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十五話目



 さて、宿での夕食は、オーガ肉定食だった。

 なんかオーガニック定食と発音が似てる気がするけど気にしないで食べた。


 あの猪のスープが、また絶妙な塩加減なんだよな。

 パンはずっと硬いまま食べていたのだが、スープに付けて食べるものらしい。

  

 そしてまぁ、宿だから当然ベッドがあるのだが、そのベッドのフカフカ加減がたまらない。


 この宿は、一泊食事付きで銀貨2枚だそうだ。


 なのでざっと計算したところ、この宿に5000日泊まれるようだ。

 

 

 そんなとりとめのないことを思いながら、ベッドに入って明日への思いを馳せた。



 「おやすみ…。」

 

 そう呟いて、寝た。


 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 目を開けると、そこは知らない天井だった。


 え?何処、ここ。何?感覚はあるから死んでは無いんだろうけど、ここ何処だよ。


 「目が覚めましたか?」

 「あぁ、覚めた。というか冴えた。」


 柔らかい女の声がしたので、その方を見ずに返事した。

 なんかクスクス笑われている気がするので、その方を見ると、口元を抑えて肩を上下に揺らしていた。

 

 なんだよ。えらい可愛いじゃんか。

 金髪ロングストレートで、いかにもお嬢様!みたいな綺麗な真っ白のワンピースを着ている。

 目は碧眼である。…年は、大体14、5ぐらいだろうか。


 俺はベッドの中に入っているようだったので、二度寝させてもらうことにした。 

 無断だが。 


 「あれ?冴えたんじゃなかったんですか?」

 「冴えたのは頭だけだよ。目はまだ眠い。」


 いいじゃんか。寝させてくれよ。せっかく朝ごはん何かなって期待してたんだから。


 「あははは。」

 「貴様!姫様が話しかけておられるというのに!」 

 

 女のほうが随分と控えめに、口元を隠しながら笑うと、男の声が聞こえた。

 

 「はぁ…うるさいんだよ。こっちは寝起きなんだぞ?なんなんだ一体…。」

 

 仕方なく体を起こすと、そこには全身鎧がいた。

 手には槍を持っている。


 「急にこのようなことになってしまって申し訳ありません。私(わたくし)、デハミッシュ王国第二王女の、アルメリア・デハミッシュと申します。」

 

 …うん?今、王女っつった?

 

 「我は、アルメリア王女の護衛騎士団長のダンウェズ・ウェッシュである!」


 うん。お前は要らない。耳が痛いんだよ。

 

 「…色々聞きたいことがあるんだが、まぁいい。まず一つだけ聞かせてくれ。」

 「何でしょう?」

 「貴様ぁ!!なんだその口の利き方はぁ!」

 「だぁ……もぉ……うるせぇ……。俺寝起きなんだって…。」

 

 やべ。【威圧】の発動無意識にしてた。

 …まぁいいか。うるせぇしこのままにしておこう。


 「ここは何処なんだ?ベッドがあるような部屋の割に狭い気もするが…。」

 「…えっとここは、馬車の中です。」

 

 アルメリアは、ダンウェズが黙っていることに真顔で一瞬驚いてから、俺の質問に返答した。


 「ということは、もう移動中なのか?」

 「えぇ、只今王都に向かっています。」

 

 あぁ、マセルはだから『覚悟はしといてねー』ってわざわざ言ったのか。


 「貴様ぁ!!!我に何をしたぁ!!!」

 「ひっ!」


 ダンウェズは、俺の【威圧】を跳ね除けて、割とマジのほうで怒鳴った。

 それこそ、アルメリアが小さく悲鳴を上げる程度には。


 「うるせぇ。」


 そう言うと同時に、【威圧】に使う魔力を増やす。

 感覚的には盗賊の2倍だ。


 するとダンウェズは再び黙った。

  

 「…あの、ダンウェズは悪くないので、自由にしてやってくれませんか?」


 いや、アルメリア王女様。そんな上目遣いで見られても、対応に困るんですが。


 「寝起きの目覚ましにしては声が大きすぎるんだよ。ちょっと黙っててほしい。」

 「私がなんとかしますので…。」


 そう上目遣いで見られましても。

 

 「いや、どうせああいうのはさ。し、しかし!いくら姫様のご命令でも!とかって無駄に大声で言うんだから。」

 「…そうかもしれませんが!」

 「貴様ぁ!!!!我を侮辱したなぁ!!!!」

 「うるせぇな。こんな冒険者相手に鎧着てないと安心できないのか?」

 

 そう言って、ダンウェズに魔力をさらに叩きつける。


 「一度ならず二度まd

 「だからうるせぇ!」


 ダンウェズに、ドラゴンのステータス並みの魔力を叩きつける。

 最後まで言わせてなるものか。


 「はぁ…俺寝てたんだけど、なんで馬車の中にいるんだ?」

 「……運んだんです。2人で。」

 

 ダンウェズを心配しながら、アルメリアは答えた。

 

 「そうか。王都にはあとどれくらいで着くんだ?」

 「あと、丸一日でしょうか。」

 「…あれ?時間が合わなくないか?」


 もしマセルが、昨日呼んだとしたら時間が会わない筈だ。


 「えぇ、それは一昨日に、ザッドの街の領主から、ドラゴンが数匹飛んできたとの報告がありましたので。」

 「なるほど。…細かいことは気にしないでおこう。…そうだ、これだけ馬鹿にした訳だし、ダンウェズと決闘でもしたほうがいいか?」

 「…そうしてくれ。貴様如きに負けるほど弱くないことを見せてやる。」

 「その割には、声が小さくなってるが?」

 「…貴様が、何度もうるさいと言うからだろう。」

  

 あくまでも俺に黙らされてることは認めない気か。


 「…あの、どうやってダンウェズを静かにさせているんですか?」

 

 アルメリアは不思議そうにしながら聞いてきた。

 その言い方だとダンウェズ怒るから辞めてほしい。


 「仕組みは簡単だ。相手に、自分の魔力を叩きつけるだけだ。」

 「…すいません。ちょっと何をおっしゃっているか分かりかねます。」

 

 …急に敬語の種類変えるの辞めてくれません?


誤字脱字等があれば報告お願いします。


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