五十三話目
自分探ししてました
「シャィオシー王国の要人を連れてきたため、できれば門を開けて欲しい。」
「ならぬ。これより立ち入っていいのは王家に連なる者のみだ。」
フェルケス領に空から入り、領城にいるであろう国王にダリエス王子を会わせたいのだが、門番が入れてはくれない。戦争前ということもあり、厳戒態勢となっている。
さすがに、空を飛んで入る訳にもいかないので、素直に立ち去った。
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「チヒロ君、どうするつもりだい?戦争は明日だし、今日中に情報を伝えておきたいところなんだが。」
「こっちが行けないなら、向こうに来てもらうしかないだろう。」
「というと?」
叫ぶ。と、答えようとしたところで、後ろからアルメリアが声を掛けてきた。
「チヒロさんじゃないですか!」
俺の召喚した騎馬隊をまだ使ってくれているようで、馬車から身を乗り出して俺に手を振っている。
……こんなに外交的だっただろうか。
「アルメリア、いいところに来てくれた。領城の中に入れなくて困ってたところでな。悪いが、馬車に乗せてくれないか?」
「はい。……それで、後ろの方は?」
「シャィオシー王国の第一王子、ダリエス・グレイ・シャィオシーです。今回の戦争の件で、バリドゲニア王に直接お話したいことがあって参りました。」
アルメリアは数秒固まった後、
「どうしてそう、次から次に問題を問題を持ってくるんですか!!」
そう叫んだ。
「そう言われてもな……」
自分でも不思議だと思いながら、馬車に乗り領城へと入った。
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「父上、チヒロさんがシャィオシー王国の要人を連れてきてくれました。」
「そうか、入ってもらってくれ。」
領城に入ってからはとんとん拍子に話が進んだ。
「久しぶりだね、チヒロ君。その方はどれくらいの要人なんだい?」
「それについては、本人から語ってもらいます。」
「初めまして、シャィオシー王国の第一王子。ダリエス・グレイ・シャィオシーと申します。この度は、バリドゲニア・フォルスク・デハミッシュ王に是非話しておきたいことがあり、参りました。」
「……これはまた、想像以上の要人だ。……二人きりで話そう。アルメリア、チヒロ君、少し出ていてくれ。」
さすがは国王というべきか、多少狼狽えはしたもののすぐに持ち直した。アルメリアとはやはり踏んだ場数が違うらしい。
促されるままに部屋を出たが、日が暮れ始めていたのもあるので、アルメリアと夕食を食べてすぐ寝た。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~以下三人称視点
街の誰もが眠りにつき、街の衛兵や貴族の従者、農民などしか起きていないような夜明け前。星の微かな光に照らされる4人がそこには立っていた。
「全力って、私出したこと無いんだけど大丈夫かなぁ!?」
「大丈夫よエリナ。これからすることは戦争の前準備に過ぎないわ。」
「レイジュの言う通りだ。安心しろ。もし魔力が足りなかったら分けてやろう。」
「おいおい!レイクスが関わったらそれだけで戦争は終わらぁ!!」
「バッケス、それは今までの話よ……。ヨシダ・チヒロ。そいつが今回の戦争にも出るらしいの。」
「まぁまぁ、それは仕事を終えてから話そうよ!」
ランクSパーティ【晴嵐の刃】の四人である。
リーダーであり、二つ名【闘神】持ちの魔法剣士。レイクス。
青髪で、常にミスリルの双剣を手にしている。冷静な性格の持ち主だが面倒くさがり屋でもあり、服装はダルンダルンである。身長は170程。
副リーダーであり、レイクスの姉。レイジュ。
緑のシャツにフードを無理矢理付けたような服を着て、足のラインがくっきり出るパンツを履いた肩くらいまでの青髪の女。身長は168程。
戦闘が得意ではない為、荷物持ち兼、交渉役である。たまに指示もする。
【晴嵐の刃】の主力火力。エリナ。
小柄でオレンジ色の長髪。黒のとんがり帽を被った元気っ子。
子供だと疑われることが多い。屋台では子供料金で割引してもらえるので、そんなに悲観的ではない。
【晴嵐の刃】唯一の守り。バッケス。
防御障壁で守りながら、2メートルを超す長身を以て身を挺して守ることもある大男。
非常に豪快で、男らしい。赤紙の短髪。
エリナが、国境にある山脈に向けて呪文を唱えながら杖を振り回す。そして山脈の上空に巨大な魔方陣ができあがった。
その魔方陣は山に向かって落下し、直後に山は轟音を伴って割れ始めた。
山脈の間から突如現れた平地から、ちょうど朝日が昇り始めた。
次→近いうちに(某総理)
19日改稿
流石に巨大ゴーレムはないわ。




