。


 

 鬼達はシャィオシー側の混乱など知ったことでは無いと、一斉に動き出す。

 

 火を纏う鬼達が一斉に進軍する様は、壁が迫って来るような圧迫感を生じさせた。


  

 「うぉおおおおお!!!!」


 下がろうにも一向に進まないことに腹を立て、やけになった村人が鬼に攻撃を仕掛ける。

 

 飛び上がって大上段から攻撃を繰り出そうとした村人を、鬼は棍棒一つで叩き落した。

 悲鳴を上げること許されないかのように、ただそこにハエがいたから叩かれるかのように。


 「…………こんなものか。」


 その村人を叩き潰した鬼は、小さくそう言うと隊列から抜け出した。


 走ったかと思えば跳躍し、混乱しているシャィオシー軍の真ん中に着地した。

 勿論、着地点にいた者は潰された。


 鬼はそんなことなど意にも介さず、棍棒を振り回して死体を増やし続けていった。


 

 その後、進軍してきた鬼も加わって戦闘とは言えない虐殺が始まった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 「思ったよりも強そうで何よりだ。」


 空を飛んできたレイクスが、着地してすぐ俺に言葉を掛けた。


 「弱かったら雇われてないさ。それで、お仲間は?」

 「あいつらは空を飛べないからな。」

 「なるほど。空中戦でもするか?」

 「いや、面倒だ。自分で言うのも何だが、俺は怠け者でな。極力戦闘はしたくないんだ。」

 

 そう言いながら、レイクスは地面に胡坐をかいた。 


 「……てっきり、普通に戦闘すると思ってたんだが。」 

 

 errorと表示れた時の焦燥感をどうしてくれる。

 ……そういえば精神だけ、一桁小さかったな。それってこういうことだったのか……。


 「大体仲間がやってくれるからな。」

 「……戦闘が苦手なのか?」

 「ああ、加減できなくてな。」

 

 そう言うとレイクスは、背中にあった剣を抜いたかと思えば指で弾いた。


 すると剣は、刃全体が粉々になった。


 「……見るからに高そうだが、砕いてしまっていいのか?」

 「俺はもう、剣を投げることにしたんでな。握ったら壊れるような、一回きりしか使えない剣だったら投げたほうがいい。」


 それもそうか。と返そうとしたところで、母親みたいな説教をする女が、いつの間にかレイクスの隣にいた。いかつい男と、どこか自信なさげな女の子がも同時にいた。


 「ちょっとレイクス!!なに話なんかしてるの!?」

 「いやな、なんだか俺とこいつは似てる気がしてな。転移にしては遅かったな。」

 「エリナが自信なくしちゃってね。まぁ、あの召喚魔法を見たら、本職は誰だって自信を失うと思うけどね。……じゃなくて!なんで敵の前で座れるのよ!」

 

 転移より早い飛行ってなんなんだろうか。

 などと考えていたら、いかつい筋肉だるまが俺に話しかけてきた。


 「あのオニってのと、あとで力比べさせてもらっても構わねぇかぁ?」

 「ああ……戦争が終わったらな。」

 「バッケス!どうしてあなたも敵と仲良くするの!?」

 「「戦友って言葉を知ってるか?。」」

 「なんで同じこと言うのよ!」

 

 俺と、バッケスは笑顔を交わした。


 そんな空気を読んでか読まないでか、エリナと呼ばれた女の子も話しかけてきた。


 「…………チヒロさん、あとであのオニっていうのを召喚する魔法教えてください。」

 「ああ、構わないぞ。」

 「なんでエリナまで……。」

 




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