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四十六話目



 アルメリアって……こんな口調だったか?

 なんか違和感を覚えるな…。まさか、俺の魔力がはいったことが……。

 

 まぁ、追々考えよう。


 「最低でも明日の昼には、マスロネ領だっけか。そこについてなきゃいけないんだろ?」

 「えぇ、ですので近衛騎士団を偽装して、マスロネ領に入らなければなりません。…偽装では、ありませんね。新設近衛騎士団でした。」

 

 確かに、第二王女であるアルメリアが俺一人だけを雇っているのであれば、それだけ第二王女であるアルメリアの力が弱いということになってしまう。

 それは偽装する必要があるだろう。


 「まぁ、近衛騎士団は新設するとしてだ。馬車隊はどうする?さっきの攻撃を受けた所に戻って俺がアイテムボックスに収納してでも持ってくればいいのか?」

 「それが最善だと思われますが、アイテムボックスの中に馬は入るのですか?」

 

 できたら、アルメリアをアイテムボックスに入れて俺が移動すれば、護衛とかそういう話は一切無くなる筈だ。


 「多分、生物は入らないだろうな。」

 「では、馬も召喚して頂けませんか?」 

 「あぁ。召喚出来たらな。」

 「では、早速馬車の回収をお願いします。……私は、ここで回復に努めます。」

 「あぁ、そうかい。じゃあ行ってくる。」 

 

 医務室を出ると、門番が立っていた。

 

 お勤めご苦労様だ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 馬車の回収は容易だった。 

 近衛騎士団が馬車の中で寝たりしていたので、地面に顔以外全て埋めた。


 召喚の練習を騎士団から離れてやっておいた。

 

 地面に魔方陣が現れたかと思えば、そこから想像通りの馬が現れたりした。

 その馬はとても従順で、言葉を理解している様だった。


 しかもその馬は、生物でありながら俺の物らしく、アイテムボックスに入った。

 

 人の召喚もできた。裸の状態で召喚されるものだと思っていたが、服を着た状態で召喚できた。そして馬と同様、アイテムボックスに入った。

 折角服を着て召喚できるので、鎧を着るようにイメージして召喚し続けた。 


 ……魔力があれば、無制限で召喚魔法を使えるようだった。それこそ、何千人だろうが、何万人だろうが、何億人だろうが、それ以上にだろうが余裕で使えるようだった。

 それだけの人数が、俺の意思1つで動くのだと思うと少し怖くなってしまった。

 

 まぁ、昨晩の話だが。 



 俺とアルメリアは、新設した近衛騎士団による馬車隊で、マスロネ領へと向かっている。

 

 まぁ、普通の馬車隊と何が違うかと言えば、馬車を引く馬が全て白馬だという事だろう。

 

 「チヒロさん……その、無理を聞いてくれてありがとうございました。」 


 アルメリアの口調は元に戻り、気恥ずかしそうに俯きながらそう喋り出した。 

 

 「自分でも、なんであんな喋り方をしてしまったかよく分からないんです。……その、気に障ったりとかってしてませんよね?」


 ……元に戻る力が強すぎて、若干卑屈になってないか?


 「あぁ、大丈夫だ。回復魔法の副作用みたいなもんだろうさ。……で、そろそろマスロネ領に着く訳なんだが……俺はどうすればいい?」

 「どうすればいい…‥とは?」

 「馬車の降り方とか、自己紹介とかだ。」

 「馬車は、私の先に降りてエスコートしてください。自己紹介に関しては、護衛騎士団とは別に雇われた冒険者だと名乗ってください。チヒロさんは、私の知る限り一番強いですから。自信をもってください。……はぁ。」


 憂鬱な溜息を吐いたアルメリアの顔には、苦悩の二文字がぴったりだった。



 自信を持つべきはアルメリアな気もする。

 そんな考えが覆されたのは、マスロネ領に入った時だった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 

 マスロネ領に住まう住人たちは、第二王女であるアルメリアの事が嫌いであった。

 王子が生まれ、その次に第一王女が生まれ、そして第二王女であるアルメリアを生んだとき、国民の刃はと呼ばれた王妃は死んだ。 

 実際、母体である王妃が耐えられなかっただけなのだが、アルメリアが王妃を殺したという見解が広がったのだ。


 実際、特に知識のない民衆としては、身近な場合で子供を産んで死んだ母親の場合、子供が母親を殺すという考えが染みついていたのが理由である。


 マスロネ領の領主、キルゲイヌ・マスロネは王子派ということもあり、国王の陰に居なければ行動できないアルメリアに、嫌悪感を抱いていた。


 国王派、王子派、中立派。

 国王派が4。王子派が4。中立派が2の比率で、デハミッシュ王国の貴族は派閥争いをしている。


 アルメリアは中立派であるが、ここでは放っておく。


 

 アルメリアを嫌っている領民と、アルメリアを嫌っている領主。 



 その組み合わせがある土地で、何も起きない筈はない。


女神スーエ「人間の召喚は私が服ありでできるようにしました。別に私が暇つぶしで召喚した時に服着てない男の人が出てきてびっくりしたとかそういうわけじゃないですよ。ただ召喚魔法を行使するときに人を召喚する場合だけ、服を着るようにしたってだけです。えぇ、そこになんの意味もありませんよ。ただの私の気まぐれです。ええ、気まぐれと言ったら気まぐれなんです。」


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