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二十六話目


 そこそこに広い部屋の中で、4歳から10歳ぐらいの子供たちが、様々なことをして遊んでいた。

 人数は大体30人ぐらいなんだろうか。


 「にーちゃん遊んでくれないのー?」 

 「ねぇねぇ、どこから来たの~?」

 「縄張りは?」

 

 等々、子供たちがいる部屋に入ると怒涛の質問ラッシュが始まった。

 

 というか腕を引っ張られる。「こっちで遊ぼう!」とか「こっちで遊んで!」とか言われながら。  

 

 どうしよう。凄く振りほどきたいけど、下手すると、ステータスが上がり過ぎているから、子供に下手に触ると、ケガさせてしまうかもしれない可能性が出てきた。


 でも、ここまで来たからには遊ばない訳にもいかないし。

 どうしたものか。

 悩んでいても、子供たちの質問は止まらない。


 その中で、一つだけ耳に入ってきた。


 「ねぇねぇ、空って飛べるのー?」


 これだ。

 武器を作る際に、土の巨大な塊を浮遊させているんだ。子供位簡単に浮かせられるだろう。


 「空まではいかないけど、ちょっと浮かばせることはできるぞ。」


 俺がそう言うと、否定的な反応が多かった。


 「え?!本当!?やってやって!」

 「嘘だ!人が空を飛ぶわけない!」

 「なら、全員を浮かべてみてくれよ!」

 「浮く訳無いって。どうせ嘘なんだろ?」 

 

 子供が現実的な思考すると、こんなにも可愛げないんだな。 


 「よし、じゃあ浮かばせるぞ!3、2、1、0」


 俺は0を言ったと同時に、子供たちを床から30センチ程度浮かせた。


 「うわぁ!?」「あっははは!」「たーのしー!」

 「え?!嘘?!」「ひゃっほう!」


 等々。歓喜やら困惑やらの声が響いた。

 それでもやはり、笑顔なのは皆一緒だった。

 

 「もっと浮いてたい人~?」

 「「「「「「はーい!!!」」」」」」

 「了解。」

 

 暫く子供たちを浮かせていたが、何人か吐いたのは、仕方がないことだと思う。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 子供たちがヘロヘロになったので浮かせるのを辞めて、冒険者ギルドに向かった。


 一応、火の鳥討伐の依頼受けてるから。

 馬車の準備出来てるのに、俺がいないから出発できなかったとか裏で色々言われるのも嫌だし。


 そんな思いで、冒険者ギルドに向かった。

 

 向かったのはいいんだが、なぜか冒険者ギルドには女が殺到していた。

 ドレスとまではいかないが、派手なものを着ている。


 嫌な予感がしたので、回れ右して孤児院に帰ろうとした時。

 ギルドに入っていた女と目が合った。


 その女は一瞬固まって。 


 「いましたわー!!!」 

 

 こちらを指さして叫んだ。


 …本当に、嫌な予感しかしない。 


 「「「「きゃー!!!チヒロ様ーー!!」」」」

 

 女たちは、砂煙を挙げる勢いでこちらに向かって走ってくる。

 

 本当に何かもう嫌な予感しかしないので、とりあえず逃げることにした。

 

 「なんでこうなったんだ…?」

 

 そんなことを呟きながら、先ほどの孤児院へととんぼ返りした。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 


 孤児院は王都の中でも端のほうで、簡単に撒く事ができたようだった。


 今は孤児院の外で、周りの確認をしている。


 本当に、なんだったんだ。

 俺が何かをしたのか? 


 「だから!とっとと王金貨を10枚出せって言ってんだよ!」


 孤児院のほうからそんな怒鳴り声が聞こえてきた。

 なんというか、タイミング良すぎないか?


 孤児院の中を見ると、ミレニカが、先ほどとは違う男一人に追い詰められていた。 


 さっきの二人が王金貨10枚貰ってきたから、俺も貰おうとかって考えた馬鹿なんだろうか。

 一応、先ほどの二人に忠告はしたので裏にいる奴ごと皆殺しだ。決定事項である。

  

 「そこのおっさん。なんでここに来た?」

 「あぁ?ここでこいつを脅せば、王金貨10枚くれたって言った奴がいたからなぁ!なんだ?お前が王金貨をくれる奴なのか?」


 怪訝そうな目で、男はそう言った。


 「…あぁ、そうだよ。…もうこの際だ、お前のいる組織に王金貨くれてやるから、ここにもう来るなよ。」

  

 もちろんあげる気などさらさらない。

 ただ、この男がいる場所に連れて行ってくれたらなぁと、考えているだけだ。

 

 男は目を変えて、俺にすり寄ってきた。


 「じゃ、じゃあうちの組織には30人程度いるから。王金貨300枚くれるんだな?」

 「そういうことになるな。」

 「…俺じゃあそんなに持てないと思うから、ちょっとついてきてくれ。…なんで抵抗しないんだ?」

 

 あっさり人数言うあたりアホなのかと思ったが、抵抗しないことに疑問をもつあたり賢いのだろうか。

 

 「そりゃあ、あんたらに勝てる見込みがないからな。こっちは生憎、金持ってるだけのボンボンだ。金なんてせびりゃあいくらでも出る。」


 そんな訳ないのだが。せびったらいくらでも出る家なんて、王家位のもんだろう。


 「そうかそうか。じゃ、ついてきてくれ。」

 

 一瞬だけ、口元が緩んだぞコイツ。

 多分、俺に今回だけでなく、金を持ってこさせるつもりなんだろうな。


 男は、明るい歩調で歩き出した。

 俺は、面倒ながらもついて行った。


 先ほどの女たちに見つからないかと、冷や冷やしながら。


誤字脱字等があれば報告お願いします。



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