十四話目
チヒロが確認していないので、ステータスの数字をば。
ドラゴンは64匹いたので、8の64乗で、6.2771017e+57倍になります。
レベルは74+64で138。
ステータスは8.5439481e+96×6.2771017e+57で5.363123e+154。
ギルドの酒場ではもうおごらないと宣言した俺は、凄まじいブーイングに襲われた。
知らんよ。まだ昼間だってのに飲んでる方が悪い。
俺は今何をしているかというと、隣町までの商人の護衛だ。
ファミレから「暇だったら何か依頼うけてくれないかしら?他の受付から嫌味言われて大変なんだから。」って言われたので、仕方なく依頼を受けた。
街の出口で待っているらしい。
お、なんか馬が2匹に、荷台が4台。貰った情報と一緒だ。
「済まない。護衛の依頼を受けに来たんだが。」
適当に、荷台の近くにいた人に話しかける。
「はぁ?あんたがか?冷やかしなら帰ってくれ。」
あ、冒険者カード見せて無かった。
「あぁ、悪い。こんな見た目だが、冒険者ランクはBなんだ。」
「えっ!?も、申し訳ない!つい見た目で判断しちまった!俺は、この商隊のリーダーのダゲンタだ。よろしく頼む。」
俺が冒険者カードを見せると、ダゲンタは直角に頭を下げた。
「俺は、ヨシダ・チヒロだ。チヒロって呼んでくれ。」
「へっ?あんた、貴族なのかい?」
「いや、それが分かんないんだ。記憶が無くてな。」
「それは…申し訳ない。」
「いいんだ。記憶をなくすような真似をした俺が悪いから。…で?出発はいつだ?」
「今からだ。さっきのドラゴンのせいで、出発が遅れたんだよ。」
「なるほど。」
するとダゲンタは、一番前の荷台に飛び乗ると声を大きくして言った。
「さぁ!出発だ!馬を走らせろ!」
「「「「へーい。」」」」
「チヒロさんも乗ってくれ!」
…正直、乗らなくてもなんの問題もないからな。
まぁ、少しだけ楽をさせてもらうか。
「分かった!いつでもいいぞ。」
適当に荷台に乗る。
「…出発!」
俺が乗ったことを確認したダゲンタは、そう大きく告げた。
そして、馬は走り出した。
これが結構揺れる。
…荷台には座っているのだが、どうしても尻が痛い。
だめだ。やっぱ走ろう。
荷台から降りて、一番前にいるダゲンタと並走した。
馬の足音で大声を出さなければいけないことの方が、走ることより辛い。
「荷台から降りさせてもらった。魔物が現れたら言ってくれ!」
「えぇ!?乗って無くていいんですか!?」
「大丈夫だ。歩いているのと大差ない!」
体力的にはなんの問題も無い。
ステータスの『力』の部分に体力も入っているのだろうか。
「チヒロさんがいいならそれでいいんですが。」
「あぁ。じゃあ魔物が出たら言ってくれ。」
「早速出ました!盗賊ですが!」
「…分かった!」
ダゲンタが指さした先には、何人かのみすぼらしい格好をした男たちが4人いた。
ニヤニヤしながら、道を塞いでいる。
馬より早く走って、盗賊の前で止まる。
「殺したくないからどいてくれ。」
【威圧】を再現しながらそう言った。
先ほどのマセルの倍は、魔力を叩きつける。
「な!?…か、体が!」
結構効いたようで、1人しか口を利けない。
「そういうのいいから。どけ。」
「体が動かねぇんだよぉ!」
「動くようになったらどくか?」
「は、はい!どきますから!」
もう涙目である。
「そう言って、動くようになったら俺を襲うの無しだからな?」
「分かってる!そんなことは分かってる!早く!このままじゃ馬車に轢かれちまう!」
後ろを見ると、本当に馬が止まらずにいた。
…あと5秒か?
【威圧】するのを辞めて、俺は即座にジャンプして馬車を避けた。
相変わらず、馬鹿みたいに高い普通のジャンプ。
下を見ると盗賊達は、慌てて逃げていた。
…本当に、空中でどうにか移動できないだろうか。
足元に魔力を噴出させて、空気を一瞬だけ固定して、そこを足場とかにできないか?
まぁ、想像した訳だし、発動していることを願って。
そこに地面があるように蹴ってみる。
「お、蹴れた。これなら地面を壊す必要もなくなるな。」
さてさて、このまま上空から護衛するか。
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空を歩きながら護衛すること数時間。
隣の街に着いた。
ゴブリンの20匹程度の群れが襲ってきた以外は、特になんの問題もなかった。
「ありがとう。どこにいるかと思ったら空にいるとはね。」
「驚かせてしまったようで済まない。」
「いやいや、お陰で安心して移動できた。報酬の、銀貨10枚だ。」
「ありがとう。因みに聞きたいんだが、銀貨何枚で金貨になるんだ?」
「100枚だ。因みに、銀貨1枚は銅貨100枚だ。」
「ありがとう。じゃあ俺は帰らせてもらおう。」
「こちらとしては、ずっと護衛してほしいものだがね。」
「悪いな。」
そう言って、俺は空中を歩いて帰った。
高度としては150メートル程度。あんまり低いとすぐに見つかるからな。
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全力出したら、一歩で移動終了した。
というか、危うく通り過ぎるところだった。
適当なところで、街の外に着地して街の中に入った。
で、数分歩いてギルドに入る。
「え!?もう帰ってきたの!?」
ファミレが、また受付から身を乗り出した。
もうこの反応にも慣れたな。
「あぁ、途中で画期的な移動方法を確立したからな。」
「…そう。じゃあ、これにサインして。」
「いや、代筆で頼む。多分折れるから。」
「そう。じゃあ、これで依頼完了ね。…そういえば、ギルマスが落ち込んでたけど、何か知らない?」
多分王金貨2枚無くなったからだろうな。
「知らないな。…そろそろ日も暮れるし、宿で休ませてもらうよ。」
「そう。」
さて、腹減った。
…あれ、俺朝飯食ったっけ?
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